「篠原侑」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2019/6/14

篠原侑

編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。
第213回となる今回は、「となりの吸血鬼さん」の天野灯役、「超可動ガール1/6」比等間ルウ役などを演じる篠原侑さんです。

――撮影はいかがでしたか?

篠原:屋外だといろんな場所に移動できるので、こんなにいろんなシチュエーションで撮影していただいたのは初めてかもしれません! カメラマンさんから「いいね!」って言われると恥ずかしくて、笑ってしまって、NGになったカットもありましたけど(笑)。私としては、何気ない風景のなかでお散歩デートのような気分で撮っていただきました。

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――お散歩デート、いいですね。

篠原:公園っていうのがいいですよね。大人になった今だからこそ、公園に行くと新鮮な気持ちになれました!

――篠原さんが声優を目指したきっかけは?

篠原:私の場合、父がきっかけなんです。もともと小学生のときに、漠然とした子どもの夢で、歌手になりたくて。でも、両親から「歌手の道は厳しいよ」って言われていたんです。それが中学に入ってから突然、父がアニメーション映画の主人公のオーディションを、わざわざプリントアウトして見せてくれて。声優なら歌も歌えるし、演技もできてテレビにも出られるかもしれないし、いいことがたくさんあるから目指してみたら?って言われました。

――お父様の中で何らかの変化が…?

篠原:小さい頃からピアノを習っていたし、当時は純粋に、私の将来性を信じてくれたのかなって思ってましたけど…。今思えば、父はもしかしたらアニメとかそういうものが好きだったのかも。その謎は今もまだ解けていません(笑)。

でも結局、そのオーディションには応募しなかったんです。もともとアニメも漫画も好きだったから、作品が制作されている舞台裏についても調べたりして、声優の魅力を本当に知るようになってから、本気でなりたいって周りにも伝えるようになりました。

――その後、日本ナレーション学院に通われています。

篠原:大学生のときにダブルスクールをしていました。本当は中学生の終わりくらいに「日ナレに行きたい!」って思っていたんですけど、両親から高校には行ってほしいと言われまして。ぶつかることもありましたけど、今は進学しておいて良かったって思います。

――中学、高校と、声優になりたい気持ちがブレることはなかったんですね。

篠原:むしろ、気持ちが強まっていったと思います。声優を目指すようになってからボイストレーニングに通っていたことも大きいです。その発表会で初めて人前で弾き語りをしたときに、緊張するけど楽しいなと感じて。両親や祖母にステージに立っている自分を見てもらうのも初めてで、あとで先生から「ご両親もおばあちゃんも泣いてたよ」って言われて、私も泣きました。それまで学業や進路について意見がぶつかることもあっただけに、嬉しくて。今でも思い出すと泣けてきちゃいます…(笑)。

――高校では和太鼓部に入っていたそうですね。ちょっと珍しい部活だなと。

篠原:中学は吹奏楽部でクラリネットを担当していたので、高校でも続けるのかなと思っていたら、入学式で見た和太鼓部のパフォーマンスに圧倒されて。隣にいたお母さんは、「和太鼓部に入るんでしょ?」って、私の気持ちがわかっていたみたいです(笑)。

――入ってからもやっぱり楽しかった?

篠原:めちゃくちゃ楽しかった…けど、きつかったです(笑)。文化部というにはあまりにも…。吹奏楽部もそうでしたけど、楽器を扱うにはそれなりの筋力が必要で、筋トレもしましたし、太鼓を叩いているだけでも自然と筋力がつきましたね。激しく体を動かしたり、ピタッと動きを止めたり、そういうパフォーマンスの部分は、今でもダンスをするときに生かされている気がします。

――2016年に声優デビューして、2018年のテレビアニメ『となりの吸血鬼さん』ではメインキャラクターの天野灯役を。

篠原:初めてのメインキャラクターでした。台本の半分以上が灯ちゃんのセリフだったこともありましたね。1話のときは本当に手探りで、声質とか演技の仕方ばっかり気にしてましたけど、それだと灯ちゃんに生き生きと息を吹き込むことができないんじゃないかと思って。どうしたら灯ちゃんを生き生きと演じられるのか、それを考えるようにしたら、「私が演じる灯ちゃんはこういう感じだ!」というのが決まってきて。それ以来、だんだん演技が楽しめるようになりましたし、灯ちゃんというキャラクターに少しギャップを感じてもらえるような演技にも挑戦できるようになったと思います。

