「相談の半分がLINEの悩み」アメブロ1位の婚活ブロガー仲人Tさんに“最高の相手”を手に入れる方法を聞いた!

恋愛・結婚

更新日:2019/5/24

『夢を見続けておわる人、妥協を余儀なくされる人、「最高の相手」を手に入れる人。 “私”がプロポーズされない5つの理由』(仲人T/大和出版)

 兵庫県高砂市にある「結婚物語。」は、おそらく、いま日本でもっとも入会困難な結婚相談所だろう。2018年12月、相談所が運営する公式ブログがSNS上で爆発的な話題となり、わずか4ヶ月という異例のスピードで書籍化に至った。それが『夢を見続けておわる人、妥協を余儀なくされる人、「最高の相手」を手に入れる人。 “私”がプロポーズされない5つの理由』(仲人T/大和出版)だ。著者は、「結婚物語。」の相談員である仲人Tさん。恋愛や結婚に悩むアラサー、アラフォー男女をときに叱咤し、激励し、爆笑させ、最後には元気にさせる彼女のブログは、ネットの住民から「日本の少子化を食い止める救世主(メシア)」と評されるほど。ダ・ヴィンチニュースは、仲人Tさんに著書のこと、婚活アドバイスのほか、婚活に役立つ本などもうかがった。

何歳でも結婚できる! 婚活しているすべての人を元気にするブログ

──「結婚物語。ブログ」は最初、仲人Tさんではなく所長さんが執筆されていたんですよね。Tさんがブログを書き始めたのはいつごろですか?

仲人T:去年の7月くらいからです。所長のブログは、めっちゃいいこと書いているんですけど全然アクセスがなくて、これ、所長から聞いたことを私が面白おかしく書いたほうがいけるんじゃないかと。で、そのときは今ほど新規の会員様も多くなくて、ヒマだったというのもあります(笑)。

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──その後、「親が毒親だと婚活はガチでキツイ」の記事があるインフルエンサーの目に留まり、一躍ネット上でブレイクするわけですが。それまでネットで文章を書いたことは?

仲人T:ブログもFacebookもTwitterもmixiもまったく何もやっていなかったです!

──アニメやマンガのネタをちりばめたり、タイムリーなネット上のネタを取り入れたりという部分も面白いのですが、たとえがすごいですよね。彼がひどい人でも相手に無理して合わせてしまう、というところで「大根おろしが『私はどうしてパンに合わないのかしら…もっと頑張ってパンに合わせないと!』言うてるようなもんや! しんどいのを我慢して、一生懸命パンに乗るのをやめなはれ!」とか。この仲人Tさん独特のパワフルな文章力はどうやって培われたんでしょうか?

仲人T:前職では営業でずっとお客様相手にプレゼンをしていたので、その影響が大きいのかもしれません。営業でプレゼンをするときは、しゃべること前提で前もって原稿を作るので、リズムというか言葉運びの部分でそういうクセが出ているのかもしれません。

 仕事大好き人間だった私は、当時、休みによく他の社員のプレゼンを聞きに行っていました。「これを買わないとこうなりますよ」と脅す恐怖のトーク、商品の長所を一生懸命伝える誠実トークなど、プレゼンには色々なものがありました。

 その中で私が一番好きだったのが、時事ネタ盛りだくさんで爆笑あり感動あり、商品の話は最後の5分のみでとにかく聞いたら元気になれる、Mさんのプレゼンでした。Mさんを目指してプレゼンの原稿をずっと作ってきたので、もし面白いとかパワフルだと感じていただけるなら、それは彼のおかげかもしれません。

──ご自身でブログを書き始めたのが2018年の7月、一気にネット上で話題になったのが12月で、翌年4月にはもう書籍化というかなりのスピードでしたが、書籍化を決心した理由はあったんですか?

仲人T:何も考えていなかったです(笑)。「ワーヤッター! うーれしー! 本出すんだってー! これでまた会員さんが増えるんじゃない?」みたいな感じで。それは馬鹿だったなとあとで後悔するんですけど(笑)。

 ブログをそのまま本にしてもらえると思っていたので、本を一冊作るのがこんなに大変だとは! 構成を考えたり、書き下ろしも必要だし、書籍にするにあたってブログの文言を色々と訂正したり…えっそんなに大変なんか! 嘘だろ! みたいな感じでしたね。睡眠時間のなさが、子供が新生児の頃よりやばかったかもしれません。

──私自身、アラフォー世代で、これから婚活を始めようと思っても最初に「40代女性が結婚できる確率は1%」などのデータを見た時点で心が折れてしまうんですよね。その絶望感から救い出してくれるのが仲人Tさんのブログだと思います。読んでいて本当に元気が出ます。

