『温泉むすめ』声優ペアインタビュー第2回:日岡なつみ(登別綾瀬役)×桑原由気(有馬楓花役)
公開日:2017/12/20
日本全国に3,000ヶ所以上ある温泉地を擬人化したキャラクターたちによる地域活性クロスメディアプロジェクト『温泉むすめ』。ダ・ヴィンチニュースでは、そのプロジェクト内のメインユニットであるSPRiNGSのメンバーにペアインタビューを敢行。第2回は登別綾瀬役の日岡なつみさんと、有馬楓花役の桑原由気さんというメンバーの中でも年上組のふたりです。

実はこのペアも専門学校で……
――今回はSPRiNGSメンバーでも年上(キャラクターではなく実年齢)のペアに話を伺います。
桑原:確かに年上なんですが、実は私達も前回のペア(長江里加、和多田美咲)と同じく専門学校の同期なんです。
日岡:そうなんです。ただ、専門学校は人数が多いし、クラスも違ったのでほとんど会ったことがなくて。
桑原:そうそう。
日岡:存在は知っていたけど、全然会ったり話したりする機会はなかった。だから『温泉むすめ』で初めて一緒の現場になった時は、「あぁやっと会えた」みたいな感じで。
桑原:「やっと喋れたね」って。専門学校のころから声優のお仕事をしている人はあまりいなかったんですけど、なっちゃんは当時からしていたから、私はすごい人だと認識していました。
日岡:いや、桑ちゃんの名前もよく聞いてたよ。選ばれし者だけが受けるトライアルとかあるんですけど、そういうのでよく名前聞いたり。あと友達から「桑原由気ちゃんっていう、お芝居が上手な子がいるんだよ」とか噂も聞いて。
桑原:あはは(笑)。でも卒業式で頑張った生徒が表彰されるんですけど、なっちゃんはそれのトップとして賞状をもらっていて。「ああ、すごいな」って思っていました。
日岡:それはたまたま縁があって、今の事務所に所属が決まっていただけだから(笑)

――専門学校でその名を轟かせていたふたりが、時を経て『温泉むすめ』でついに合流した、と。
桑原:それまでもオーディションでちょこちょこ見かけることはあって、「あ、日岡さんだ」とか密かに思ってたんです。すごく覚えているエピソードがひとつあって、オーディションって基本的には先に台本をもらうんですけど、たまに現場で当日にもらうことがあるんです。
桑原:私はその台本がどこに置いてあるかわからず、ボケっと座っていたら、なっちゃんが「あそこに台本ありますよ」って教えてくれたんです。みんな必死に自分のことに集中するなかで、そんな親切をする心の余裕にめっちゃ感動して「わあ、めっちゃいい人だ」と思いながら帰りました。オーディションは駄目だったんですけど(笑)
日岡:印象深いオーディションだったので、その時のことは私も覚えています。自分も緊張していたから、顔を知っている桑ちゃんに声をかけたくらいの感じだっただけで。
桑原:このさりげなさが感動するんですよ。

――そんな親切な日岡さんから見て、桑原さんはどんな印象ですか?
日岡:桑ちゃんの印象は変わりませんね。最初からずっとにこやかで。裏表もないし、気分やテンションで変わることもなく、それが本当にすごいです。
桑原:なっちゃんもずっと一緒だと思いますよ。
日岡:本当? フフフフ。
桑原:フフフフ。
年上達が見たSPRiNGSメンバーの素顔
――安定感抜群の年上組から見て、SPRiNGSのほかのメンバーはどう感じますか?
桑原:みんなすごくしっかりしてるから、年上だから頑張ろうみたいな意識はないですね。むしろ私のほうが色々と支えてもらっているというか。
日岡:本当にそう。私が演じる登別綾瀬は年上だし、みんなを包み込むお姉さんなので、役柄的にはしっかりしなきゃいけないんですけど。でもSPRiNGSはフラットというか、年齢に関係なくみんな対等な感じですね。
――では、そんなメンバーの中で一番面白いのはどなたでしょう?
日岡:イベントの時とかで面白いことを言うのは桑ちゃんですね。
桑原:私はビジネス破天荒なので(笑)
日岡:面白いことを言ったり鋭いツッコミとかするけど、終わったら静かになる(笑)
――イベントのクイズコーナーなどを拝見していると、桑原さんの回答は毎回インパクトがありますよね。
桑原:答えがわからないから、そっちにいくしかないんで。
日岡:でも、ボケに突っ走ってくれるからありがたいんですよ。

