TVアニメ『ダンまちⅡ』キャストインタビュー③:赤﨑千夏(ヤマト・命役)編

マンガ・アニメ

2019/8/3

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII』 毎週金曜24時30分より、TOKYO MXほかにて放送中 (C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち2製作委員会

 好評放送中のTVシリーズ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ』。2013年に原作ライトノベルの第1巻が刊行され、2015年にアニメの放送を開始。2019年には劇場版映画が公開された人気シリーズが、新たな物語をつむぎはじめている。「ダンジョンに出会いを求めなくっちゃな」という祖父の言葉を聞いた、少年ベル・クラネルが迷宮都市オラリオでどんな冒険に挑むのか。

 その第2期の放送を迎えて、ベルくんとともに戦うヤマト・命(ミコト)を担当する赤﨑千夏が、この作品に対する思いを語ってくれた。ファミリア同士の対決〈戦争遊戯(ウォーゲーム)〉が始まる第2期に臨む気持ちとは?

命を第三者的に見たときに、「あれ? ちょっとおかしいぞ。愛が強すぎるぞ」と(笑)

――アニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の第2期がいよいよオンエアされています。赤﨑さんが担当されているヤマト・命がまさかのヘスティア・ファミリア入りを果たしました!

赤﨑:まさか命が第2期になってから活躍することになるとは、正直第1期を収録しているときは知らなかったんです。第1期の収録が終わってから、「第2期の収録があります」と聞いたときに、「命は第2期で活躍するよ」と言われて。「えっ、どんな立ち位置だろう?」と想像がつかなかったんです。だって、ベルたちとはファミリアも違うし、原作に命の外伝があるわけでもない。命が所属しているタケミカヅチ・ファミリアはそんなにドラマチックなファミリアだったっけ? と思っていたら……まさかの命がヘスティア・ファミリアに入るなんて!

――命の意志で、タケミカヅチ・ファミリアから移籍することになるんですよね。

赤﨑:これまでの過去の関係を彼女なりに咀嚼して、自分から神様に直談判しにいくんです。命はタケミカヅチのことが大好きなので、いったん離れることも厭わない、かなり強い想いがあったんじゃないかな、と思いました。

――今回、第2期の収録において、何か準備をしたことはありますか?

赤﨑:第1期の台本や映像を観直して、改めて第1期はどんな話で、命がどんな立ち位置だったのかを確認しました。

――これまでを改めて振り返って、命はどんなキャラクターだと感じましたか?

赤﨑:第1期のころは、ダンジョンでベルたちヘスティア・ファミリアに魔物を押しつけてしまって、そのときの申し訳ない気持ちで動いている印象が強かったんです。自分がベルたちにしてしまったことをすごく後悔していて、「すみません」「申し訳ない」って何度言ったことか。真面目すぎるくらい真面目で、義理人情を重んじる聡明な武人なんだな、と思っていました。ふざけたことなんて、まったく言わない人なんだろうなと。でも、そのあとにOVAというものがありまして(笑)。

――第1期の放映後に発売されたOVA『ダンジョンに温泉を求めるのは間違っているだろうか』のことですね。

赤﨑:そうそう。そのときに命はすごく弾けていて(笑)。みんなを巻き込むほどのパワーがあるキャラクターだと、このときにわかったんです。あのOVAがあったことで、わたしの中で命の印象がかなり変わりました。

――命の温泉への愛を感じるエピソードでしたね。18階層からの帰り道に温泉を発見したら、すぐにお湯を飲み干したり、温泉に入るしきたりをみんなに指導したり……。

赤﨑:このOVAでも、命はふざけているわけではないんですよ。いたって真面目なんですけど、こういうこともできる子なんだな、と。このOVAで、命のパーソナルな部分が出てきたとわたしも思います。OVAのおかげで、命は真面目なんだけど、(演じるときは)ちょっと外れてもいいんだな、と。それで、外から第三者的に見たときに、「あれ? ちょっとおかしいぞ。愛が強すぎるぞ」と(笑)。そういうことが、わかったのはOVAの収穫でした。

