【世紀末×ヒョーゴノスケ】Twitter発のマンガ家ふたりがマンガの投稿をはじめたきっかけって?【後編】

アニメ・マンガ

2018/3/22

 Twitterで人気を集めるクリエイター、世紀末さんとヒョーゴノスケさん。この対談。前編は、お互いの魅力を語り合ったり、ヒョーゴノスケさんの娘ちゃんからのサプライズプレゼントがあったりと大盛り上がりでした!

 後編では、話の内容は少し真面目な方向へ。まずは、おふたりがTwitterにマンガを投稿しはじめたきっかけについて聞いてみました。

■Twitter投稿のきっかけは「マンガ家志望だったから」「就活に失敗したから」

── おふたりがTwitterにマンガを投稿しはじめたきっかけはなんだったんですか?

ヒョーゴノスケ:もともとイラストはアップしてたんですよ。それで、最初に投稿したマンガは「【実録】ある夏の日の恐怖体験」っていう怖い話シリーズでした。ちょうど夏だったんで夏といえば怪談かなと思って。そうしたら、イラストよりもぜんぜんリツイートされたんですよ。それでなんか、マンガの才能あるのかな?って(笑)

世紀末:あの、ねずみのエピソードがめっちゃ怖かったです……!


ヒョーゴノスケ:実は僕、もともとはマンガ家志望だったんです。高校生のときにはすでにデビューもしていて。広島から上京してきたのも、まずは先輩のマンガ家さんたちのアシスタントをするため。でも何年か続けるうちに、マンガ嫌いだなって思うようになって。

世紀末:え、嫌い!?

ヒョーゴノスケ:「嫌い」っていうと語弊があるかもしれないけど、マンガ家になるのが夢だったのに、とくに描きたいものがないってことに気付いちゃったというか。それでイラストレーターの道に進んだんですけど。

── そんな過去がありながら、あらためてマンガを描こうと思ったのはどうしてだったんですか?

ヒョーゴノスケ:僕はTwitterが大好きなんですけど、いろんな人が自分で描いたマンガを上げてるじゃないですか。それがどれもすごくおもしろくて。それで自分も何か人によろこんでもらえるものを描けたらいいなって思って。それで久しぶりに描いてみたんです。

世紀末:娘ちゃんのことをテーマに描きだしたのはどうしてだったんですか?

ヒョーゴノスケ:「【実録】ある夏の日の恐怖体験」シリーズは、予想を上回るほどの反響をいただけて、それで描くのが楽しくなってきたんですけど、実録マンガなんで、徐々にネタ切れしてくるんですよね。でもちょうどそのころ、今の担当編集さんから「本を出しませんか」というお話をいただいて。もうネタがないって話をしたら、一緒に新たなテーマを考えてくださったんですよ。そのなかで「そういえば娘の話、おもしろいな」って。しかもネタは毎日生み出されていくわけですし。それで試しに描いてアップしてみたら反響が大きかったので、描き続けることになりました。

世紀末:お子さんのことをマンガに描くと、思い出が残せていいですよね。

ヒョーゴノスケ:本当にその通りなんです。しかも今回、本にまでしていただいて。思い出が形に残ってすごくうれしいです。

── 世紀末さんは、どんなきっかけでTwitterへのマンガの投稿をはじめたんですか?

世紀末:短大を卒業するときに、就活がうまくいかなくて。このままじゃ何も残せないって思ったら、少しでもいいから何かしなきゃって思ったんです。それでTwitterに絵を投稿して誰かに見てもらえれば、自分は何かしら活動してるって思えて安心できるかなって。

ヒョーゴノスケ:それまでは、Twitterにイラストを上げたりしてなかったんですか?

世紀末:まったくしてないです。絵日記はずっと描き続けてたんですけど、ただ仲の良い友だちに見せて笑ってもらうためだけに描いてたので。でもやっぱり、知らない人にも見てもらいたいなって思って。それで新しいアカウントを作って創作マンガの投稿を始めました。

── 反響はどうでしたか?

世紀末:タグをつけてイラストや4コママンガをアップするうちに、だんだんリツイートしてくれる人やフォローしてくれる人が増えていきました。ただ、たくさんの人に見てもらうってことは、うれしい反面怖かったりもして……。でも「続きを楽しみにしてます」っていう声をいただけたおかげで、描き続けようって思うことができました。

■出せてよかった! 新刊に対するそれぞれの思い

── お互いの作品について、何か質問はありますか?

世紀末:ヒョーゴノスケさんのアウトラインのない作風はどんな風に生まれたものなんですか?

