アン ミカ「SNSは劇場やで!」最新日めくりカレンダーに込めた思い「もっと身近な人の笑顔、言葉の心地よさに目を向けて」
更新日:2024/10/22
SNSは劇場やで! 言いたいことは一度メモ帳に書いて

——「ちょっと待って! その返事で大丈夫? 一度相手を思い巡らせてみよう!」という言葉にもハッとしました。メールやSNSをするとき、仕事でもプライベートでも役立ちそうです。
アン ミカ:私も昔、恋人に振られて、友達に失恋の愚痴を送っていたら、間違えて本人に送ってしまって…(苦笑)。間違えて気まずいメールを本人に送ってしまうことってけっこう経験があると思うんです。ボタンの掛け違いで人生を失敗しないようにと考えたら、メールを送る前にちょっとひと息待つことは必要だと思います。
——メールの前にひと息つくだけでも、内容が違いそうですね。
アン ミカ:「夜に考えたことは一度メモ帳に書いて」とみんなに言ってるんです。書いて一度自分の気持ちを落ち着かせるアンガーマネジメントが大人には必要です。相手の返信に文字を打ってから消すという人もいますけど、手が滑ったら送信しちゃうじゃないですか。メモ帳なら手が滑っても相手に送っちゃうことがないから。相手の返信には書いちゃダメって伝えています。
——一度送ったら消去できないと思うと恐ろしいです。
アン ミカ:デジタルタトゥーとして一生残ってしまうので、恐ろしいですよね。コロナ禍の3年間、人と接することができず、SNSの存在が大きくなり過ぎたような気もします。もちろん、SNSがあったからみんなで手をつなげたのだし、一長一短ですけど、今は若い人だけではなく、大人の私たちも、そういう狭い世界にフォーカスしてしまっている気がして…。何かあるとみんなで揃って反対して、目立つ存在の人を傷つけて。そうやって多数の中にいると心地いいし、「いいね」がたくさんあると自己肯定感が上がって、英雄になった気持ちになるというか。
もっと身近な人の笑顔や体温、言葉の温度の心地よさに目を向けることはできるはずだと思うんです。だから「SNSは劇場やで!」という言葉を選びました。『今日もアン ミカ』には自己肯定感を高めるような言葉もたくさん入れました。SNSに頼り過ぎているときは、「あなたの一生の味方は『自分』です」「自分を大切に。自分を信じて」「『今日も綺麗!』が仕上げの魔法」などの言葉で自己肯定感を高め、ポジティブになっていただけたら。
取材・文=吉田あき 撮影=後藤利江