――OVAによって、命の魅力がふくらんだわけですね。

赤﨑:第1期の収録が終わってからも、スマホゲーム『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか メモリア・フレーゼ(以下、ダンメモ)』のちょっと横道に逸れたサイドストーリーの収録もたくさんあったんです。温泉大好きな命のエピソードとか、「チョコをもらいたい娘グランプリ」があって。タケミカヅチへの想いをたくさん知ることができて、命の乙女な部分など、アニメでは描かれていない部分がわかってきました。

――OVA、スマホゲーム『ダンメモ』と、いろいろな要素を加味することで、キャラクターの解釈が深まったと。

赤﨑:第1期のときに、ヘスティア・ファミリアに迷惑をかけたことの後悔や、彼らの力になりたいという想いは第2期でも変わらないんです。それに加えて第2期には昔なじみのサンジョウノ・春姫が登場することで、命は彼女を救いたいという気持ちで行動をするようになる。そこが第2期の命のポイントになると思いますね。

――赤﨑さんが、命を演じるうえで意識していることはどんなことですか。

赤﨑:とにかくまっすぐ正直に、ですね。命は「ウソをつけない人」なんだろうなと思うんです。「思っていることが顔色にすぐに出ちゃう」タイプ。その実直さを感じていただけたらいいな、と思います。

――命のキャラクターは、赤﨑さんご自身に近いところはありますか?

赤﨑:うーん、近いかどうかはわからないですけど、わたしはウソをつくのが下手なタイプだろうと思っています。ウソをついてもすぐにバレてしまうので、ウソをつくことが怖いですね。そういう自分の性格を、役柄と照らしあわせることはしないですけど、命のキャラクターと似ていると感じるところはあります。

――ベルくんは、命のみならず、いろいろなキャラクターから愛されています。なぜ、ここまで愛されているのだと思いますか?

赤﨑:たしかに、女子からもモテモテですし、男子からも注目を集めていますよね。なんであんなにモテるのか、わたしも不思議です(笑)。もしかしたら女性陣から好かれるのは、母性本能を刺激するから、ですかね。そういう一面を持ちつつも、やるときはやるところ。そういうギャップがあるから、まわりを巻き込んで、どんどん惹かれていくのかもしれません。

――ヘスティアについては、どんな印象がありますか?

赤﨑:ヘスティアがすごく肉食系の女の子なのも、このタイプの作品では珍しいなと思いますね。あんなに「好き、好き、好き」ってベルに言っていて、受け身の女の子じゃないところが面白いです。ベルくんが、ヘスティアの気持ちを受け入れない理由が気になりますよね。相手が神様だから、その想いを受け入れちゃダメだと思っているのか。そもそも恋愛対象として見ていないのか。そのへんの関係性も面白いです。

――命とヘスティアの関係についてはどうですか?

赤﨑:命はヘスティアに対して、個人的な強い思いがあったわけではないと思います。ですが、ファミリアに加入して、一員として戦うことで、神として敬愛する対象になったのではないでしょうか。同時に、神でありながらとても人間臭い部分のあるヘスティアに振り回されつつ、親しみを覚えていると思います。一緒に温泉に入るシーンなんかは特に楽しそうですね。

――この作品の、「神様の眷族(ファミリア)に入る」という世界観はすごく独特ですね。

赤﨑:神様を中心にチームを組んで、そのチームがたくさん存在しているという世界観は、すごく広がりがあるなと思います。しかも、そのたくさんのファミリアが、オラリオの街にいるというのが面白いですよね。オラリオの外には、どんなエリアがあって、どんなファミリアがあるのか気になりますし。自分だったら、どんな神様のファミリアに入るか考えちゃいますね。就職みたいに(笑)。

――赤﨑さんだったら、どんなファミリアに入りたいですか?

