ロボット女子高生が恋をした!? 世界一ピュアで健気な学園ラブコメ!『恋するはぐるま』
更新日:2019/6/13

初めて恋をしたときのことを、思い出してみてください。意中の人の姿が見えるだけでドキドキ、声をかけられたら舞い上がり、指先がちょっとでも触れようものなら、その日は眠れなくなってしまうーーそう、恋する心は、女子でも男子でもまったく同じ。もちろん、機械でも…って、そんなことある!? 『恋するはぐるま』(日月アスカ/講談社)は、純情なロボっ娘の、世界一ピュアなファーストラブを描くコミックなのだ!
春ーー転校生の女の子・織部HAL(はる)は、恋をしていた。彼女の視線の先にいるのは、隣のクラスの人気者・相良くん。
相良くんにフラれてしまった織部は、「私ってフツーじゃないのかなぁ」と思い悩む。というのも、織部は、お友達(※全員ロボ)の中では、一番フツーの子だったから。落ち込む織部を励ましてくれたのは、クラスメイトのアンズちゃんだ。
織部は、アンズちゃんのアドバイスに従って、あらためて相良くんと友達になろうと奮闘する。が、織部の不器用な想いは、相良くんのクラスに監視カメラを仕掛ける、鞄に発信機をつける、音声解析から鼻歌のタイトルを特定するなど、どう考えても“フツーじゃない”方向に迷走。アンズちゃんが必死で軌道修正しようとする一方で、クソザコな恋愛経験しかないくせに恋愛のアドバイスをしたがるクラス委員長・通称クレンザー(=クソ恋愛アドバイザー)まで仲間に加わり、初恋戦線は混迷を極め…!?
第1巻では、学校内で過ごす日常の中、織部の恋の小さな一歩が、大きな損害となるさまが描かれる。手料理を食べてもらいたいと調理実習をがんばったり(味見はできないので怪しげな機械で成分分析)、メガネをかけて雰囲気を変えてみたり(耳がないのでメガネを溶接)といったいじらしい努力を重ねる織部の姿は、見た目と行動が若干(?)ロボなだけで、恋する乙女そのものだ。
そんなふうに、今でこそカワイイ乙女の(?)織部だが、現在通っている高校にやってくるまでは、国を滅ぼすほどの戦績を挙げていたという。そういった機甲部隊時代の思い出を語り合える、織部の昔の“お仕事仲間”であり、妹的存在でもあるRO-Z(ロゼット)(※ロボ)も登場し、夏休みを迎えた第2巻では、みんなで海水浴や夏祭りに繰り出すことに。
ドキドキの水着選び、渚にてサッカー部とのランデブー、浴衣を着ての屋台巡りに花火大会などなど、相良くんとの急接近に織部の心はもう爆発寸前(物理的に)! しかし、そんな織部の暴走ーーつまりは破壊行動も、すべて包み込んでしまうのが相良くんのイケメンパワーだ。はたして、女子高生ロボットと爽やかイケメンの恋のゆくえやいかに!? 綿密に描き込まれたメカのディテールが心地よい金属音を奏でる、抱腹絶倒の機械系学園青春ラブコメ。読めばきっと、世界一ピュアな織部の恋を、あなたも応援したくなる!!
文=三田ゆき
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