数年、数十年離れ離れに…。過去に疎遠になった人と“もう一度”会うための方法
公開日:2021/6/21

過去に仲たがいしたまま、会えなくなった家族や友人がいる……。そんな後悔を抱える人にすすめたいのが『思い出すと心がざわつく こわれた関係のなおし方』(イルセ・サン:著、浦谷計子:訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
疎遠になった人間関係と向き合うヒントを伝える一冊。本書を読めば、心のどこかに残る“モヤモヤ”もきっと解消されるでしょう。
相手に届けない「別れの手紙」を書いて本音と向き合う
あるとき離れ離れとなったにもかかわらず、今でも存在が気になる。ただ漠然とその思いを抱え続けるのも、なかなか辛いもの。そこでまずやるべきなのは「相手に対して自分が何を思い、何を願い、何を感じているのかをしっかり見極めること」だと、著者は述べます。
具体的にすすめているのが、実際には送らない「相手に対する別れの手紙を書く」という方法。ただの手紙ではない理由は「感情がより強く引き出され、その人が自分にとってどれくらい大切な存在か」がより鮮明に浮き彫りとなるからです。
そして、手紙を書き終えたら別の誰かに聞いてもらう必要があります。親しい人などに聞いてもらって、声に出すからこそ分かる感情とも向き合ってみましょう。
ひさびさの再会では自分から「本心」を語る勇気が大切
慌てずあせらず、ゆっくりと……。時間がかかったとしても、気持ちが晴れる瞬間がいつか必ず訪れる。そうなったときは、勇気を持って離れ離れになった相手へコンタクトを取ってみましょう。
そして、無事にコンタクトを図れたなら、次に「何をするか」を考えてみます。著者が紹介する選択肢は2つで「一緒に何か楽しいことをしよう」と提案する、もしくは、「2人の関係がぎくしゃくしてしまった理由、あるいは、完全に途切れてしまった理由を率直に話し合おう」と提案することです。
前者であれば、例えば、スポーツ観戦や買い物など、かつて一緒に楽しんでいた趣味に興じてみるのもあり。後者であれば、相手に成り行きを任せるのではなく、自分から思いを吐き出してみましょう。「あなた自身が勇気を奮い起こして、みずからの本心を語ったときこそ、相手が心を開こうとする確率が高くなる」と、著者も背中を押してくれます。
離れ離れになった相手に対するモヤモヤした気持ち。それを何と呼んでいいのかは分かりません。ただ、誰しも多かれ少なかれ経験することでもあるはず。本書を通して、少しでも多くの人の心が救われるよう願います。
文=青山悠