赤﨑:難しいですね。うーん、お金持ちのファミリアかな?(笑)。でも、お金持ちのファミリアは特にはひとくせ、ふたくせある神様が多いような気も……。なので、生活に困ることなく、のんびり暮らせるファミリアがいいですね。ヘスティア・ファミリアは明るくて神様も面白くて良いんですけど、いかんせん貧乏なんですよね。神様がアルバイトしているって、そんなことがあっていいのかなって思います(笑)。

松岡さんは、何が飛び出してくるわからない。それを受けるのが、とても楽しみです

――『ダンまちⅡ』のアフレコ現場の印象はいかがですか。

赤﨑:第1期にわたしが参加した時点で、アフレコ現場にいるキャストの人数が多い現場だったんです。アフレコブースに入りきらないくらい、たくさんの人がいる回もあったりしたんですけど、第2期になって、収録中のスタジオで、初めてタケミカヅチ・ファミリアのメンバーが揃って席に座ることができまして。その回に出番のあった間島さん(淳司。タケミカヅチ役)と、 興津さん(和幸。カシマ・桜花役)で。3人で「こういうの初めてだよね」といろいろ話をしました。「間島さん、マジ卍!」とか、今考えると、断片的な記憶しかなくて、まったく意味がわからないんですけど……。

――ベル役の松岡さんやヘスティア役の水瀬さんとの収録はいかがですか。

赤﨑:松岡さんは何が飛び出してくるわからないんです。それを受けるのが、とても楽しみですね。ベルって「かわいい系の男の子」じゃないですか。でも、その枠にとどまらないお芝居をしてくるので、意外性がありながらも説得力があって、刺激を受けます。ヘスティアは声の響きがすごくいいですよね。ヘスティアは外見がすごくかわいいじゃないですか。でも、神様というと威厳がある部分があって。(水瀬さんは)毅然とした神様のオーラを感じる部分と、かわいらしい部分をどちらもお芝居でやっていらして、素敵だなと思っています。

――気になるキャラクターやキャストはいますか?

赤﨑:もっとしゃべる声を聞きたいなと思ったのアポロンです。声を聞いているだけで、アポロンのニヤニヤしている顔が浮かぶんですよ(笑)。アポロンの巨大ファミリアがどうやってできたのか?とか、過去のアポロンのサイドストーリーを見てみたいです。あと、フリュネ(ジャミール)のインパクトがすごいです。フリュネ役の斉藤貴美子さんがテストテイクから激しくて。スタッフさんから「あまりにも個性的すぎるので、もうちょっと抑えてください(笑)」って言われていたんです。本番のテイクのときは、テストのときのフリュネらしさを残しつつ、よりすごみが増したような雰囲気でした。

――すでにオンエアされている第2期ですが、映像をご覧になってどんな印象がありますか?

赤﨑:第2期の1話に、ちょっといいシーンがありましたね。神の宴のシーンで、タケミカヅチと命がダンスするんですよ。命が顔をちょっと赤らめちゃったりして(笑)、素敵でした。極東の人でも、いわゆるダンスを踊れるんだな、というのも印象的でしたね。タケミカヅチ・ファミリアは決して裕福なファミリアではないけれど、教養としてダンスを身につけているのかもしれませんね。アイズと踊るベルに「大丈夫ですベル殿、足さえ踏まなければ、戦況は立て直せますっ」といろいろとアドバイスしているけど、命(のダンスの腕前)は大丈夫なのかなと、ちょっとドギマギしてしまいました。

――第2期でこれから楽しみにしていることがあればお聞かせください。

赤﨑:第2期ではタケミカヅチ・ファミリアの過去や、昔のタケミカヅチさまや小さいころの命も出てきます。春姫との関係なども丁寧に描かれるので、楽しんでいただけると嬉しいです。あと……温泉回があるんですよ。台本のト書きが面白くて。「見えそうで見えない〇〇」とか「完全に見えているはずなのに、見えない〇〇」とか。かなり遊びどころのある内容になっていて。なぜか無駄にはだけていたり、カメラワークで絶妙に隠れているものがあったりと、いろいろと楽しめるエピソードになると思います。

取材・文=志田英邦

『ダンまちⅡ』HPはこちら