――一つの役にしっかりと向き合うことで、成長できることも多かったということでしょうか。

篠原:そうですね。特に、役を掴めた!っていう瞬間は、自分でも成長を感じることができました。1話のとき、スタッフさんから「やりたいことをやってみて」と言われて、自由にお芝居をさせていただいたことも大きかったと思います。挑戦しないで後悔するくらいなら、やってみたいことを提案したほうが楽しいんだなって知ることができた作品でもあります。

――2019年春クールのテレビアニメ「超可動ガール1/6」では、比等間ルウ役を演じています。

篠原:この役でも、キャラクターに寄り添いつつ、こういうギャップがあったらかわいいんじゃないかな?っていう私なりの目線を入れています。ルウって、文末に「であります」ってつけるような硬めの口調なんですけど、きっちりした口調のなかに少しだけズレた感じを入れるというか。みなさんにも「この役はきっと篠原だ!」って思っていただけるとうれしいです♪

――「やってみたいことを提案したほうが楽しい」というのが、今でも実行できているのですね。

篠原:そうですね。もちろん悩むこともありますけど。「超可動ガール1/6」のときは、同じ事務所の千本木彩花さんが、帰り道に相談に乗ってくださって。でも先輩のお話を聞いていると、先輩もやっぱり悩むのは同じなんだなって。だから、迷いがあることをおそれずに頑張ろうって思えました。

――今回の声優図鑑の現場でも、周りの人たちと積極的にコミュニケーションをとっているのが印象的でした。

篠原:コミュニケーションをとるのは好きですね。自分のひとことで周りの人たちが笑ってくれるのがうれしいし、周りの人たちと笑いあえる環境に身を置くことが好きなんだと思います。アフレコ現場では場面ごとのシチュエーションにもよりますけど、何か心配事があったときにお話できるくらい柔らかい空気のほうがお芝居もやりやすいって、私は思うほうです。

――プライベートについても伺います。趣味は「おいしいもの食べもの探し」だそうですが、最近は?

篠原:最近はタピオカにはまってます! おすすめは「茶加匠 Chakasho」さん。以前はイチゴ系とか甘めのものが好きでしたけど、今はミルクティーにタピオカが入っているような茶葉系が好き。お茶の香りがほんのりするのが好きだなって最近気づきました。

それと、最近は釣りに行きたくて! その理由が釣った魚をすぐに食べたいから…って先輩に話したら、意外にも「今すぐ行こう」という話になりまして。その日のうちに、釣った魚がその場で食べられる「ざうお」に行ってきました。ヒラメとかアジとか、めちゃくちゃ楽しくておいしい女子会でした! 次は川釣りに行きたいですね。地元の熊本で、両親や祖母と、ヤマメの塩焼きのおいしいお店によく行ってたんです。

――最近の休日はどんなふうに過ごしてますか?

篠原:もっぱらゲームです(笑)。スプラトゥーンとか対戦型テトリスとか。友だちがいるときは、今さらですがマインクラフトを。アンダーテールっていうゲームも好きで、もとはインディーゲームですけど最近はみなさん知っているくらい有名になって。面白いので、ここでも布教しておきます(笑)。

――ゲーム仲間には声優の友だちも?

篠原:声優ばっかりのLINEグループがあります! ほとんど同じ事務所(アイムエンタープライズ)の先輩ですね。赤尾ひかるさんとか、三宅晴佳さんとか。けっこうバチバチで真剣になることもあります(笑)。誰かのおうちに集まったときは、好きな食べ物を作ったり持ってきたりする人もいるし、そのあたりは自由で。

――遠慮なく遊べるほどの仲の良さが伝わってきます(笑)。では、これから篠原さんが目指す声優像とは?

篠原:まだまだ手探りですけど、マルチにいろんなことができる声優さんになりたいっていう気持ちは以前からあって、それは変わっていません。声のお仕事はもちろん、和太鼓を叩けたり、タロットカード占いが得意だったり、パーソナルな面でも常に驚きや発見をお届けして、ファンのみなさんと一緒になって面白いことをしていける声優でありたいです。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

篠原:こんなに私個人としての話をさせていただいたのは初めてで…。初めてのことが大好きなので楽しかったです。これからも、毎回初めてのような新鮮な気持ちで、いろんなお仕事に取り組んでいけたらと思っています。うまくいかないこともあるし、落ち込むこともありますけど、みなさんからいただく言葉が力になっていて、本当にありがたいなと感じています。これからもよろしくお願いいたします!

【声優図鑑】篠原侑さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

篠原侑

篠原侑(ささはら・ゆう)アイムエンタープライズ所属

篠原侑(ささはら・ゆう) Twitter

◆撮影協力

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト