「楠木ともり」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2018/11/5

楠木ともり"

 編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第206回となる今回は、『メルヘン・メドヘン』鍵村葉月役、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』レン/小比類巻香蓮役、『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバルALL STARS』優木せつ菜役などを演じる楠木ともりさんです。

――声優を目指そうと思ったきっかけは?

楠木:アニメが好きな友だちの影響で、『東京ミュウミュウ』をきっかけにアニメが好きになり、『こばと。』で花澤香菜さんの演技を見て、声優になりたいと思うようになりました。花澤さんの声質はもちろん、演技の世界観も大好きで。作品に寄り添いつつも、自分にしかできない役を演じるのがお上手な方なので、自分もそうなりたいなと思って。

――花澤さんの歌う楽曲も好きですか?

楠木:大好きです。やっぱりずば抜けて可愛いですよね。癒しだなと思って、落ち着きたい時によく聴いています。アーティストとしての曲だと、アルバムに入っている『マラソン』という曲が、花澤さんのふんわりとした雰囲気を残しつつ疾走感がある可愛い曲で、よく聴いています。キャラクターソングだと、『俺妹』の黒猫ちゃんとして歌われている『Platonic prison』が好きですね。

――「アニストテレス」をきっかけに声優の道に進んでいますが、このオーディションは歌手志望で受けたそうですね。

楠木:一度、声優にチャレンジできる大会みたいなものに参加した時に、まったく歯が立たなくて、予選で完全に落ちてしまって…。やっぱりちゃんと演技を経験してきた人じゃないと無理なんだなと思って、でもやっぱりアニメに関わる仕事がしたくて。もともと音楽が好きで、その頃はLiSAさんとか鈴木このみさんにどハマりしていたんです。高校でも軽音部のアニソンコピーバンドで、人前で歌うのが楽しくて好きだったので、「私はアニソン歌手を目指す」って言い出したんです。そうしたら、お姉ちゃんが「こんなのあるよ。ソニーだよ、LiSAいるよ。」って見つけてきてくれました(笑)。

――音楽が好きになったきっかけは。

楠木:家族でカラオケに行くことが多くて歌う機会が多かったのと、ピアノをやっていたことも大きいと思います。

――学生の時はどんな女の子だった?

楠木:小中は委員会とかに積極的に参加して、中学の時は生徒会長をやらせていただいていました。でも、目立ちすぎて、あんまり友だち関係がうまくいかなかったんです。だから、高校はいい子でいるのをやめようと思って(笑)。部活とか、自分のやりたいことをやって、放課後に友だちと遊びに行ったりしていましたね。こんなお店あるよって調べてから遊びに行ったり、ショッピングしたり、プリクラを撮ったり。よくいるJKをやっていました(笑)。

――2017年にデビューされてから、すでにたくさんの作品に出演されていますね。アニメ初主演となった『メルヘン・メドヘン』鍵村葉月役の思い出は?

楠木:自分のことに手いっぱいで。でも、やっぱりアニメって“誰かの好きなもの”に向き合っていくお仕事なので、その気持ちに寄り添えるように、自分ができるパフォーマンスはちゃんとしようっていうのを念頭に置いていました。それと、手いっぱいになりながらも、先輩方のお芝居にもアンテナを立てて、いろんなことを吸収しようと思っていたのを覚えてます。かっこいいセリフが出てきたら「先輩が演じていたあのキャラクターみたいに演じてみよう」とか。そこで学んだことは今の自分にも生きているなぁと感じます。

――他の作品でも、常にアンテナを立てていることが多い?

楠木:そうですね。私はお芝居を習うような経験をしていないので、お仕事をしながら吸収するしかなくて。常に意識していますね。

――周りの先輩方から直接お話しを聞くようなことも?

楠木:先輩方にはお手間をおかけしたと思うんですけど、質問があったらすぐに聞いちゃいます。「このセリフがどうしても言えないんですけど、コツはありますか?」とか。やっぱり、新人である今じゃないと転べないと思っているので。もちろん失敗はあんまりしないほうがいいとは思いますけれど、今のうちに経験できることを経験して、今後につなげたいなと思います。

――その後に『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』という人気作品でレン役を演じられて。どんな日々でしたか?

楠木:あっという間でしたけど、もともとSAOのアニメが好きだったので、演じている時間はすごく幸せでした。やっぱり大先輩方に囲まれて、演技もそうですけど、アニメ本編以外にもイベントでサバゲーをやらせて頂いたりして、人間としての経験値を積めたような気がします。

――大先輩から言われて覚えていることは。

楠木:エム役の興津和幸さんが隣の席だったので、お話を聞くことが多かったです。レンちゃんって大声で喋るシーンが多いから、一本調子になりがちなんですけど、興津さんが「やっぱり大事な部分は立てて」とか、理論的なアドバイスをしてくださって。それが私にはわかりやすかったです。演技ってどうしても感覚的になってしまうので。

――レン役も、もともとは感覚的に役作りをしていた?

楠木:そうですね。特にレンちゃんとか香蓮ちゃんはすごく共感できる子たちだったので、変にアレンジするというよりは、感情移入しながらこういう演技がしたいっていうのが自然と出てくる感じでした。

――ご自分との共通点も多かったということ?

楠木:はい。香蓮ちゃんはコンプレックスを抱えていて、それをどうにかしたい、あがきたいからレンちゃんになるんですけど、私も自分のことが好きじゃなくて、変わりたいと思って趣味に挑戦したり、声優というお仕事に挑戦しているところがあるので。自分を変えるために新たな環境に飛びこむっていうところに共感できるなと思いましたね。

――『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバルALL STARS(以下、スクスタ)』優木せつ菜役は、ご自分から見てどんな女の子ですか?

