競技力と人間性はどちらが重要? 麻雀のプロフェッショナルリーグ・Mリーグの監督が選手に求める資質とは #Mリーグ監督座談会こぼれ話

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公開日:2024/12/13

 2018年にはじまり、この秋で7年目を迎える麻雀のナショナルリーグ「Mリーグ」。男女混成のチーム戦、選手達はスポーツのような華やかなユニフォーム姿で対局を行うなど、これまでの麻雀のイメージを大きく変えるようなフォーマットが人気を博し、年々その盛り上がりを大きくしている。

 今回は2023-24シーズンでファイナルステージに進んだ、U-NEXT Pirates(U-NEXT)、赤坂ドリブンズ(博報堂)、KADOKAWAサクラナイツ(KADOKAWA)、EX風林火山(テレビ朝日)の4チームの「監督」達に話を伺った。

 Mリーグは「最高の個人競技が、最高の団体競技になる」というフレーズを抱えているが、麻雀はもともと個人競技。チーム同士でスコアを競うといっても、麻雀卓につくのは一人だけ。その試合だけに着目するなら個人の戦いだ。そんなMリーグにおける「人間性」や「チームワーク」の役割とは?

※本稿は『Mリーグ2024-25公式ガイド』(監修:一般社団法人Mリーグ機構/KADOKAWA)より、同書未掲載のインタビュー原稿を編集しました。

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Mリーグ2024-25公式ガイドブック P209
Mリーグ2024-25公式ガイドブック』の特別企画「ファイナル進出チーム監督座談会」。同書では掲載しきれなかったこぼれ話を紹介します

プロ競技選手に「性格の良さ」はどれくらい必要?

越山(赤坂ドリブンズ):僕からひとつ皆さんに聞きたいんですが、もしこれから選手を新たに獲得するとなったときに「性格の良さ」とか「他のメンバーとの相性」みたいなものってどれくらい重視しますか?

藤沢(EX風林火山):おもしろいテーマですね。

越山:うちで言うと、昨年加入した浅見真紀なんかはそこも決め手だったんですよ。もちろん実力面も見ていますよ。所属している最高位戦女流リーグではかなり勝っている選手ですし、論理的思考力を測る筆記テストも受けてもらって高い能力があると判断した上で、それに加えて人間性もすごく評価して指名をしました。Mリーグでは雀力が重要なのは当然として、人間性とか性格というのがすごく大事だと感じるんですよね。

森井(KADOKAWAサクラナイツ):パーソナリティは間違いなく大事だと思いますね。

越山:あとはSNSで変なことやらないとかね。

木下(U-NEXT Pirates):やはりドラフト前に会って人間性を見ないと決められないですよね。うちでいうと仲林選手はお騒がせキャラのような扱いをされることもある人だったので、最初は大丈夫かなという思いはありました。ただドラフト前に実際に会って、この人は安心できる人だと思えたので指名しました。人間性や性格はすごく大事で、選手を指名する上での大切な要素ですね。

越山:やっぱりそうですよね。Mリーグは勝たなければならない場ですから、勝つための選手を選ぶというのが大前提ですが、その勝つためにはチームメンバーが雰囲気よく戦う必要がある。

木下:そうですね。性格だけを見ているわけではなく、もちろんタイトルの獲得数なども重視した上で、性格も重要度は高いと思います。

藤沢:そういう意味では、うちは2021年に2人の選手を獲得する必要がありました。一人はオーディションを開催して、そこで優勝した松ヶ瀬選手を獲得したんですが、二人ともオーディションで決めるというのは難しかったのでもう一人はこちらで決めました。その際に、オーディションで若手が勝つかベテランが勝つか、といったところでも違ってくるとは思っていました。相性というかチーム内での役割のようなものがあると思うので。

森井:では(実際に指名した)二階堂瑠美選手以外の選択肢もあったんですか?

藤沢:ありましたね。松ヶ瀬選手は実績十分の実力派選手である一方、他のメンバーとは団体も違いあまり接点も無さそうでした。なのでもう一人は実力に加えてチーム全体を融和させてくれるような役割を期待して瑠美選手を指名した、という感じですね。

Mリーグ 監督座談会
選手を指名する上での大切な要素について話すU-NEXT Piratesの木下監督

みんながチームワークの重要性に気づいてきた

森井:たぶん、Mリーグがはじまった当初はチーム関係者の誰もが「チーム戦といっても4人集まってそれぞれが個人戦をやっているだけでしょ」と思っていたんですよ。だけど何年も戦っていく中で、どうやらそれは違うぞ、と肌で感じた。今はどのチームも4人のパーソナリティやチームワークって大事だよねってなっていると思いますね。

藤沢:基本的には4人それぞれの個人成績の合計がチームのスコアなので、チームのことなんて考えずに自分が勝つことだけを考えてくれ、って言うのは根底にあります。でも、それでもやっぱりチームの雰囲気が良いに越したことはないわけですよね。

森井:やはりチームの雰囲気が良い方が選手も集中できますし、特に負けているときですよね。我々の場合は、初年度3人でチームが始動したあとに堀慎吾選手を4人目として追加指名しました。堀選手は一人だけ所属団体も違いましたが、当時Mリーグ最年長だった沢崎選手が堀選手がチームに馴染みやすいようにすごく良い雰囲気を作ってくれたんです。そして数年経って、新たに渋川難波選手を獲得したとき、今度は堀選手が渋川選手がチームに馴染めるように気を配っていたように感じます。そういう姿勢が伝播するところが「チーム力」なんじゃないかなと思いますね。

越山:麻雀はミスがなくても負けが続くことがあり、そうなると反省のしようもないから雰囲気が悪くなってしまうこともある。そうなったときに監督というのは本当にできることが少ないので、指名の段階でそういうことを考えますよね。

Mリーグ 監督座談会
「チーム力」の大切さについて語るKADOKAWAサクラナイツの森井監督(右)。赤坂ドリブンズの越山監督(左)

<第4回に続く>

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