【ダ・ヴィンチ2016年8月号】Cover Modelは、菅田将暉さん!

Cover Model 紹介

2016/7/6

【ダ・ヴィンチ2016年8月号】Cover Modelは、菅田将暉さん!

Cover Model 菅田将暉  

瀬戸と内海の距離感は
僕と池松くんと同じ

 映画『セトウツミ』は、何気ない出会いのもたらす救いが描かれた作品だ。サッカー部を辞めて暇になった瀬戸(菅田将暉)と、塾までの時間をつぶしたい内海(池松壮亮)。お調子者とクールな秀才というまるでタイプの違う二人が、河原で座ったまま、とりとめもない会話をかわすだけで物語は進んでいく。

「お話をいただいたとき、直感的に、すごく楽しいものになる気がしました。大森(立嗣)監督はもちろん、相手役が池松壮亮くんというのも魅力的だった。ただ、もともと原作を読んでいたので、どう映像化するんだろうとは思いましたね。淡々とした関西弁で繰り広げられる、ワードセンスの効いたシニカルな会話劇。それはコマ割りの面白さのあるマンガだからこそできる表現だと思っていたので」

 だが結果として本作は、驚くほどそのままの形で原作の世界観を再現。なおかつマンガとは異なる味わいを映し出しシュールな笑いを生むという、映像表現の可能性を広げる作品へと仕上がっている。

「マンガを実写化するとき、絶対に押さえなきゃいけないポイントというのがあって、この作品の場合は瀬戸と内海の関係性でした。実をいうと僕と池松くんの関係は、二人と似ているんですよ。めちゃくちゃ仲がよくて、会うとずっと二人でいちゃいちゃしてる(笑)。だけどふだんごはんを食べに行くことはないし、そもそも連絡先も知らない。瀬戸と内海はもちろん連絡先くらいは知ってるけれど、利害関係が一致して一緒にいるだけなので、たぶん学校では話もしないし、卒業したら二度と会うことはないかもしれない。友達と呼べるかどうかも正直、微妙。だけどきっと、何十年か後に青春時代を振り返ったとき、まっさきに浮かぶのは二人で過ごした河原の風景でしょう。ノスタルジックで、切なくも美しい二人だけの時間に、お互いが確かに救われていた。その距離感が、タンゴの鳴り響く空間で妙に品よく映し出されていて、これこそが映画でしか魅せられないものなのかなと思います」

 
■そんな菅田将暉さんの選んだ一冊は……

たましいの場所

『たましいの場所』 

早川義夫 ちくま文庫 780円(税別)

〈誰かに悩みを相談するくらいなら、この本を繰り返し読んだ方がいい〉と宮藤官九郎もコメントを寄せたエッセイ集。いい歌とは何か、何のために歌うのか、生きるとは何か。二十数年を経て歌手の道に戻った著者が向き合い続け、導き出した答えを飾り気のない言葉で綴る。かっこわるいのに、かっこいい。不器用な男の生き様が人生の本質を映し出す。

「映画の打ち上げで、スタイリストの伊賀大介さんにいただいたんです。何か意味があるんだろうなと思って調べてみたら、宮藤官九郎さんや銀杏BOYZの峯田さんなど、僕の大好きな方たちがみんなこの本に救われたと言っていた。俄然興味がわいて読み始めたら、冒頭から溢れでるエモーショナルな言葉にぐっとつかまれてしまいました。僕よりずっと年上の方なのに、そんな感じが全然しないんですよ。むしろ目の前のいちいちに一喜一憂していて、生まれたての赤ちゃんみたい。」(菅田将暉 談)

取材・文=立花もも