「古畑恵介」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2018/10/12

古畑恵介

 編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第203回となる今回は、『アイドルマスター SideM』の橘志狼役などを演じる古畑恵介さんです。

――『アイドルマスター SideM』の橘志狼役は、11歳のやんちゃな男の子、というキャラクターです。演じた時の感想は?

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古畑:11歳という年齢にしては低い声で演じていると思います。収録でも「10歳くらいになっちゃったね。もっと低く、低く」って言われていて。もふもふえんの他のメンバーはもっと声が高いので、3人並ぶとバランスがいいのかもなって思います。僕はふだんテンションが高いほうではないので、志狼くんを演じる時は口を大きく開けて、笑顔でいるようにしていますね。それと、まだ小学生で英語の発音ができないので、英語の歌詞があるとカタカナに直してから歌っています。

――自分でできることを最大限に探している感じがします。

古畑:やっぱり、アイマスっていう大きな作品で、11歳の役が僕にできるのかなっていうプレッシャーが最初にあったので…。ボイトレの先生に相談したり、歌詞の一節一節に「ここは上げる」「ここはバカっぽく歌う」って書き込んだりして(笑)。

――プレッシャーがあったんですね。演じ始めてから2年ほど経ちますが、今はどうですか?

古畑:もうプレッシャーはなくて、歌もいろんな曲を歌えるようになったんですよ。もふもふえんは可愛い系の歌が多かったんですけど、8月に発売された『WORLD TRE@SURE』シリーズでは、別の選抜ユニットですごくかっこいい曲を歌っていて。志狼くんとしてかっこいい曲を歌いたいとずっと思っていたし、たぶん志狼くんもそう思っていたと感じるので、すごく嬉しいです。

――そういえば、古畑さんの公式プロフィールの写真って、見た目が志狼っぽいですよね。

古畑:これは意識しているわけじゃなくて、もともと髪色が明るい感じだし、耳にかけるスタイルが好きなんですよ。でも、ライブではさらに志狼くんにビジュアルを寄せているので、「志狼くんに見えた」って言ってくれるプロデューサーさんが多くて、良かったなと思います。

――4thライブの開催が発表されました! 3rdライブも今年3月に開催されたばかりですが、その時の思い出は?

古畑:2ndライブで初めてステージに立った時は、どう見られているのかなっていうプレッシャーとか緊張があって、やらなきゃいけないことに手一杯で。だけど、3rdは心から楽しめたんです。曲中の間奏部分は自由にできるので、僕たちが考えた演出を取り入れてもらったりして。特に仙台の2日目がもう、3人の中で村瀬歩さんがいっちばんはしゃいでいて! ふだんは真摯に仕事に向き合っているイメージが強いので、そんな表情を見られたことが嬉しくて(笑)。

――どんな演出のアイデアが採用されたんですか?

古畑:曲中にバックステージを通って追いかけっこするとか。僕、もともとステージを見る側にいる人間だったので、ライブ中にバックステージが見られたら絶対に面白くなると思ったんですよ。4thも沢山のプロデューサーさんに見てもらえると思うので、これから楽しい作戦を練っていきたいし、新曲もあるので僕らの新しい一面を見せていきたいです!

――では次に、古畑さんが声優を目指したきっかけを教えてください。

古畑:もともとアニメが好きだったし、声を褒められることが多くて、興味があったんです。きっかけになったのはテニミュ。高校1年の時、友だちの誘いで見に行ったら、キラキラしてかっこよすぎて、まさかの僕がはまってしまって(笑)。その夜、役者になることを決めました。そこが入り口だったので、2.5次元の舞台に出させていただくようになって。声優も2.5次元も、ずっとお芝居をやっていきたいっていう気持ちが元になってますね。

――アニメで影響を受けた作品は?

古畑:『天元突破グレンラガン』。舞台化の作品にも出させてもらったんですけど、もともと好きだったのでますます愛が深まりました。ロボット系とか、熱いメッセージがある作品が好きです。事務所に所属するきっかけになった「アニストテレス」のオーディションでも、「穴を掘るなら天を突く…」っていうシモンの口上をやったんですよ。思い入れが深い作品ですね。

――「アニストテレス」はたくさんの声優をデビューに導いたオーディションで。古畑さんが参加した年は、急遽もうけられた優秀賞を受賞したそうですね。

古畑:あの時は、自分でいうのもなんですけど、目立っていたと思います(笑)。コスプレで登場して、可愛い感じの男の子の歌を歌って、トークでも古畑節が炸裂していた記憶が(笑)。公開審査で、お客さんが盛り上げてくれたことが大きかったんでしょうね。だから僕は今、ここにいられるのかなって思います。

――小さい頃はどんな子どもでしたか?

