白熊、ロボット、鶴…!?着ぐるみ好きの仲良し家族の愉快でシュールな日常。【書評】
更新日:2025/2/6

目まぐるしい日常に疲れている方、最近笑いが足りていない方に『着ぐるみ家族』(Masaki/KADOKAWA)をおすすめしたい。着ぐるみが大好きな家族の愉快な日常に、ページをめくるたびに笑みがこぼれるだろう。
とある街に住む3人家族。一見普通の仲良し家族だがこの3人、いつも着ぐるみを着て遊ぶちょっぴり変わった家族なのだ。無表情だけど内心ノリノリで家族愛の深いパパさん。ツッコミ役だがその実、誰よりも楽しんでいるママさん。ごっこ遊びが大好きでおてんばなムスメちゃん。そんな3人が、着ぐるみを着ながら日常を楽しく過ごしていく物語だ。個性豊かなじいじ・ばあばや、近所に住む女子校生なども登場する。「パパさんとママさんの出会い」「ムスメちゃんが笑った日」を描いた、描き下ろし長編漫画も収録されている。
種類豊富なカラフルな着ぐるみが登場するので、次は何を着るのだろう? とワクワクしてしまう。ゴミ捨てとなればロボットの着ぐるみでテキパキ仕分け、暑い日には白熊の着ぐるみ、敬老の日には鶴の着ぐるみ…など、各場面や季節・イベントにぴったりの着ぐるみを着る家族が可愛くてたまらない。
着ぐるみを嬉しそうに着こなすムスメちゃんが愛おしいのは、言わずもがな。可愛らしい着ぐるみに包まれたパパさんが、無表情でシュールな笑いをもたらしてくる。2人をたしなめるママさんの、気持ちいいツッコミも癖になってしまう。そんなママさんは普段、着ぐるみを着ないが、Tシャツ・スリッパなどのコーディネートにさりげなく着ぐるみの要素が取り込まれている。そちらにもぜひ注目してみてほしい。
「いつもの暮らしをちょっぴり面白くする」をコンセプトにした作風を得意としている作者のMasakiさん。本作で描かれる何気ない日常からは、たくさんの癒しと笑いをもらえる。1人で読むのはもちろん、家族でも絵本のように楽しめる1冊。仲良し家族を見て、思わず家族でお揃いの着ぐるみを買いたくなってしまうかもしれない。
文=ネゴト / fumi