人間×人狼の恋を描く『コヨーテ』の最新巻が発売! エモすぎる魅力を紹介

マンガ

公開日:2021/11/8

コヨーテ
『コヨーテ 4』(座裏屋蘭丸/フロンティアワークス)

『コヨーテ』(座裏屋蘭丸/フロンティアワークス)の最新4巻が、ついに発売されました。最新刊を待ち望んでいた人も、きっと多いのではないでしょうか。

 そこで、発売を記念し、改めて『コヨーテ』という作品の魅力をご紹介したいと思います。

あらすじ

 人間のマレーネと、リリー(人狼であることを隠している)は、クラブのピアニストと客として出会い、お互いに惹かれるものを感じていた。ある時、人狼であるリリーに発情期が来て、その瞬間にマレーネが出くわしてしまう。

 発情期という生理的欲求を満たすために関係を持った2人だが、それをきっかけに、2人の想いは一層確かなものとなっていく。

 しかしマレーネは、人狼と敵対するマフィア組織の後継ぎであり、2人の間にはお互いの感情だけではどうにもならない、大きな壁があった。残酷な運命は、惹かれ合う2人を引き離していくが……

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キャラクター

 長髪で青い瞳の正統派美形・マレーネは柔和で優しい物腰ですが、時に強引で情熱的な姿を見せます。一見すると優男なのに、リリーへの愛情表現や、彼と共に生きるために思いがけない行動力を見せる「漢」な一面があるのも魅力のひとつ。

 座裏屋先生の作品には、好きな相手に対して情熱的に、濃厚な恋愛感情を向けるキャラクターが登場することも多いのですが、それがいやらしくなく上品に表現されていて、でもちゃんとエロティックなところが読者の支持を得ているところではないでしょうか。

 そして黒髪短髪のクールで純粋な青年リリー。情熱的に迫ってくるマレーネに惹かれてはいますが、自分が人狼であるため一定の距離を保とうとします。しかし発情期という本能と、マレーネに対する気持ちから結局ほだされてしまい、戸惑いながらもマレーネを受け入れる様子がとても可愛いキャラクターです。

エモいポイント

(1)とにかく絵が美しい

 表紙を見ていただければわかると思いますが、とにかく絵が魅力的なのです。ずば抜けた作画技術があるのはもちろんのこと、座裏屋先生にしか醸し出せない独特な絵柄がとにかく美しい。

(2)ストーリーが重厚

 人間と人狼という種族の違いと、敵対する組織の一員同士という重たい2つの壁を持つ2人の、愛、葛藤、哀しみなどの感情の動きが丁寧に紡がれていて、気づいたら夢中で読み込んでしまいます。

(3)世界観が素敵

 本作はモデルとなる実在の国があるそうで、「(とあるシーンを)本当は渋谷のスクランブル交差点のような場所にしたかったけど、モデルの国にはそういう交差点がないようなので、普通の十字交差点にした」とか(サイト『ちるちる』インタビューより)。

 こういうこだわりがあるからこそ、本作はどこかリアリティがあり、漂う「空気感」まで魅力的なのだと思いました。

 これまでなんとなく手に取らずにいた方も、今からでも遅くありません。1巻から『コヨーテ』の世界を堪能してみてはいかがでしょうか?

文=雨野裾