仲人T:そう言われると本当にありがたいです。けっこうシビアに現実は書いていますけどね。年齢関係なく、婚活市場で、20代でも自分がピンとくる人に会える人ってすごく少ないと思います。

 ただ、うちの相談所の所長が「何歳でも結婚できる」って信じているんですよね。たとえば大手の結婚相談所で成婚率が高いところは、男性は年収で、女性は年齢で、入会時点ですでに足切りがあるんです。でも所長は、ほんまに「何歳でも結婚できる」って信じているから、そういったことはしないし、結婚したい人のフォローをすることが本当に好きなんです。そういう所長のマインドによるものが大きいと思います。

 たとえば最近も、アラフォー女性が「年収1000万の人がいい」って言って入ってきたときにどうしようかと思ったんです。でも所長が「いや、でもなんか前向きだからいいじゃん」って言い出して。なんやそれ! って思ったんですけど、その女性、うちに入って2ヶ月で成婚退会しました。年収1000万ではないものの、同年代のお相手とマッチングしてラブラブで退会されました。

──ええ、すごい!

仲人T:所長じゃなかったら、私だったらまず入会をお断りしていたかもしれません。でも所長は絶対結婚できる、結婚させたいって「俺が応援したいって思ったから」みたいな。「エッでもそれ私も応援しないといけないんだけど?」ってちょっと迷惑くらいに思っていたんですけど、蓋を開けてみたら2ヶ月でラブラブで退会していって…そういうことを実際に目の当たりにしていると、やっぱりうちの所長すごいなって思います。

──アラサー・アラフォーの婚活女性に対してもしアドバイスするとしたら何かありますか?

仲人T:まず、女子アナみたいな振る舞いはしなくていいから、女子アナみたいな“格好”をしてほしいです。男の人って本当に大雑把にしか見ていないので、もともとの顔がかわいいとかより、5メートル先から見て「女の子」って感じだったらアリ、なんです。中身を変えなくても、見た目を男受けに寄せていくだけですごくラクになります。

 同じコミュ障でも、女子アナっぽい雰囲気なら「清楚で真面目な子だな」ってなる。女性側も、「福士蒼汰の顔ならヒモでも許せるわ」みたいなのはあるじゃないですか。中身が一緒でも見た目が自分好みなだけで許してもらえる部分は増えるので、ありのままを好きになってほしい人ほど、見た目だけ頑張って!

 あとは、変なプライドは捨てて「モテたい」「結婚したい」って言ってほしいですね。「結婚したい」って言えたら、周りの友達が「あの人紹介しようかな」ってアンテナを立ててくれるかもしれないし、服屋の店員さんだって、頑張って婚活に向いた服を持ってきてくれる。女同士で「うーん、結婚はいい人がいたらしたいけど、あんまりいい男っていないよね~」とか言っていたら、彼女たちの目を気にしてしまって男受けするワンピースなんて買えないでしょ?

──今回、ブログを書籍にすることで伝えたかったことはありますか?

仲人T:もう本当に忙しすぎて何も考えていなかったんですけど、ネットを使っていない世代の人も目にする機会があったらいいなと思いました。たとえば今のアラフォー世代の親となると、もう70代だったりして、アメブロはまず読まない。婚活中に、毒親で悩んでいる人たちをけっこう見てきたので、そうした親世代の方にもチラッと読んでいただけるといいなと想像したりはしています。

──『夢を見続けておわる人、妥協を余儀なくされる人、「最高の相手」を手に入れる人。 “私”がプロポーズされない5つの理由』はさっそく重版が決定したそうですが、これにとどまらず、たとえば次回作など今後の展望はありますか?

仲人T:もしまた本を出すことがあるなら、次はもっと題名を短く…本屋でお客さんが「あれ、何やったっけ?」ってならないようにしたいです(笑)。あとはやっぱり、みなさんが元気になれるようなものを今後も書けたらいいなと思っています。

1年以内に結婚したいなら、読書をすべし! 仲人Tさんオススメの婚活本

──Tさんのブログでは、婚活に役立つ本を定期的に紹介されています。婚活だけでなくマンガやBLも含めて多いときで年600冊ほどの本をご自身でも読まれているとブログにありましたが、Tさん自身の読書遍歴の中で、影響を受けたと思えるものはありますか?

仲人T:何回も読み返している本で言えば、『窓際のトットちゃん』(黒柳徹子/講談社)でしょうか。子供の頃はただただ面白いと思って読んでいましたが、大人になってから読むと、人と違っていても、普通じゃなくても、縮こまらずのびのびと人生を生きていいんだ、と、心から思える本です。

──『夢を見続けておわる人、妥協を余儀なくされる人、「最高の相手」を手に入れる人。 “私”がプロポーズされない5つの理由』の中でも、自分に合った恋愛・婚活本の選び方を紹介されていますが、ダ・ヴィンチニュース読者の男性向け、女性向けにそれぞれ、おすすめの本をご紹介いただきたいのですが。

仲人T:まず男性向けの婚活本としては『はじめての男の婚活マニュアル』(男の婚活研究会/秀和システム)。これよりいい本は今のところほかにないっていうくらいにいいです! パートナーエージェントという結婚相談所が監修しているので、女性会員が言ったことを全部まとめましたという感じで、もう本当に女性の気持ちがそのまま載っています。相談所やアプリで婚活するときにこれ1冊あったら、振る舞い方とか、LINEの返信、店を決めるところ、支払い、待っているときの姿勢と挙動などなどほとんどのことを網羅できます。

 あと男性向けでは『モテるマンガ』(ゆうきゆう/少年画報社)もおすすめ。『はじめての男の婚活マニュアル』がテクニック面のサポートだとしたら、こっちはメンタル面。頑張ろうっていう気持ちになれると思います。

 女性向けは、『シークレット婚活塾 大好きなあの人にたった3ヵ月でプロポーズさせる禁断の恋愛マニュアル』(井上敬一/SBクリエイティブ)をまずは定番として1冊挙げたいです。男性心理がたくさん書かれているんですけど、著者の方が男性なので、より真実の姿に近いんではないかなと思います。女性に対して愛がある内容で、読んだあとに元気が出るところもポイントです。

 あと、交際が始まって会員さんからくる相談のうち半分くらいがLINEの悩みなんです。それですごくよかったのが『大好きな彼に絶対愛される!掟やぶりのLINE術』(広中裕介/KADOKAWA)。LINEで悩んだときの答えが全部書いてある。どんなLINE送ったらいいのか悩んだ時点でやっぱり、そこには変なものが乗っかってるんですよね。「送りた~い!」じゃなくて、「なんて送ったら好かれるやろ…」って。そう言うてる時点で、自分の立場が相手より下になっちゃうんですよね。この本を読んでおけば、絶対変な自爆LINEを送らなくなるので間違いないです。ただ、相談所で真面目で一途な婚活男子を落とす場合にこれやったら、「あ、俺は嫌われている」ってなるので、ちょっと上のランクを狙いたい女子におすすめです。

──最近読んだ本でTさんの個人的なお気に入りはなんですか?

仲人T:辻村深月さんの『傲慢と善良』(辻村深月/朝日新聞出版)です。婚活に関係する内容なんですが、本当にすごい、すごかったです。なんでこの作家さんは、こんなに婚活に関わるすべての人の、男性側、女性側、仲人や、アドバイスする既婚者の気持ちも、全部わかってるんだろう? って。「こういう会員さんいる!」とか「こういうこと言ってくる親いるー!」とか、「この女、死んでほしい!」っていう登場人物が出てくるんです。婚活に関係はしているんですけど、これは今まさに婚活をやっている最中の人が読むと、おなかに手を突っ込まれて内臓をかきまわされるような感じになると思うので、婚活が終了してから読んだほうがいいかもしれません(笑)。まあ読んだら高望みはしなくなります。

──恋愛や婚活ジャンルの本は、読んだほうがいいのかなと思うのですが、初めて買うときにちょっと気恥ずかしかったりする人も…。

仲人T:買ったらいいじゃん! わからないじゃん! もうね、婚活で苦戦する人っていらないプライドがあるんですよね、みんな。「いい人がいたら」って言っている人は、できないんです。オリンピックまでに、とか今年中に、ってちゃんと決めて、行動できる人が結婚できます。あと、決して有利ではない年齢や条件なのに、すぐに結婚が決まる女性に共通する趣味って「読書」が圧倒的に多いんです。

──じゃあ、もしかすると、この記事を読んでいる時点で、かなり結婚には近づけている?

仲人T:ダ・ヴィンチニュースを読んでいるのは、読書をするっていう習慣がある人たちだろうから、そう言っても過言ではないと思いますよ。いやマジで。『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(大西明美/かんき出版)という本にも書いてあったことなのですが、婚活を始めて1年以内に結婚する人って、趣味が読書の人が8割以上なんです。もともと本を読む習慣がある人は、恋愛のハウツー本を読んだときにも吸収力が普通の人と段違いだし、お相手の仕事や趣味に関する本を読んでからお見合いに挑む方も多く、そうすると会話の引き出しが全然違います。ダ・ヴィンチニュースを読んでいるみなさん、ぜひ、あなたの読書習慣、本好きを最大限に婚活に生かしてください!

取材・文=本宮丈子
取材協力=結婚物語。