――桑原さんは普段からお笑いの勉強などされてるんですか?
桑原:勉強するという心構えではないですが、趣味がラジオ視聴で、伊集院さんの番組やオールナイトニッポンなど色々と聴いています。その際に「こういうこと言おうかな」とか考えていますね。
――なるほど、たまにハガキ職人的な上手さを感じていましたが、そういう所から来ているんですね。
日岡:あとは天然系で面白いのはやっぱり佳奈ちゃん。
桑原:ああ、本宮佳奈ちゃん。演じているキャラクター(有馬輪花)がしっかりしてるぶん、余計にその差を感じて。真顔でパッと言うことが「ああ、天然さんだ~」って感じで癒される。
――では、一番かわいいメンバーは?
桑原:これはわっちゃん(和多田美咲さん)だよね。
日岡:わっちゃんは見た目からかわいいし、声もかわいい。
桑原:前に飛行機内で「後ろのほうで子どもが大きな声で話していて気になるね」みたいな話をしていたんですよ。それで後ろを見たら、子供に混じってわっちゃんが話していたという。
日岡:あったね(笑)。うん、わっちゃんはみんなにかわいがられています。
――ではメンバーで一番の努力家は?
日岡:みんな努力家だけど……イメージとしては(高橋)花林ちゃんとか。
桑原:確かにそんな感じはする。
日岡:努力家という言い方が合ってるかわかんないですけど、花林ちゃんは知的で色んなことを考えているんです。SPRiNGSでいて、わからないことがあれば花林ちゃんが率先して聞いてくれて。
桑原:ライブとかでも結構引っ張ってくれますしね。しっかりしています。
『温泉むすめ』の新たなスタートとなったドラマCD
――日岡さんは北海道出身ですが、担当キャラクターのモチーフとなっている登別温泉には行ったことがありますか?
日岡:はい。この役が決まるずっと前……学生の時に友達と登別温泉に行きました。
桑原:どんな所なの?
日岡:登別温泉は北海道らしい温泉かな。山の中にあって自然が豊か。でも温泉の周りには浴衣とかで歩けるような温泉街もあって、旅行するのにすごくおすすめ。クマ牧場も有名だし。
桑原:出た、クマ牧場。
日岡:その牧場のCMが超有名で、北海道の人は絶対知っているはず。あと、北海道では定山渓(じょうざんけい)という温泉も有名ですけど、そちらは札幌により近いので、札幌の人なら1回は行ったことがあるはずです。
――さすが、地元の温泉むすめを担当しているだけあって詳しいですね。登別綾瀬役に決まった時はやはりうれしかったですか?
日岡:それはもう。マネージャーさんに「決まったよ」って言われた時は「やったー、北海道行けますか!?」って聞いて。
桑原:うふふ。
日岡:仕事で札幌に行ったことがないので。桑ちゃん達の有馬温泉は2回行って観光大使にもなったし、来年こそは『温泉むすめ』で登別温泉に行きたいですね。