古畑:小学校の通信簿に「男女問わず仲良くできるいい子です」って書かれたことがあります(笑)。今も現場で、キャスト全員と仲良くできるほうだと思うので、子どもの頃から変わらないのかもしれませんね。周りの人が楽しんでいる話を聞くのが好きなんですよ、それで自分の興味もどんどん広がるし。

――趣味の欄には「短歌、俳句、生け花」と書かれていて、外見の華やかさとはまた違って、古風なところもお持ちなんでしょうか。

古畑:和っぽいものが多いかもしれませんね。茶道も2年間やっていたし、弓道も…。僕、キレイなものを見るのが好きなんです。キラキラしている花を見るのも、短歌や俳句でキラキラした言葉に触れるのも好きで。自分もキラキラしたくてこの世界に入ったところがあるので。

――最近、「キレイ」というキーワードで気になっていることは?

古畑:SideMで共演している汐谷文康くんとよく遊ぶんですけど、防弾少年団にはまっているみたいで。頑なに誘われたので、この前夜通しでライブ映像を見たんですよ。稽古終わりで眠かったのに、気づいたら前のめりになっていて(笑)! 僕なんかよりずっと多い曲数を歌って、ぶっ通しで踊ってるのに、あんなにキラキラな笑顔でいられるなんて。キレイだったし、尊敬しちゃって。

――防弾少年団もすごいですけど、稽古終わりで疲れているのに、汐谷さんの誘いに乗るところに優しさを感じます(笑)。やっぱり周りの人が楽しんでいるのを見るのが好きなんですね。最近の休日の過ごし方は?

古畑:一番つまんない回答なんですけど、寝てます(笑)。でもありがたいことに、今年に入ってから1ヶ月ごとに舞台に出させていただいているんですよ。だから今は、お休みより仕事をしていたいですね。どんどんいろんなキャラクターを演じたいです。でも、お休みがあったら、マッサージに行きたいし、髪を染めたい。自分磨きがしたいですね。そういえば、汐谷くんと堀江瞬くんと一緒に、今度お休みをあわせて美容デーを楽しもうっていう計画があって。

――3人で? 他のお2人も美容に興味津々?

古畑:堀江くんは最近、「わい、今日ランニングしてきた」って、ツヤツヤお肌の写真を送ってくれたりするんですよ(笑)。だから今度、新大久保で美容ツアーをしたいなと。

――美容ツアー、いいですね。

古畑:ちなみにその3人は「サブカル会」っていうんですけど、みんなで美術館に行ったり、映画に行ったりしてます。映画は2人のほうが詳しくて、大きな映画館ではなく単館系に連れて行ってくれるんですよ。この前は『聖なる鹿殺し』とか。ふだん僕が行かない場所に連れて行ってくれるので、あの2人といると、いつも刺激をもらいますね。

――1ヶ月ごとに舞台に出て、たくさんのキャラクターを演じることで、新たに見えてきたはありますか?

古畑:新しい扉を開けている感覚はあります。今まで多かった可愛い系だけでなく、クールな役とか、かっこいい役もいただけるようになったので。今まで守られる役ばかりで殺陣もできなかったんですけど、『ハンドシェイカー』の舞台では殺陣をやったり、『忍ノSAGA』では男らしい王道ヒーローも。以前は「こういう役しかできない」と思っていたのに、可能性がどんどん広がっていて。

――その経験から、声優としても新しい扉が開いていきそうですね。

古畑:声優としてもいろんなキャラクターに出会うために、実力を磨いていきたいです。アニメで演じた役のまま舞台に立たせてもらうとか、そういうことがしていけたらいいなと思っています。なので、関係者の皆さん、よろしくお願いします(笑)!

――舞台と声優は両立させていきたい?

古畑:そうですね。声優としてはまだまだですけど、2.5次元の役者として、キャラの再現率は誰にも負けない自信があります!
声優で学んだ声の表現を使いつつ、これからも頑張りたいです!

声優としても、表現の仕方はいろいろあると思うので、自分にできる表現をどんどんしていきたいです。ちょっと違うかもしれないけど、ステージ終わりに、「またお会いしましょう」って手話をする時があるんですよ。「耳が聴こえづらいけど、古畑くんの笑顔を見ると元気が出てきます」って言ってくれた方がいて、手話を習っている母親から教わったんです。そういう人たちにも表現を届けたいなあと思って。

――最後に、ここまで読んでくれた方にメッセージを。

古畑:これからも、役者として、声優として、幅広く活動していきたいと思っていますので、楽しみにしていてほしいです。いつも応援してくれてありがとうございます!

【声優図鑑】古畑恵介さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

古畑恵介

古畑恵介(ふるはた けいすけ) ソニー・ミュージックアーティスツ所属

古畑恵介(ふるはた けいすけ) Twitter

◆撮影協力

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト