「嶺内ともみ」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2019/7/19

嶺内ともみ

編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。
第216回となる今回は、『スロウスタート』の十倉栄依子役役、『女子かう生』の渋沢しぶ美役などを演じる嶺内ともみさんです。

――声優を目指したきっかけは?

嶺内:中学の終わりくらいに一般公募のオーディションを受けたことがきっかけです。習い事をするくらいの軽い気持ちで受けたから、けっこういいところまで進んだことに驚いたのと、最終的に合格できなかったのがすごく悔しくて。この気持ちをどうにかしたい、とすぐに行ける養成所を探しました。最初は負けず嫌いで興味を持ちましたけど、お芝居を学んでいるうちに、声のお仕事ができたらすごく楽しいだろうなと思い始めました。

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――その養成所というのが日本ナレーション演技研究所で、高校に通いながらダブルスクールを。

嶺内:大変なこともありましたけど、アニメーション作品には高校生の役も多いし、それを意識しながらお芝居の勉強を始められたのは良かったなと、今では思います。

――他の職業に興味を惹かれることはなかった?

嶺内:じつは、小さい頃から絵が好きで、将来は絵に関わる仕事に就きたいと考えていたんです。でも、好きな絵を好きな時間に書きたいから、お仕事として描くのは続かないんじゃないかなあとも思っていて。そのまま高校に通ったら、「将来なにしようかな」って悶々としていたかもしれないので、思い切って声優の勉強を始めて良かったです(笑)。

――(笑)。どんな絵を描いていたんですか?

嶺内:少女漫画が好きだったから『満月をさがして』とか、あとは『犬夜叉』とか。3つ上のお姉ちゃんが漫画やアニメが好きだったから、影響されることは多かったですね。女の子の絵ばかり描いていました。

――理想の女の子はどんな感じ?

嶺内:見ているだけで幸せになれる、“眼福”みたいな女の子が好きです。きつめというよりは、優しい感じの子。絵って、自分の理想通りに描けるのがいいですよね。二次元だからこそ表現できる可愛さがあると思うし。表情や色で自分の世界観を作れることが好きでした。

――手書きで?

嶺内:小学校の頃は、鉛筆とかペンとか。でも、中学一年のとき、家にペンタブがあったんですよ! お姉ちゃんが使わずに置いていたのがもったいなくて、せっかくだから使いこなしたいと思って、それからはデジタルで描いていました。

――使い始めた理由が面白いです(笑)。お姉さんからの影響は大きいですね。

嶺内:ひとり遊びがあんまり得意じゃなかったから、お姉ちゃんがやっているなら何でもやる!って後ろにくっついて遊んでました。負けず嫌いな性格なので、どちらかというと、お姉ちゃんよりうまくなりたい!って感じでしたね(笑)。

――専門学校から事務所に所属できる人はごく少数ですよね。どんなことを頑張っていたんですか?

嶺内:最初はお芝居に必死でしたけど、所属オーディションでは、ありのままの自分を見てもらうつもりで受けた記憶があります。緊張したときに出るのって、やっぱり自分だと思うし、この世に100%同じ人はいないはずだから。無理して背伸びするよりは、いつもより少しちゃんとしているくらいの自分を出して所属できたら嬉しいなと思って。

――2018年のテレビアニメ『スロウスタート』は、十倉栄依子役として初めてメインキャラクターを務めた作品でしたね。

嶺内:すぐに緊張するほうなので、スタッフさんに「気をつけたほうがいいことありますか?」ってしょっちゅう聞いていて、毎日不安な顔で過ごしていたと思います(笑)。メインキャラの中でいちばん新人なのに、いちばんしっかりしている役で。演じるからにはいい仕上がりにしたいって必死でした。それまではゲームの収録が多かったから、他のキャストさんとその場でやりとりするアフレコでは、今までにない発見もたくさんあって。
歌もダンスも初めてで、はじめてのお使いが毎回あるような作品でした(笑)。

――今年の春アニメでは、『女子かう生』の渋沢しぶ美役という難しい役を。

嶺内:セリフがない作品で、台本にもやっぱりセリフが書かれていなかったので、ほとんど収録現場に入ってからのアドリブでしたね。現場でスタッフさんのお話から世界観を想像して、「あ」とか「え」とか、ほとんど息だけでお芝居していました。最初で最後かもって思うような貴重な体験でした。

――これから挑戦したい作品のジャンルや役は?

嶺内:いろんな役を演じてみたいですが、特に興味があるのは、ぽやーっとしているキャラクターです。最近人気の「コウペンちゃん」みたいな。
他には心に訴えかけるようなスポーツ系の作品にも出てみたいです。球技をやっていたので、それも生かせたらいいなと思っております。

――球技をやっていたんですか?

