「猫が病気になった!」「食事は何に気をつければいい?」 大事な猫を守るために知っておきたい解決法
公開日:2020/5/17

新型コロナウイルス対策による外出自粛要請で、家に居る時間が長くなったという人は多いだろう。そんな状況で我が知り合いは「可愛い猫と一日中、一緒にいられるのが嬉しい」と語っていた。まあ確かに、普段は仕事で長いこと家を留守にしているのだから、そうなるのは当然か。しかし人間が感染症を心配するように、猫にもいろいろと心配しなければならないことはある。特に言葉が通じない相手であるだけに、どうすれば猫の変化を察知できるのか。『まんがで読む 教えてドクター! 猫のどうする!? 解決BOOK』(兼島孝:監修、猫びより編集部:編集、ホシノユミコ:漫画、西宮三代:作/日東書院本社)は、猫たちのさまざまなトラブルに対する解決法を漫画で分かりやすく教えてくれる。
本書はフリーライターの西宮三代氏が実際に飼っていた6匹の猫たちの飼育記録を漫画にしたもの。まず猫を飼うにあたって生じるさまざまな「お悩み」に対して、西宮家が行なった対処法を漫画で紹介。それをもとに獣医師の兼島孝氏が、より詳しい対処法をテキスト解説するという流れである。実は私も猫を飼っていた経験があるのだが、西宮氏は「室内飼い」なのに対し、私は「放し飼い」だった。そういう違いはあるのだが、当時の私の体験を交えつつ、飼育時のトラブル解決法を紹介していこう。
まず愛猫家の誰もが気にするであろうことは、猫の健康ではないか。私の場合も、ある日突然、ウチの猫が足腰立たず動けなくなってしまい、大パニックになった経験がある。近くの動物病院へ連れていき、検査の結果、腎臓を患っていることが判明。猫の体調は回復したが、ここから長く腎臓の病と付き合うことになってしまった。本書でも猫の健康トラブルについて詳しく解説しているが、大事なのは定期的な健診であるようだ。あと、猫の尿や便からも病気の予兆が分かることもある。ウチの猫は外で済ませることが多く見逃してしまったが、室内飼いの人は気にしてあげよう。
また、猫の食生活についても気を配る必要がある。本書によればペットフードは「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」の4つに分類されるという。いわゆる主食として用いられるのが「総合栄養食」で、栄養のバランスが取れたタイプ。「間食」はおやつやごほうび、「療法食」は病人食のようなもので、「その他の目的食」はカロリー補完や栄養調節などを目的としたフードである。例えば私の猫は腎臓を患った後、腎臓疾患用のドライフードを食べていた。これは「療法食」である。ただ漫然と食事を与えるのではなく、キチンと表示などを確認して栄養が偏らないようにすることが大切だ。
本書は西宮氏の飼育体験をもとに、子猫からシニア猫までのさまざまなトラブルに対する対策が掲載されている。放し飼いの人間にとっては「脱走対策」などはちょっとピンと来ないのだが、室内飼いの人なら参考になるはず。個人的には、室内飼いと放し飼いで思った以上に違いがあるのだなと感じたが、遊びやおやつなど、共感する部分も多かった。何より6匹の猫を最後までキチンと世話したことが素晴らしいと思う。猫たちは「家族」だからこそ、健康を害すれば心配でたまらないのだ。ウチの猫が立てなくなったとき、私はその日の予定をすべて放り出して看病した。後で学校から「猫ぐらいで休むな」といわれたと親から聞かされたが、今でもあのときの行動は正しかったと信じている。
文=木谷誠