しまいこまない、探さない、ゴチャゴチャさせない! 好きなものに囲まれて、自分らしさが出せる“収納のカタチ”
更新日:2018/1/15

物が少なければ、部屋がスッキリするのは当たり前。クローゼットや引き出しに仕舞い込めば、片付いたように見えるのも当然のこと。でも「お気に入りのモノに囲まれて暮らしたい」「愛着あるグッズは見えるところに置いておきたい」という人だっていますよね。
『見せる収納 片づけない収納』(主婦と生活社)では、“仕舞い込まない”“片づけない”、でも統一感があってスッキリ素敵に見える……そんな実例を全国から集めて一冊に集約。ここではその中から、すぐにでもマネできそうなアイディアをご紹介します。
■キッチンを制するものは収納を制す! よく使うものほど手近に置くのが“見せ収納”の正解

築20年の中古住宅に家族5人で暮らすという根来さん。食事の準備も5人分なら大仕事です。そこで、よく使う食器を目の前に配置できるよう、吊り戸棚の扉をすべて取り払い、さらにL字金具で手作りの棚をプラス。
賃貸の場合、勝手に扉を外すことはできませんが、使用頻度の高いものほど手近に置くアイディアは、家事効率もアップするのでマネしたいところ。
その際、上段は、こまごましたものをカゴに入れて、まとめて取り出しやすい工夫を。目の前に配置する食器も、シンプルなものだと、スッキリ落ち着いた印象になります。
■こだわりの食器やキッチン雑貨は、“壁面収納”活用で、どこからでも眺められるように

お気に入りの食器やコレクションは、リビングでくつろぎながらでも眺めていたい。ファイヤーキングやアンティーク雑貨が趣味の森部さんは、まさに居心地のよさと収納の二兎を追って二兎ともゲット。貴重なアンティークアイテムですが、「ものは使ってあげた方が喜ぶ」とすべて日々の暮らしで使っているのだとか。
棚を取り付け、壁面を活用するのは、見せる収納の基本。さらに森部さんはブリキ缶やガラスジャーで収納を統一しているので、おしゃれかつ整った印象に。

生活感の出るスーパーのビニール袋もレトロなブリキ缶に収納。懐かしの駄菓子入れには麦茶パックやスープの素を。遊びゴコロたっぷりの主役級収納グッズです。
■あえて形も大きさも不揃いなカゴで、味のある自分らしい部屋を作る
同メーカー、同規格のカゴや箱なら、統一感も出て、何より重ねられるから便利。でも、西原さんにその便利さは不要なようです。

洋書や映画『かもめ食堂』をお手本に、壁一面をディスプレイ。ひとつとして同じアイテムがないのに統一感が出ているのは、テイストを寄せているから。不揃いなカゴで壁面にリズムが生まれ、その人らしいお部屋に仕上がった、素敵な一例です。
■【番外編】家の中に小さなスペースを見つけて、マイ書斎を作るアイディアも!
本書では、自分の部屋はないものの、工夫をして自分のスペースを確保した方の例も複数掲載。

物づくりが大好きな分野さんは、階段下の壁に挟まれた、奥行き80cmのスペースをマイ・アトリエに。「子どもたちを見守りながら作業できるように」という思いもあってこの場所にしたのだとか。秘密基地のような場所柄もあってか、ミシンやボビンを出しっぱなしにしていても、なんだか絵になります。
他にも、キッチン奥のゴミ置き場としてのスペースにアトリエ兼書斎を作られた方など、狭いから好きなものだけギュッと厳選して、なんだか落ち着ける……というのもあるのかもしれません。
いかがでしたか。四隅のきちんと整った部屋もそれはそれで美しいですが、なにかひとつ不揃いなものがあると、途端にその人らしさが出て、魅力的に感じられます。家の中でくらい、自分が居心地良く感じるリズムで暮らしたいものです。
文=八巻奈緒