「南早紀」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】
公開日:2018/9/14

編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。
第198回となる今回は、『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』の白石紬役や、『八月のシンデレラナイン』の野崎夕姫役などを演じる南早紀さんです。
――『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』の白石紬役として活躍されていますね。この役に決まった時はどんな気持ちでしたか?
南:知らせを受けた時はびっくりしました! こんなに大きなコンテンツに参加できるなんて…。「えー!」って大きな声をあげてしまったんですけど、周りの人から注目されていたのでハッと我にかえって。これは夢じゃないんだ、現実なんだって、嬉しさと戸惑いと不安と、いろんな感情が入り混じってました。
――収録に入ってからはスムーズに演じられましたか?
南:すごく分厚い台本をいただいたのに、3時間の収録で4枚分くらいしか進まなくて。というのも、監督やスタッフの皆さんとお話しながら、一緒に作り上げていったんですよ。みなさんに導いてもらった、という感じです。
――監督やスタッフさんからは何と?
南:ヒントはくださるんですよ。見た目ははんなりとした美人だけど、内に秘めているものは違って…という風に。自分で納得するまで声を出さなくていいよって言われて、10分か20分は声を出せませんでした。「私の名前は白石紬です」の最初の「わ」が出ないんですよ。この「わ」は紬じゃない、と思ってしまって。でも納得してから声を出したら、「うん、それそれ!」と言っていただけて。それを繰り返しながら紬を作っていきました。
ミリオンライブ!ってたくさんのアイドルがいるじゃないですか。だから、いかに自己紹介でバーンと印象づけるのか。そこはよく考えながら収録しました。
――白石紬の気に入ってるところは?
南:見た目は超絶美少女なんですけど、不器用なところ、早とちりをしてネガティブになってしまうところ…そんなマイナスに思えるところが好きだなって。マイナスな部分を抱えているような人のほうが魅力的だって感じるほうなので。愛おしいな〜と思います。私も自分に自信がなくて、違う意味で早とちりしちゃうほうなので、そこを紬とリンクさせられるように心がけてます。

――ライブにも登場されていますが、歌やダンスはもともと得意なほう?
南:それが、全然得意じゃなくて! こんなに歌のお仕事が増えてしまって大丈夫かな?って自分で思うくらいです(笑)。ミリオンライブ!のお仕事が始まった頃に「あ、これはダメだ。人前で歌えるようにならないと」と思って、ボイトレに通い始めました。
――ダンスのほうは?
南:ダンスも踊れなくて…。レッスンもありますけど、ダンスが苦手な私にとっては時間が足りないので、自分で、目をつむっても踊れるようになるまで練習しています。
――ミリオンライブ!の仲間たちと触れ合う機会も多いと思いますが、そこで刺激を受けることも?
南:あります。ライブでは、なんというか、みなさん本当にありのままなんですよね。ステージではキャラクターになりきって、ばっちりカッコいいのに、楽屋に戻ってくると「お菓子食べよー」とか「みんなで写真とろ!」とか、本当に飾らなくて。息をするように役を表現されているなって感じるし、存在自体がプロなんだなって思います。尊敬しちゃいます。
――仲間して新しく入ってきた南さんに声をかけてくれることもある?
南:褒めてくださったりします! 同じ土俵に立たせていただいているんだな、私のことを見ていてくれるんだな、と思うと、本当に嬉しいです。いつも、皆さんに追いつきたいっていう気持ちで頑張っているので。
――これから、白石紬の活動で楽しみにしてほしいことを教えてください。
南:人前で歌ったりするのは、ミリオンライブ!が初めてなんです。まだ紬役を演じて1年くらいなので、これから成長できるっていう自分への期待もあるし、「白石紬はすごいんだぞ!トップアイドルになれるんだぞ!」っていうところを皆さんに見せられると思っています。まだまだ成長するし、成長したいから、その姿を見ていてほしいなって思います。

――決意がひしひしと伝わってきます。ゲーム『八月のシンデレラナイン』では、野崎夕姫役を演じながら、ライブ出演なども。この作品で注目してほしいことは?
南:ハチナイって女子高生が野球で甲子園を目指すんですけど、恋愛のような要素はなくて、純粋に女の子たちが汗を流して野球をしているっていうゲームなんですよ。ゲーム好きの人はもちろん、野球が好きな人にも楽しんでもらえる、爽やかな野球ゲームだと思います!
――南さんは、81オーディションで優秀賞を獲得したことをきっかけに、声優の世界に入られていますね。そもそも声優を目指そうと思った理由は?
南:小さい頃からアニメや漫画が大好きで。声優を意識したのは、幼稚園か小学校1年くらいに、テレビ番組に増岡弘さんが出演されているのを見た時ですね。ジャムおじさんとマスオさんが同じ声優さんだと知って、すごく魅力的だなあと。同じ人間なんだから私にもできるんじゃないかなあと思って(笑)。
――どんなアニメや漫画が好きでしたか?
南:少女漫画も少年漫画も。いとこのお姉ちゃんとかお兄ちゃんが漫画好きで、周りにオタクしかいなかったから、漫画やアニメを見るのが当たり前で(笑)。中学1年の時は、『涼宮ハルヒの憂鬱』とか『らき☆すた』をリアルタイムで見てましたね。深夜に起きて、家族には内緒で。
――学校生活はどんな風に過ごしていた?
南:お母さんがソフトバレーのママさんバレーに入っていたから、私も小学校1年からそれに参加させてもらっていました。中学校では学校のバレー部にも入ってたんですよ。だから、放課後の6時から8時までは学校のバレー部、8時から10時まではママさんバレー。今考えたら、バレー三昧な日々を送ってましたね。

