眞島秀和が選んだ1冊は?「舞台の稽古は言葉と向き合う時間。言葉遣いに不安を感じ、手に取りました」

あの人と本の話 and more

公開日:2023/12/13

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年1月号からの転載になります。

眞島秀和さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、眞島秀和さん。

(取材・文=野本由起 写真=下田直樹)

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 20歳前後で出合った原田宗典さんの青春小説『何者でもない』が、一番の愛読書だと語る眞島さん。最近手に取ったのは、意外にも敬語の本。

「秋に舞台に出演したのですが、稽古期間は言葉と向き合う時間でもありました。第一次世界大戦下を描いた翻訳劇でしたから、難解な言葉も多くて。そんな中、ふと自分が普段使っている言葉、特に敬語に不安を覚えたんです。僕は会社勤めの経験がなく、敬語の知識は少ないので、この本で学ぼうと思いました」

 ドラマや映画よりも、舞台のほうが言葉を強く意識するという。

「映像作品では、視聴者はカメラが映し出した人物の言葉や表情に集中します。ですが、舞台はお客様がステージ全体を観るもの。相手役にもお客様にも、よりしっかり言葉を届ける必要があります。そのうえ稽古や本番を繰り返すので、言葉がより深く自分に入ってくる。言葉に対するアンテナも敏感になりますね」

 まだ読みかけだが、すでに刺激を受けている。

「仕事の進捗を聞かれたら『忘れてました』ではなく『失念しておりました』。いや、これはとっさに出てこないですね……。まだまだ勉強が必要です(笑)」

 そんな眞島さんの主演ドラマ『#居酒屋新幹線』が、このたびシーズン2を迎えることに。出張帰りに新幹線でテイクアウトグルメを愉しむ、至福のひと時が再び幕を開ける。

「前回は東北新幹線でしたが、今度の出張先は北陸新幹線と上越新幹線の沿線です。初めて訪れる場所も多く、新たなおいしいものに出会えるんじゃないかと期待しています」

 眞島さん自身もワクワクしながら撮影に臨んでいるとのこと。

「仰々しいことを言えば、その土地でしか味わえないものを見つけるのは、人生の楽しみのひとつ。僕よりも、僕が演じる高宮進さんのほうがその点は貪欲ですけれどね(笑)」

 主人公を演じてはいるが、主役はあくまでも土地の食べ物、飲み物だと捉えているそう。

「ナレーションでは遊びを入れていますが、『こうしたらおいしく見えるかな』といった工夫はほとんどしていません。ドラマを観て、自分も行ってみようかな、あれを買ってみようかなと思っていただくのが一番。僕もシーズン1に登場した仙台牛コンビーフやお豆腐揚かまぼこ『むう』はリピートしています。派手な事件が起きるドラマではないので、のんびり楽しんでください」

ヘアメイク:佐伯憂香 スタイリング:増井芳江

ましま・ひでかず●1976年、山形県生まれ。99年、映画『青~chong~』でデビュー。映画『愚行録』『ある男』、ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』『麒麟がくる』『パパとムスメの7日間』『大奥』『しょうもない僕らの恋愛論』など出演作多数。『ガイアの夜明け』のナレーターも務めている。

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原作:天宮さろん/KADOKAWA/ジェイアール東日本企画 監督:安村栄美、宗野賢一 脚本:木田紀生、阿相クミコ、黒沢久子、横幕智弘 出演:眞島秀和ほか 1月9日(火)MBS24:59~、TBS24:58~放送スタート●損保会社の内部監査室で働くサラリーマン・高宮進の密かな楽しみは、出張帰りに新幹線の車中で堪能するご当地テイクアウトグルメ。シーズン2では北陸新幹線、上越新幹線の沿線駅へ出張する。
(c)「#居酒屋新幹線」製作委員会・MBS