深田竜生が選んだ1冊は?「いろんな想像力を掻き立てられる絵本 この一冊から多くのことを学びました」
公開日:2024/12/16
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年1月号からの転載です。

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、深田竜生さん。
(取材・文=倉田モトキ 写真=TOWA)
「うわ〜、懐かしい!! そうそう、ページに穴が開いているんですよね。昔、指を入れて遊んでた。いまはもう、穴が小さすぎて入んないです。僕も大人になったんだなぁ(笑)」
まるで子どものようにはしゃぐ深田さん。彼を童心に戻したのは、長年世界中で愛され続けている、大ベストセラーの『はらぺこあおむし』。
「おすすめの本と聞いて最初に浮かんだのがこの絵本でした。あおむしがいろんなものを食べて、少しずつ成長していく。どのページも色彩がとても豊かで。それに本来、あおむしって嫌われることのほうが多いと思うんです。でも、それをこんなにかわいく表現していて。あの少し気持ちの悪い緑の虫が成長して蝶になることを、僕はこの本で知りました」
幼少期は絵本や図鑑を手にすることが多かったという深田さん。文字が読めなくても、イラストや写真のインパクトに心を躍らせていた。
「図鑑が好きになったのも、『はらぺこあおむし』がきっかけだったかもしれないです。家の周りにいる虫や動物にも知らない一面があるんだと図鑑を見て興味を持ち、逆に、世の中にはこんなにも不思議な生き物がいるんだと興奮したり。毎日いろんな想像をして楽しんでましたね。物語に出てくる世界を頭の中で自由に想像していくという意味では、次の僕の舞台も同じかもしれません」
そう話すのは1月より始まるリーディング音楽劇『ジャングル大帝』。この「ルネ&ルッキオ編」で黒田光輝さんとともにW主演をはたす。
「昨年、先輩のふぉ〜ゆ〜さんが出演された舞台の続編と聞いて嬉しかったです。しかも、演目が誰もが知る手塚治虫先生の『ジャングル大帝』。朗読劇自体も初めてですし、いまはワクワクでいっぱいです」
とはいえ、最初はタイトルを見て、驚きがあったそうだ。
「“リーディング音楽劇ってどういうこと?”って(笑)。そしたら、オーケストラの生演奏や僕たちが歌うシーンもあるとうかがって。きっと新たな経験ができそうだし、お客様にとっても新鮮な世界観を楽しんでもらえるのではないかと思います」
深田さんが演じるのは、ジャングルの王・レオの子であるルネだ。
「どんな台本になるのか楽しみですね。朗読劇だと、普段とはまた別の課題が見えてくるはず。そんな未知の世界に信頼のおける黒ちゃん(黒田)と挑める。すごく心強いし、互いに支え合いながら最高の舞台にしていきたいです」
ヘアメイク:服部幸雄(メーキャップルームプラス) スタイリング:小林洋治郎 衣装協力:ジャケット3万5750円(SEUVAS/Sian PR TEL03-6662-5525)、Tシャツ9900円(biffle/ADONUST TEL03-5456-5821)、デニム2万4200円(NATAL DESIGN/SCATTER BRAIN TEL03-5300-8164)
リーディング音楽劇『ジャングル大帝』ルネ&ルッキオ編

原作:手塚治虫『ジャングル大帝』 脚本・作詞:福田響志 演出:ウォーリー木下 音楽:岩崎 廉 出演:深田竜生、黒田光輝/永田崇人、西川大貴、工藤広夢/水嶋凜、ダンドイ舞莉花ほか 2025年1月10日(金)より大阪・東京にて上演 ●人の心を持ったジャングルの王・レオとライヤの間に生まれた双子のルネ、ルッキオ。人間の世界に興味を持ったルネはルッキオたちが止めるのを押し切って海へ出る。しかし、サーカス団と契約を交わし、ルネは捕らわれてしまう。