ヒョーゴノスケ:僕はもともとマンガの人だったので、色の塗り方がわからなかったんですよ。だから自信のある線画推しで。でも、ピクサーとかディズニーのアートワークを見てると、アウトラインなしのいい感じの絵がたくさんあるじゃないですか。だからちょっとやってみたいなって。それで担当していた児童書の装丁をアウトラインなしで描いてみたのがきっかけですね。はじめは作風って意識はなかったんですけど、徐々にアウトラインなしのオーダーが増えていったので、あらためて色の勉強をちゃんとし直しました。今では色の塗り方にも自信がついて、むしろ線画の方が苦手です(笑)。

世紀末:日本だとアウトラインのない作風の人ってほかにあんまりいませんもんね。

ヒョーゴノスケ:世紀末さんは、どんなところからストーリーのインスピレーションを受けてるんですか?

世紀末:普段、私が考えてることをそのままマンガにしてる感じです。ぼーっとしてるときとか、単純作業してるときとかに、実はいろいろ考えてるんです。前作の『殺さない彼と死なない彼女』のネタは、皿を洗いながら思いついたこともありました(笑)。

── 新刊の『さよならバイバイ、大好きだったよ。』は……?

世紀末:私も学生時代好きな先生がいて。私の場合は恋とまではいかなかったんですけど、きっと本当に恋に落ちちゃう子もいるんじゃないかなっていう妄想から生まれました。

ヒョーゴノスケ:キャラクターはどうやって考えてるんですか?

世紀末:こういう子がいたらかわいいだろうな、とか。主人公がこういうタイプだから、正反対の子がいたらバランスがいいなとか。そうやって調整しながら作っていってますね。あんまりモデルとかはいないんですけど、いろんな人が「共感した」って言ってくれるし、私自身もそれぞれのキャラの気持ちがわかる部分もあるから、これまで出会った人とか自分の経験が少しずつ反映されてるのかもしれないです。

ヒョーゴノスケ:世紀末さんは普段どんな作品を読むんですか?

世紀末:いっぱいあるんですけど、学生時代はブログ小説にめっちゃハマってて。とくに実話をもとに書いたものが好きでしたね。マンガなら羽海野チカさんやいくえみ綾さん、魚喃キリコさんの作品が好きです。どっちかっていうと、リアルな物語に惹かれるんですよ。それからキャラのデフォルメの方法は『チョコミミ』っていう4コママンガを参考にしています。この作品、キャラごとに目がまったく違うんですよ。そうすると、髪型とか服装が変わっても特徴が出やすくて。だから私の作品のキャラクターも、それぞれ目もとの印象を変えて描いてます。

── それでは最後に、ご自身の新刊についてコメントをどうぞ!

世紀末:自分の本を出すのは夢で、2冊目を出せるってなったときも、もちろんうれしかったんですけど、1冊目の『殺さない彼と死なない彼女』の反響がすごくよかったので「1冊目のほうがよかった」って言われるんじゃないかと不安で不安で……。期待に応えられる自信がなくて、実は作業中まったく描けなくなっちゃった時期があったんです。でもそのとき、「手が届かない最高のものじゃなくて、今の自分のベストを目指そう」って担当編集さんに言っていただいて。それでなんとか立ち上がって完成したのが『さよならバイバイ、大好きだったよ。』です。本当に出せてよかった……!

ヒョーゴノスケ:僕の場合は、〆切があると恐怖で。その不安を解消して早く安心したいがために、〆切の1か月前には作業が全部終わってました(笑)。本として自分のマンガが出るのがはじめてのことなので本当にありがたくて……。そのうえ娘との思い出が『今日も娘と。』という形で残ることが僕自身とてもうれしいです。

── ありがとうございました!

 お互いの魅力を語り合ってもらったり、Twitterへのマンガ投稿のきっかけを教えてもらったり。今回の対談は盛りだくさんな内容で、和やかな雰囲気のまま幕を閉じました。

 そして、世紀末さんの2作目となる新刊『さよならバイバイ、大好きだったよ。』と、ヒョーゴノスケさんにとってははじめてのマンガ作品『今日も娘と。』は好評発売中。ぜひ手に取ってみてください!

対談を記念して、肩を組むヒョーゴノスケさんと世紀末さんのイラストを描いていただきました!

<下記、書籍情報>

『さよならバイバイ、大好きだったよ。』(KADOKAWA/世紀末)
https://www.amazon.co.jp/dp/4046022612/

『今日も娘と。』(KADOKAWA/ヒョーゴノスケ)
https://www.amazon.co.jp/dp/4040697936/

(司会・構成=近藤世菜)