桑原:有馬温泉に関しては、本当にありがたかったですね。担当している有馬楓花ちゃんは自分の声質的にも演じやすいキャラクターで、それも奇跡的だと思います。
日岡:桑ちゃんの楓花ちゃんもそうだし、SPRiNGSメンバーは『温泉むすめ』のキャラクターにハマってるよね。綾瀬は、私はあまりやったことがないタイプだったので、ちょっと挑戦だったけど。
桑原:そうなんだ。
日岡:これまではかわいい系が多くて、セクシーなお姉さん系はほとんどなかったの。
桑原:でも、ドラマCDを聴いたけど全然馴染んでたよ。
日岡:ありがとう。まだお姉さん感やセクシーさをもっと上手に出せるようになりたいなと思っているけどね。ただ、ドラマCDは『温泉むすめ』キャラクター同士の絡みがある初めての収録だったので、やっていて楽しかったですね。「こういうキャラクターのバランスなんだ」とわかって今後の参考になります。
桑原:「お姉ちゃん(有馬輪花)はこんな風に自分に喋ってくれるんだ。こんなベタベタに私のこと好きなんだ」とかわかって。お芝居の面で『温泉むすめ』がスタートしたと感じられて楽しかったです。

2018年はもっと地方に行きたい!
――12月24日の2ndライブへの意気込みを教えてください。
日岡:1stの時は初めてだったから、お客さんが盛り上がってくれるかもわからなくて。でも、今ではもうぽか旦那、ぽか女将のみなさんが温かくて、盛り上がってくれるのもわかってるし、SPRiNGSの絆も深まってますから。そういう安心感はあるので、きっとうまくいくんじゃないかなと思っています。
桑原:私は1stの時は余裕があまりなくって。間違えないようにしなきゃとか、みんなにぶつからないようにしなきゃとか、そういう初歩的なことで頭が一杯一杯でした。でも今回は、少し曲数も増えますけど、余裕も出てきているぶん、表情を意識したりとか、お客さんを楽しませるために自分も楽しむことであったりとか。そういった精神面での成長するのが目標ですね。
――『温泉むすめ』のライブを見ていると、いつもダンスが大変そうだなと感じます。
日岡:私はもともとダンスが好きで、習っていたので、楽しいですね。
桑原:それわかる。ダンス練習の動画で、いつもなっちゃんの姿を見てるから。
日岡:うそ、本当に?
桑原:本当。なっちゃんとか花林ちゃんとか上手い人のダンスを見て確認しながら、家で練習しているんです。

日岡:ダンスが一番キレキレなのは、だーみな(篠田みなみさん)だよね。
桑原:だーみなは、ちょっとランクが高過ぎるから(笑)
日岡:だーみなだけ別格なんですよ。ずっとダンスやっているから、もうキレッキレ過ぎて。みんな同じ振りなのに、ひとりだけ切れ味が全然違う。
桑原:そう、同じ振りに見えないから。
――ライブではみなさんのダンスにも注目ですね。最後に、2018年の『温泉むすめ』での目標を教えてください。
桑原:もっと地方に行きたい!
日岡:うん、行きたい行きたい。
桑原:プライベートであまり旅行しないので、お仕事で行きたい(笑)。知らない土地のことを知れるし、お客さんも楽しんでくれてるって聞くし。美味しいものも食べられるし。
――これまで『温泉むすめ』で行った地方で、特に覚えているご飯はありますか?
桑原:11月の仙台は牛タンばかりでしたね。行きの新幹線で食べて、夜ご飯で食べて、帰りの新幹線でも食べて。エヘヘ。
日岡:しかも桑ちゃん、牛タンサイダーみたいなのも飲んでたし(笑)
桑原:それでお土産に牛タンジャーキー。
日岡:すごい、牛タン尽くしだ。
――どこか行きたい地方はありますか?
桑原:九州に行きたいです。長崎の嬉野温泉が私の実家に近いんです。『温泉むすめ』でも嬉野ちゃんがいますし、ぜひ行きたいですね。
日岡:私も地方出身なのでわかるんですけど、地方ってなかなかイベントやライブがないんですよ。
桑原:そうだね~。
日岡:イベントごとは関東中心じゃないですか。だから地方に行くと「地元の近くに来てくれたから会えてうれしかったです」みたいな手紙をもらえた時とか本当によかったなって思うし。『温泉むすめ』はせっかく各地の温泉地を題材にしていているので、とにかくいろんな所に行きたいですね。なので、やはり2018年は登別温泉に行きたいです(笑)
――温泉むすめの地方公演、期待しています! 本日はありがとうございました。
取材・文=はるのおと