飯島寛騎さんが選んだ1冊は?「見ているだけで感性が刺激される。そんな贅沢な時間を味わってます」

あの人と本の話 and more

公開日:2022/8/8

飯島寛騎さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、飯島寛騎さん。

(取材・文=倉田モトキ 写真=TOWA)

「友人がプレゼントしてくれた本なんです。いろんなイラストレーターが有名な映画を独自の視点でポスターにしたアートブックで。眺めているだけで感性を刺激されます」

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 飯島さんは『MONDO 映画ポスターアート集』をおすすめする。

「遊び心が詰まってますよね。それに、“そういう映画の解釈もあるのか”と驚かされることも多い。例えば『ハウルの動く城』のポスターではジブリっぽさが一切なく、物語の闇の部分だけを切り取った形で表現していたり。物の見方・見え方は無限にあるんだなと思わされます」

 幼少期は図鑑を見るのが大好きだったという飯島さん。宇宙や生物の神秘など、想像力を掻き立てられる世界にのめり込んでいたそうだ。

「今でも、一見すると“なんだろ、これ!?”と思えるような本に惹かれます。ひたすらいろんなペットボトルを撮影した写真集とか。そうしたものを面白がる変態の僕に(笑)、このアート集はジャストフィットしたんです。正直、これを読んだからと言って知識が増えるわけでもない。でも心が豊かになるし、忙しい日々の中で、パラパラとページをめくって童心に帰れる時間があるって、すごく贅沢なことだと思うんですよね」

 ワクワクドキドキする人生を送りたい――。飯島さんのその思いは仕事に対しても同じだ。映画『オカルトの森へようこそ―』には、彼にとってたくさんの挑戦が詰まっている。

「ホラー・アドベンチャーというジャンルは初めて聞きました。でも、確かに怖さの中に冒険やミステリーの要素が含まれていて。しかもそのバランスが実に見事なんです。きっと、今まで経験したことのない感覚を楽しんでいただけると思います」

 演じた役は金髪でホスト風の怪しい人物。しかしこの男、圧倒的な力を持つカリスマ霊能力者なのだ。

「存在が少し異質なんですよね。化け物を倒すことは彼の中で食事と同じくらいの感覚でしかなくて。それに、クールなのに優しいし、人情味もある。最高に楽しい役でした(笑)」

 撮影では、白石晃士監督独特の手法に最初は驚いたそうだ。

「監督もカメラを構えながら長回しで一緒にお芝居をするので、自分がどう映っているのか分からないんです(笑)。でも、仕上がりを見たらとても自然な映像になっていました。オカルト現象を描いた映画なのにまるでドキュメンタリーのようでもあって。この、生々しいホラーの世界を一度味わってみてください」

ヘアメイク:牧野裕大(vierge) スタイリング:中西ナオ 衣装協力:シャツ3万5200円、パンツ3万800円、ジャケット6万1600円(すべて税込)(すべてsemoh TEL03-6451-0705)、その他/スタイリスト私物

いいじま・ひろき●1996年8月16日、北海道生まれ。主演を務めた『仮面ライダーエグゼイド』で俳優デビュー。出演作にドラマ『警視庁・捜査一課長season6』、W主演ドラマ『僕もアイツも新郎です。』、『悪魔とラブソング』、映画『未来へのかたち』などがある。

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監督・脚本・撮影:白石晃士 出演:堀田真由、飯島寛騎、筧 美和子、宇野祥平、白石晃士 8月27日(土)全国劇場【3週限定】公開
●ホラーの実録映画を撮り続ける黒石監督と助監督の市川は、一通のメールをもとに人里離れた場所に住むメールの主・麻里亜に会いに行く。しかし、得体の知れない怪奇現象に襲われ、3人はなんとか森の中へと逃げ込むのだった――。WOWOWオリジナルドラマ版に劇場限定短編を加えた特別劇場版。
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