アン ミカ「SNSは劇場やで!」最新日めくりカレンダーに込めた思い「もっと身近な人の笑顔、言葉の心地よさに目を向けて」
更新日:2024/10/22
未来の自分のために今の時間を使いたい
——『今日もアン ミカ』には、この3年間の新しい日常から得たことが盛り込まれているとか。この3年間といえば、コロナ禍を避けては考えられませんね。
アン ミカ:コロナ禍の3年間、世界中の人が同時期に未曾有の体験をして、生きているって事は本当に奇跡の連続の結果なんだと思ったんです。「行ってきます」と家を出て、「ただいま」って帰ってくる毎日は奇跡の連続。日々生きていると、“もっといいことがあればいいのに”って思ってしまうけど、比較的自由で豊かな日本に生まれて生きていること自体が奇跡。100年前は女性が自由に学ぶ権利も、職業を選択する権利もなかったくらいですから、この時代に生まれたことも奇跡。生きることへの普遍的な想いを、あらためて「当たり前は奇跡やねんで」という言葉に込めました。
そして、以前から感じていたのは、過去を憂き、未来の不安に打ちひしがれて、「今」が疎かになることが多いのでは?と、過去と他人は変えられないけど、自分と未来は変えられる。だから過去は学びにしていき、「今」の意識を、自分がどんな未来に向かいたいのか想像することに向けてみる。コロナ禍では毎日新しい情報が出ることを信じて、未来の命のために祈ることしかできませんでしたよね。その想いを言葉にしたのが「人生の脚本家は自分やで。いつでも書き換えられる」です。
英語の「Present」っていう言葉には「現在」という意味もあって、「現在から未来の自分にプレゼントを渡していく」とも考えられると思うんです。人生はその繰り返しなんだなと、あの3年間の日々が、人間の基本に立ち返るいい機会に私はなりました。
——コロナ禍を過ごしたすべての人の心に響きそうですね。
アン ミカ:はい。このカレンダーを毎月見て、口に出しているうちに潜在意識に入っていくことをイメージしたので、ほぼ言葉を断言していないんです。パンチのある言葉は関西弁で和らげているし。視覚情報が5割(メラビアンの法則)といいますけど、目から入った言葉は頭にこびりつくことが多いから、標識みたいな言葉をご自身なりに受け取ってもらえたら。
——毎日眺めているうちに、自分の言葉としてからだに浸透しそうです。
アン ミカ:みなさんの独り言にしてほしくて。字体も、みなさんの心の中にスッと入っていけるように、楷書っぽいものもあれば、マルチフォントもあって。言葉にあわせて変えるように提案させていただきました。
——個人的には、「あかん!」というお叱りの言葉にハッとしました。もう大人ですけど、本当にダメなときは、ちゃんと叱ってもらえるのが嬉しいような気がして。
「あかん!」は、ご友人から相談を受けたときにもおっしゃる言葉なんでしょうか?
アン ミカ:そうですね。口癖でよく言ってることを、わかりやすく文字にしました。「夜はあかん、朝考えよう」とかね。友達も、夜中の1時2時に連絡してくる子が多いんですよ。私は寝るのがめちゃくちゃ早いので「正直迷惑や。時間泥棒はあかんで」と言います。誰かれ構わず聞いてほしいっていうのは、人が生活をする上ではやっぱりダメ。それができないから連絡してきてるんけどね…(笑)
人に迷惑かけると次から会いたくなくなるし、次からなんか構えてしまう。長く付き合いたいからこそ、無理して受け入れるとお互いに良くない。だから、「できるだけ夜は考えすぎず、朝になってから書き出してみ、夜は自分を労る時間にして、朝はモチベーション上げるように考えてみ」って、友達に伝えるような口癖をそのまま。文字が多すぎてもカレンダーを見なくなるので、わかりやすくスパン! と緩急をつけて書いています。