――高校でもバレーを?
南:高校では放送部に入ってました。でも、あんまり積極的な活動はなくて、「あめんぼあかいなあいうえお」みたいな発声練習もなかったです。あ、全校生徒が集まるような集会では「校長先生の言葉」とか話してましたね。懐かしい(笑)。
――やっぱり、人前でお話しするのは好きだったんですか?
南:そうですね。声優になりたいっていうのを周りに言えなかったから、その代わりに放送部に入ったっていうのはありますね。
――周りの人に言うようになったのは?
南:高校3年の進路を決める時、初めてみんなに言いました。東京アナウンス学院に進みたいって話した時に、「アナウンスになりたいの?」って聞かれたので、「違う、声優になりたい」みたいな感じで。中学生の頃から声優になりたいと思っていたんですけど、大分の田舎だったし、東京に行かないと無理なんだろうなってあきらめてたんですよ。
実は、高校2年の時、親に内緒で声優のオーディションを受けて、合格したことがあるんです。東京に行く必要があったからお断りしたんですけど、もしかしたら私は声優になれるかも…っていう自信がついて。だから進路を決める時、東京に住めて、声優を目指しながら、バイトをして生活ができる、新聞奨学生っていう制度を選びました。一石三鳥だなって。
――そして専門学校に通ったのちに、事務所に所属したのですね。プライベートについても伺いますが、趣味欄に書かれている「血液型を当てる事」って、けっこう当たるんですか?
南:けっこう当たります(笑)。私、靴を見ると、血液型を当てられるんですよ。コミュ障で、どうやったら人とうまく話せるんだろう、どうやったら自分って面白くなるんだろうっていうオタク特有の悩みがあって。自己啓発とか心理学の本を読んだ時に、そのアドバイスを読んだことがきっかけなんです。相手のことがわかると、どんな風に接したらいいのかわかるんですよ。
――ちなみに、南さんの血液型は?
南:A型です。見えないってよく言われますけど(笑)。A型の靴はわりと綺麗で、靴紐もがビッてきちんと結んであることが多いです。でもトラップがあって、会社の中とかで靴を履き替えるとわからなくなるんですよ! ふだん履いている靴じゃないと。以前も履き替えた靴で当てたら「ブー!」って言われて、悔しい思いをしました(笑)。
――やっぱりプロフィールを読んだ人から「当てて」って言われるんですね。
南:けっこう言われます(笑)。

――「利きからあげ」ができるのも、すごいなと。
南:私の出身地の大分県中津市って唐揚げの生産量が日本一のところで、小さいところから唐揚げをたくさん食べていたんですよ。上京してきた時に、東京のご飯が美味しくなさすぎて、お水も飲めなくて…。何が食べられるんだろうと思った時に、コンビニの唐揚げだけは食べられたんですよ。全国ほぼ共通の味じゃないですか。ずーっとコンビニの唐揚げを食べていたら、どこの唐揚げかどうかを当てることができるようになったので、これを趣味にしちゃおうと思いました(笑)。
――どこのお店の唐揚げが好き?
南:唐揚げ専門店もよく利用しますけど、コンビニで言うと、からあげ棒も好きだし、揚げ鶏も好きだし…。どこのコンビニも本当に大好きですけど、食べやすいっていう意味ではセブンのからあげ棒かな?
――最近、休日はどんな風に過ごしてますか?
南:体を動かすことが好きなのでジムに行ったり、お買い物が好きなのでコスメを買いに行ったり。けっこう女の子らしいかもしれない(笑)。
――女子力が高い?
南:たぶん高そうに見えないと思うし、Twitterとかでそういう振る舞いもしていないぶん、休日は爆発したように女子力が高そうなことをしてますね(笑)。でもたぶん、言うほどでもないことだと思うし、おおっぴろげに言うのが恥ずかしいんです。
――声優として、これから力を入れていきたいことは?
南:いっぱいあるんですけど、一番やりたいのはナレーションかな。声優を知るきっかけになった増岡弘さんがナレーションをされていて、すごいなあって尊敬していたので。私、NHKのアニメとかバラエティが好きで。バッタの生態を見てみましょう、みたいな番組でナレーションをやりたいな〜とか思うんですよね。
――お芝居とはまた違う、ナレーションの魅力ってどんなところ?
南:お芝居は、正解がないから苦しいこともあるけれど、終わった時の達成感がすごくあるし、楽しいなと思います。ナレーションの楽しさは、キャラクターではなく、ありのままの自分を出せるところ。ある意味、自分を受け入れてくれるようなイメージがあるから、惹かれるのかなって思います。小さい頃から夢見ていた声優さんってやっぱり、一人でマイク前で収録しているようなナレーションなんですよね。
――最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
南:ここまで読んでいただいてありがとうございます。ありのままの南早紀を語らせていただきましたので、
南:ちゃんってこう言う人なんだな〜って、少しでも私のことを知っていただけたら嬉しいです。これから頑張りますので、よかったら背中を押してください。本当に、読んでいただいてありがとうございました! これからもよろしくお願いします。
――ありがとうございました!
次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

南早紀
◆撮影協力
取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」