嶺内:はい。小中高で、卓球とテニスとサッカーとハンドボールとバドミントンを。でも全部ちょっとずつ。一年とか数ヶ月くらいです。

――経験豊富ですね!

嶺内:走るのは苦手ですけど、体を動かすのは好きです。球技はやり方次第でどうにでもなるなと思っていて。ゲームの中で、どうすれば最小限の動きで勝てるのか、戦略を考えるのが好きだったんだと思います。もともと計画を立てて実行するのが好きなので。でも、極めるためには体を鍛えたりして、大変じゃないですか。だから、楽しめる範囲でやるのが好きでした。6年間やってました!っていう人のようには打ち込めていないんですけど(笑)。

――計画を立てるのが好きというのは、普段でも?

嶺内:そうですね。絵がうまくなりたいから、この本を学んで、数年後までにはやり遂げていたい……とか。予定を立てて手帳に書く時間も好きで。何時に起きて、何時には寝たいからこの時間にはお風呂に入って、その間に何をするっていうのを、一週間分とかまとめて全部書きます。計画を立てておかないと、キンドルを読んで一日終わり…みたいな本当にぐうたらな一日を送って後悔しちゃうので。

――すごいですね。一週間後のお風呂の時間を計画したことのない人がほとんどかと(笑)。

嶺内:私の場合、その通りに過ごせなくても、計画したことで満足感を得られるので(笑)。でも勉強は全然できなかったです。勉強する時間に絵を描いちゃったり、やる気を出すためにラジオを聴いたら、ラジオに夢中になって絵を描いちゃったりして(笑)。

――(笑)。最近の休日は何をして過ごしていますか?

嶺内:やっぱりキンドルで本を読むことが多いです。大好きな紅茶のことが書かれた本とか、化粧品や服、お金に関する本など。本屋さんに行ったら3〜4時間はいますね。この前、ゆるいキャラクターがたくさん載っている雑誌をネットで見つけたんです。でもそれが、児童書コーナーにあるような雑誌で。ちょっと恥ずかしいけど、勇気を振り絞ってレジまで持っていくのをシミュレーションしながら書店を回ったら、見つからなくて、結局ネットで買いました(笑)。

――ゆるいキャラクターとか紅茶とか、癒されそうな趣味が多いですね。

嶺内:癒されます(笑)。おいしい紅茶が飲めるカフェを探すことも多くて、友だちを誘うきっかけにもしています。人と話すのが好きなんですけど得意ではないので、何か理由を作らないと友だちを誘えないんです…。私の行きたい場所に付き合ってもらうのは悪いかな、とも思いますけど、美味しいものが食べられる場所だったら女の子はきっと乗ってくれる!と思って。

――素敵な心がけですね。声優の友だちとか?

嶺内:そうですね。最近だと、久保田梨沙ちゃんとか、篠原侑ちゃんとか。近藤玲奈ちゃんとはディズニーに行ったりします。すごくディズニーにくわしいんですよ! じつは、いろんな友だちと遊ぶようになったのは声優になってからなんです。それまでは仲のいい友だちが少なくて。でも、友だちと話していると、自分の持っていない好みとか考えを知ることができるので、楽しいんだなって最近実感しています。

――これから、どんな声優を目指したいですか?

嶺内:自分の表現したことが評価されて、スタッフさんのご意見から新たな発見をするのは面白いですし、そうやって1つの作品が仕上がっていくのは見るのは声優という仕事の楽しさだと思います。以前、「嶺内さんにこの役を任せて良かった」って言われたときにすごく嬉しかったので、またそう言っていただけるようにお芝居を磨いていきたいです。

――この夏、8月18日には『ラピスリライツ』のライブ&トークイベントに出演されますね。

嶺内:作品として初めての単独イベントです。VRとか3Dとか最新の映像を使った、今までにないイベントになるって聞いています。私自身もキャラクターとしてステージに立つのは『スロウスタート』以来なので、みなさんにお会いできるのを楽しみにしています!

――ここまで読んでくれた読者にメッセージを。

嶺内:普段SNSをやっていないので、なかなかお礼を伝える場がないのですが、いつも応援してくださっている方々のメッセージはいつもちゃんと受け取っています。ありがとうございます! この記事で初めて知っていただいた方も、これから頑張ってお芝居を見ていただけるように頑張りますので、チェックしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします!

【声優図鑑】嶺内ともみさんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

嶺内ともみ

嶺内ともみ(みねうち・ともみ)アイムエンタープライズ所属

◆撮影協力

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト