「お仕事は順調ですか?」はよけいなひと言!? 35万部突破のシリーズ第2弾は仕事場での言いかえ術
更新日:2021/9/16

他人とのコミュニケーションは難しい。信頼が利益に繋がるビジネスシーンも例外ではなく、ふとしたひと言で相手との関係性が崩れ、大きな損害に結びついてしまうケースもある。
人間関係を見直す秘けつは“会話”から。書籍『よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための言いかえ図鑑』(大野萌子/サンマーク出版)は、35万部を超えるベストセラーとなった『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』の第2弾。「仕事編」として、人との「適度な距離感」を保つための実例がたくさん収録されている。
相手に二者択一を迫る「クローズド・クエスチョン」は避けよう
さまざまなシチュエーションに沿った「よけいなひと言」と、その改善案となる「好かれるセリフ」を繰り返し解説する本書。例えば、初対面の相手に仕事の近況を聞く場合は、どう問いかけるのが正解なのか。この問題からは、会話の基本を学べる。
とっさに「お仕事は順調ですか?」と聞きたくなりそうだが、じつは、この質問の仕方はよけいなひと言にあたる。理由は、相手の答える選択肢が限られているため。相手にとって「イエス」か「ノー」の二者択一を迫られる質問は「クローズド・クエスチョン」と呼ばれ、会話も広げづらくなってしまう。
このような場合は「最近、仕事はどうですか?」など、相手が答えやすい質問をするのがふさわしい。自由な回答ができる質問は「オープン・クエスチョン」と呼ばれ、相手が答えを返しやすい。ふだんの会話でも、意識しておくのがいいだろう。
誰かの前で発言するときはあえて「間」を作るのがよい
会議で発言を求められたときなど、考えながら「えっとー」「それでー」「あのー」と間を埋めたくなってしまう人もいるだろう。口ぐせになっているのかもしれないが、聞く側に立ってみると、集中力をそがれる要因にもなる。
そんな場面では、沈黙を恐れずにあえて「間を空ける」のも、相手に好感を持たれる秘けつだと本書は述べる。間髪をいれず、矢継ぎ早にしゃべるのがいいとは限らない。言葉を慎重に選んで話している姿勢は、かえって「マイナスではなくプラスの印象を与える」という。
よけいなひと言は、相手をイライラさせる原因にもなる。グッとこらえて「間」を作れば、話のポイントも伝わりやすくなるはずだ。
ビデオ通話が聞こえづらいときは状況をきちんと説明する
リモートワークも定着してきた昨今。ビデオ通話を使う頻度も多くなってきたが、回線の状況によって、相手の声が聞こえづらい場合もある。思わず「声が聞こえないんですけど」とつぶやいてしまいそうだが、それでは相手に対して失礼だ。
通話相手に好かれるなら「少し声が遠いようです」と、丁寧な言い方を心がけよう。雑音が入る場合は「雑音が入ってきて聞き取りづらいのでご確認いただけますか?」としっかり伝える。共有画面が見づらいときも「資料の文字が小さいので、拡大していただけますか?」など、こちらの状況をきちんと説明して対処してもらうのがいい。
だいぶ浸透したように思えるが、リモート環境のトラブルはたがいにどのような状況かが伝わりづらい。相手をあわてさせないよう、気配りするのも大切だ。
コミュニケーションに正解はない。だからこそ、ふとしたひと言でその後の関係性が変わってしまう可能性もある。本書を参考に、日々の会話を見直してみよう。
文=カネコシュウヘイ