猫の日に読むなら! 老猫、破天荒猫、複数猫とのドタバタライフを描いた、猫愛だだ漏れコミックエッセイ3選

マンガ

公開日:2022/2/19

 2022年は語呂合わせで「にゃんおーにゃんにゃん」と、猫感満載の年。偶然にも、干支がネコ科の虎ということもあり、猫界はいつも以上に大盛り上がり。特に今年の2月22日は、例年以上に2(にゃん)が並ぶ「猫の日」だと話題だ。

 そこで本稿では猫の日に手に取りたい「猫コミックエッセイ」をいくつか紹介。猫と暮らしていない方も猫がいる生活を想像しながら、ぜひ楽しんでほしい。

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■おじいちゃん猫との穏やかで尊い日常にほんわかする『じじ猫くらし』

『じじ猫くらし』(ふじひと/KADOKAWA)はTwitterやPixivを中心に、世の猫好きから熱いラブコールが寄せられている人気作。本作に描かれているのは、出会って12年になるおじいちゃん猫との穏やかな“じじ猫くらし”。

 シニア猫がテーマだと、感動的な描写が多いのでは…と思う方もいるかもしれないが、作中には初めてシニアご飯をあげた時のコミカルな反応や人間のご飯に手を出す無邪気な姿など、クスっと笑えるエピソードが多く、頬が緩む。

じじ猫くらし

じじ猫くらし

 ブラッシング時に抜け毛を丸めてにおいを嗅ぎ、愛猫の存在を噛みしめるなどという猫飼いあるある話もふんだんに盛り込まれているので、猫と暮らした経験がある方はより一層楽しめるはず。

じじ猫くらし

 シニア猫と暮らしている筆者自身としては雪を共に楽しんだり、落ち葉を愛猫のために持ち帰ったりと、四季の移ろいを一緒に愛でようとする作者の優しさにじんとした。

じじ猫くらし

 愛猫がそばにいる生活は当たり前のように思えるが、その暮らしは尊く、限りがあるもの。そう悟っているからこそ、作者はいつか来る「その時」にちゃんとさよならができるよう、愛猫がそばにいてくれる四季を心に刻みこみながら過ごしているのだろう。

 本作は長い時間を共にした愛猫に、どうやって愛を贈り、最後の日まで一緒に生きていくか改めて考えたくなる感涙本だ。

■Twitter発!猫の不思議をクセのあるイラストで伝える『夜は猫といっしょ』

 触りたくなってしまうほど柔らかそうで、茶目っ気溢れる猫の絵がたまらない! 『夜は猫といっしょ』(キュルZ/KADOKAWA)は、そんな感想を抱かせる中毒性のある猫漫画。

 本作には、妹が連れてきた猫・キュルガと暮らすこととなった主人公・フータの初猫飼い生活を収録。「本当に猫?」と突っ込みたくなるほど不思議な行動が多く、マイペースなキュルガにフータは振り回されてばかり……。その姿に、自分を重ね合わせる猫飼いはきっと多いはず。

夜は猫といっしょ

 中でも、まるで自分を見ているようだと思わされたのが、突然MAXになり、予兆もなく終わる「甘えモード」で翻弄されるフータの姿。

夜は猫といっしょ

 作業中に妨害されて心が折れ、構おうとした途端に、どこかへ行ってしまうキュルガの気ままさが、我が家の愛猫と重なり、クスっともさせられた。

夜は猫といっしょ

 猫は知れば知るほど、奥深い動物だ。人間相手に振り回されると苦しくなるのに、猫相手だと許せ、むしろ愛しさすら募る。そして、ふと見た時に奇妙な座り方をしていたり、意外にニャーとは鳴かなかったりと、猫には一緒に暮らしてこそ気づける不思議がたくさんある。

 作者はそんな猫の謎行動や生態をクセになる筆致で描いているので、猫と暮らしている方はもちろん、猫との暮らしを夢見ている人も猫という動物の奥深さに心奪われることだろう。

 疲れて帰ってきた夜は、猫と過ごしたい――。そんなキャッチフレーズがつけられている本作は笑顔になりたい日にぴったりだと言える。