楠木:いい意味で単純というか、すごくまっすぐな子なんでしょうね。自分のやりたいことに無我夢中で突き進んでいける、そこが魅力だなあと思います。私も好きなことに対してはまっすぐに向かっていきたいほうなので、そこにまず共感しています。それに、周りのことを気遣える、本当にスクールアイドル然としたすごく素敵な女の子だなと。

――これからの『ラブライブ!』の活動で楽しみにしてほしいことは。

楠木:これからリリースされるソロ楽曲を楽しみにしていてほしいです! せつ菜ちゃんって謎多き人物なので、まだどんな子なのか掴んでいない方もいると思うんですよ。スクスタのゲームを進めていって、ソロ楽曲を聴いていただいたら、これはせつ菜ちゃんのどういう一面が出ている曲なんだろう…って、逆に興味を持ってもらえると思います。

――どんな曲なんですか?

楠木:せつ菜ちゃんらしい、全力で明るくてスクールアイドルっぽい曲がくるのかなと思っていたら、意外にもアニソンっぽいというか。切ないロックな感じのかっこいい曲なんです。せつ菜ちゃん、こう来るんだ!と。

――切ないロック………切なロック?

楠木:そう、そうなんですよ! それがまた、せつ菜ちゃんと絡んできて面白いですよね。ディレクターさんもレコーディングの時に、「ちょっと切なロックな感じで」っておっしゃっていて。「あ、せつ菜だ!」って一人でウキウキしていました(笑)。

――どこまでが狙いなのか気になりますね(笑)。そして、『温泉むすめ』では大手町梨稟役を。この役で気になっていることは?

楠木:都会っ子っていうのがまず可愛いなあと。温泉っていうと、どうしても東京のイメージがあんまりないので。それなのに、東京をアピールするんだ〜と思って(笑)。ツンケンしていて、幼いながらもすごく勝気で頑張っている姿が可愛いです!

――ご自分も東京出身ですが、東京をアピールするとしたら…?

楠木:そうですね…私は東京の人が多くて、広告とかお店がガヤガヤしている音を聴くのが好きなんです。無心で聴いていると、うるさく感じることもあるんですけど、よく聴くと会話とか面白い音が入っていたりするんです。

――梨稟ちゃんは、「都会っ子だけど本当は地味で和風なものが好き」っていうギャップも可愛いキャラ。楠木さんにもギャップを感じさせる意外な一面はありそう?

楠木:よくしっかりしてるねって言われますけど、あんまりしっかりしていなくて(笑)。 緊張しているのに、あまり気づかれないんです。大きなイベント前や収録前とかは「あれ言わなきゃ、これもやらなきゃ」って手いっぱいになってるのに、「平気そうじゃん」とか。緊張が表に出にくいみたいですね。それに、打たれ弱いのに負けず嫌いで、けっこう面倒くさいです。でも、すぐ笑いますよ。ツボが浅いです(笑)。

――確かに、しっかりしているようにしか見えませんね(笑)。

楠木:本当はドジばかりですよ! 何もないところですぐにつまづくし、落し物や忘れ物も多いし。不思議ですけど、1〜2ヶ月のうち一週間くらい、ドジが続く週があるんですよ。すぐに物を落とすし、「なんで私はこんなについてないんだろう…」って(笑)。

――それはけっこう頻度が高いですね(笑)。そして、梨稟ちゃんは12月にソロデビューも!

楠木:ありがたいことにソロプロジェクトの第一弾ということで。テーマはロックです。梨稟ちゃんは小さくてロリっぽい声をしているので、ちゃんと梨稟ちゃんを出しながらロックを歌うにはどうしたらいいのかなって、いろいろ迷ってます…。でもロックは好きで、普段から聴くことも多いので、歌うのが楽しみです。

――10月からスタートした『アニマエール!』では、舘島虎徹役を演じてみていかがですか?

楠木:大人しく見えるけど、じつは二面性のある子なので、演じていて楽しいですね。ちょっと変な子を演じるのが好きなので(笑)。同じ人物なのに、いかに別人感を出すかっていう。塩梅が難しいんですど、それを研究しながら演じるのが楽しいです。

あと、同じきらら作品では、アプリゲーム『きららファンタジア』できららを演じてますけど、アニメーションに出るのは初めてなんですよ。一度は出たいと思っていたので嬉しくて。

――最近よく会っているような声優仲間は?

楠木:先輩なんですけど、日笠陽子さんには最近よくお会いしますね。『きららファンタジア』でも『ガンゲイル』でもご一緒しているので。この夏は、『ガンゲイル』のメインキャスト4人と、SHINCっていう敵チームの森永(千才)さん、白石(晴香)さんの6人で、バーベキューをして夏を満喫してきました!

――新たに挑戦するとしたら、どんな役どころ?

楠木:幅広く演じてみたいですけど、特にやってみたいのは、かっこいい役です。まだやったことがないので。それから、途中で壊れちゃうような変な役。演技のしがいがあるので(笑)。

――お芝居を楽しんでいるのが伝わってきます! これからどんな声優になっていきたいですか?

楠木:本当にいろんなことにチャレンジしていきたいです。その中でも、演者っていう自覚をきちんと持って、演技に主軸をおいて極めていきたいです。まだまだですけど、最近は楽しむ余裕ができてきて、演技の表情も豊かになった気がします。多趣味なのでそれも生かしつつ、少しずつ成長していきたいです。

【声優図鑑】楠木ともりさんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

楠木ともり

楠木ともり(くすのき ともり)ソニー・ミュージックアーティスツ所属

楠木ともり(くすのき ともり) Twitter

◆撮影協力

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト