センスとお金がなくてもOK! デキる男のファッションって?
公開日:2018/3/26

スーツはビジネスマンの戦闘服。本来なら、自分の体に合うものを、シーンに合わせて使い分け、コーディネートすることが必要なのだが、なんとなく着ているという人も多いのではないだろうか。『一流に見える服装術』(たかぎこういち/日本実業出版社)は、40年以上ファッション業界で活躍してきた著者・たかぎこういち氏が、「一流に見える服装を武器に仕事で成果をつかみ取ろう。人間の中身が一流になるのは簡単ではないが、服ならすぐに変えられる」と、ビジネスマンへのエールを込めた1冊である。
ビジネスのスタイリングの重要な要素は、TPOに加え、サイズ、シルエット、素材、カラーをバランスよく組み合わせること。季節に応じてスーツ、シャツ、ネクタイの素材を変えることで、お洒落度もワンランクアップするという。上着のシルエットも、パンツの幅も、体型によって選び方が変わってくるので、本書の、「自分の体形に合う服の選び方」をチェックしてみよう。
ビジネススーツは、どんな体型の人であっても、選び方によって、威厳や信頼感を醸し出すことができるのだそう。自分にぴったりのサイズの服は自信を与えてくれるので、昨今手頃な価格になったオーダースーツにチャレンジしてほしいと著者は述べる。スーツを選ぶ基準は、まずシンプルで過剰でないこと。社会的ポジションに合った価格帯も意識(給料の2~3割が適正)することが大事だそう。
また著者は、スーツとシャツとネクタイを「どう組み合わせたらよいかわからない」というお悩みに応えて、定番色のネイビーとグレーのスーツをベースに、組み合わせ一覧表を作成。これを見れば失敗なしだ!
ファッションにまつわる格言が散りばめられているので、いくつか紹介しよう。
「銀行員か、自営業か、選択するブランドはその職種による」落合正勝(服飾評論家)
「下品な服装は服だけが目につき、上品な服装は人物を引き立たせる」ココ・シャネル
「ネクタイは、それを締めている人よりも一歩先に部屋に入ってくる」サー・ハーディ・エイミス
「人はその制服どおりの人間になる」ナポレオン・ボナパルト
本書には、TPO別、適正な服の一覧がある。それぞれ上着、ボトム、シャツ、 ネックウェア、靴がイラスト入りで示され、わかりやすい。通勤セットアップはもちろん、社内プレゼン、新規先最終プレゼン、上得意先ご挨拶、記念式典参加、ショッピング、学校行事、休日出勤などなど、ビジネス関連、家族親族、友人関係と網羅しているので、ぜひ参考にしてほしい。
まずは本書に沿って、必要なアイテムを揃えていくのが、素敵な男性への近道になると思う。「ファッション好きな人だけでなくファッションに困っている人に届くように」という著者の思いが伝わってくる実用書である。
文=泉ゆりこ
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