アン ミカ「SNSは劇場やで!」最新日めくりカレンダーに込めた思い「もっと身近な人の笑顔、言葉の心地よさに目を向けて」

暮らし

更新日:2024/10/22

バラエティ番組で「胸の目で見る」を実践

アン ミカさん

——お友達からも頼りにされているのだなと感じます。1日目の言葉は、普段大切にされているという言葉「和顔愛語」。アン ミカさんは笑顔と一緒に、姿勢の良さをつねに心がけているそうですね。

アン ミカ:はい。内臓が疲れるとからだをかばおうとして猫背になるので、「疲れてるんだな、労らなきゃ」と思ってスッと背筋を伸ばしたり。バラエティ番組でも、タレントさんが喋ったあとに「あ、そうなんだ、私もね…」って、目だけではなく上半身ごと相手のほうに向けた「胸の目」で見て話しかけると、その方が心地よく返事をしてくれるんです。その方にからだを向けず、目線だけを向けて話をすると、会話が弾まない。自分がぞんざいに扱われているという印象を受けるのだと思います。

 どんないい笑顔をしていても、胸の目があっちを向いていると偉そうに見えちゃう。(実際にからだと表情を動かしながら)胸ごと相手に向けていると「へ~」と笑顔で聞けるのに、胸の目をそらした瞬間に「ふ~ん」って顔になっちゃう。顔とからだが一緒じゃないと表情まで変わっちゃうんです。不思議ですけど。だから、私のお母さんから教わった“オープンハート”で、胸の目で相手を見るようにしています。

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——胸の目で見る、ですね。たしかに、からだの向きを変えるだけで、心まで相手に開いていくような気持ちになります。

アン ミカ:「プロトコール」という世界の王室などで使われているマナーの中にも、ハートを相手に向けるというマナーが紹介されています。“マナー“と聞くと堅苦しく思いがちですが、周りに迷惑をかけず、みんなが心地よく過ごすための“思いやり“だから、知っているとより周りと平和に過ごせるんです。知らなくてもいいんですが、知っていると楽しく過ごせると思います。でも難しいです。知っていると、つい指摘したくなり、知らない人に恥をかかせる雰囲気になってしまうことが多いから…。

 でもマナーって知れば知るほど、「相手に恥をかかせちゃいけない」ということがわかるのがフィンガーボールのお話。はじめに教わるんですが、王様が村人をねぎらうために宮殿にお招きになって、一番貧しい人がフィンガーボールの水を飲んじゃった。周りの人は大笑いしたけど、王様は同じように水を飲み、「もう一度ボールに水を入れるけど、次は指を洗うために使いましょう」とみんなに伝えるんです。あえて恥をかいている人に目線を合わせるという学びです。

 何もそんな大袈裟なことはしなくてもいいんですけど、それくらいの気持ちで相手に恥だけはかかせないで…と教わってから、私自身も救われたんです。小さい頃、韓国のおうちで育ったので、ご飯をスプーンで取ってスープに浸してクッパにして食べていたら、学校で行儀が悪いと笑われて。子どもの頃は何も知らないから、うちが恥ずかしい家なんだと思ってしまったことが…。それ以来私は、人を笑うのではなく、相手に何か事情があるのかも…と一旦は思い巡らせてみたり、大人がしていることをニコニコしながら真似したりする行動が身に付いたんです。自分から誰かに聞けるようになったら、その場でどうすれば周りの人に恥をかかせないでいられるのかを大人たちに聞いていました。昔はネットなんてなかったですから、見て学ぶしかなかった。

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