「まさか続きが読めるなんて…」人が家畜の《ニンゲン農場》を描く衝撃の“グルメ”ホラー『動物人間』。著者が参考にした料理人の知人の話《インタビュー》

マンガ

更新日:2025/1/20

料理人の知人に訊いた、「人間の調理法」が作品のアイデアに

『動物人間』2巻 p.4
動物人間』2巻より

――第1巻では動物人間たちのファームに迷い込んでしまった人間の父と娘が、恐ろしい事態に巻き込まれていく顛末が描かれました。「強者が弱者の肉を食う」という世界の理を下敷きに容赦ない展開が繰り広げられ、かすかな余韻をもって終わる。そして今回、第2巻が出て、まさか続きがあったのか! と非常に驚きました。

岡田:実は続きを描けるかどうかは反響次第だったんです。なので、1巻にギュッと情報量を詰め込んで、濃厚な読後感を心がけました。そうしたら思いがけずたくさん反響をいただいたので続きを描くことになったんですよ。

 とはいえ、1巻だけでも完結して楽しめることを意識していたので、その続きはどうしようか……と悩みましたね。結果、1巻にも登場する羊の少女をとっかかりに復讐劇のようなものにできるのではないか、と思いつきました。

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『動物人間』1巻 p.198
動物人間』1巻より

――生きている状態で自分の身体が食べられていく様子を見守るシーンや、人間たちがさまざまな料理として調理されていくシーンなど、第2巻の冒頭もかなり衝撃的です。

岡田:料理人をしている知人がいるので、その人に「もしも人間を調理するとしたら、どんな調理法が考えられますか?」と訊いてみました。人間は豚肉に近いとか、ちょっと脂っぽいとか、知らなかったことをいろいろ教えてもらえて、そこから使えそうなものをマンガのなかでも表現していったんです。その人もマンガ好きだったのでたくさんアイデアを出してくれたんですけど、喫茶店でそんな話をしていたものですから、周囲の人たちは怖かったかもしれませんね。

 2巻を出せることになって、やっぱり冒頭は気合を入れようと思ったんです。1巻から少し間も空きましたし、読んだ人に「そうそう、『動物人間』ってこういう話だった!」と再認識してもらいたくて。だから内臓なんかも丁寧に描き込んで、自分の身体が食べられているのを見ている動物も描きました。『動物人間』らしい冒頭の物語が描けたな、と思います。

 それと、冒頭に限らず、本作では8ページに1回はびっくりするような描写を入れています。それが続きを読みたいと思わせる引きになるとも思うので、次はどんなシーンを入れようかなといつも考えていますね。

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