「礒部花凜」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2019/8/30

礒部花凜"

編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。
第221回となる今回は、『Just Because!』の夏目美緒役、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の月岡恋鐘役などを演じる礒部花凜さんです。

――礒部さんは声優として活躍していますが、元をたどると2015年に歌手デビューされていますね。

礒部:そうですね。アニメに関する最初の大きなお仕事は、『Go! プリンセスプリキュア』のオープニング主題歌のボーカルでした。それから、2.5次元の舞台に出演させていただくなど、ありがたいことにアニメに関するお仕事が増えて。もともと表現すること自体が好きなので、キャラクターに声を乗せてみたいっていう気持ちが強くなって、アニメなどのオーディションを受けさせていただくようになったのが声優の始まりでした。

――歌は小さな頃から習っていたんですか?

礒部:家族に音楽関係の仕事をしている人がいるっていうわけではなくて。学生のとき、お友だちのお母さんが行けなくなった舞台のチケットをもらって、それを見て衝撃を受けてから歌を勉強するようになりました。

――それで、大阪芸術大学舞台芸術学科ミュージカルコースに進学されて。

礒部:そうですね。じつは最初、大学に行こうっていう気持ちはあんまりなかったんです。でも、このまま社会に出ても、今の自分の持っている技術だけでやっていく自信がなくて。もう少し学びたいっていう気持ちが強かったので進学を決めました。

――芸大って、行ったことがない立場からすると、どんなことを学ぶんだろうって未知の世界です。

礒部:一般の授業もあるんですよ。座学では芸事に関することが多かったですね。ミュージカルコースではありますけど、歌舞伎とか日本の伝統芸能とか、いろんなジャンルを学べたことはすごく良かったなと。やっぱり実技もあるので、バレエ、タップダンス、ジャズダンス、日本舞踊とか。

――まさに、そのままミュージカルに出られそうですね。そして大学在学中に歌手デビューを。

礒部:プリキュアのオープニング主題歌はオーディションだったんですけど、私もアニメを見ている女の子たちと一緒になって、プリキュアを応援しているつもりで歌いました。ミュージカルショーやライブに出演させていただいたときは、見ている子どもたちが「頑張れー!」って一緒になって応援してくれて。全力で声を出して、一緒に一喜一憂してくれたのが、すごく励みになったし、楽しい経験になりました。

――2017年の『Just Because!』では夏目美緒役でヒロインを。この作品が、声優として活動するきっかけになったそうですね。

礒部:はい。自分から事務所の方にお願いして、オーディションを受けた作品です。決まったときはやっぱりうれしかったですけど、まだ本格的に声のお芝居をするのは初めてで、プレッシャーはありました。特に、生身の人と対話する舞台と違って、マイクを通して相手との距離感をつかむのが難しくて、いろんな発見がありました。

――1クールがっつりとキャラクターと向き合って、新たな発見もありましたか?

礒部:折り返し地点くらいで最終話までのあらすじをいただく機会があったんですけど、私は先々までは読まないようにしていたんです。自分たちと同じで、キャラクターたちの未来も知らないほうがリアルに演じられるのかなって。もちろんキャストさんによって違いますけど、私は毎回台本とともに美緒ちゃんの気持ちを受け取って、新鮮なまま一緒に生きようと心掛けていました。舞台では本番前に何度も読み合わせをするので、アニメでそういう演じ方ができたことは新鮮で、楽しくもありましたね。

――中には、予想外の展開もあるはず。ドキドキすることもあったのでは?

礒部:それは、あまりなかったですね。逆に、その場その場の気持ちを大切にできたかなと思います。細かいテクニックは違ったとしても、言葉を交わすっていう意味では、舞台もアフレコも変わらないのかなってすごく思います。

――なるほど。2018年からは『アイドルマスター シャイニーカラーズ』で月岡恋鐘役を演じられています。このキャラクターにはどんな魅力を感じていますか?

磯部:自分の家族のルーツも恋鐘ちゃんと同じ長崎だから縁を感じたし、見た目も可愛くて、オーディションのときから一目惚れでした(笑)。出会ってから1年経って、ますます一心同体になっているというか、恋鐘ちゃんに近づけて、愛おしくて仕方がないですね。

――どんなところが愛おしい?

礒部:恋鐘ちゃんって、すごくポジティブで、普通だったら落ち込みそうなことがあっても明るく突き進める力を持っているんです。最初は自分とは違うように思えて悩むこともありましたけど、今は恋鐘ちゃんの気持ちを理解して寄り添える関係になっていて、愛おしいなと感じます。恋鐘ちゃんって、そういった強さの反面、おっちょこちょいなところもあるんです(笑)。そういうところは素直に可愛いなと思います。

――落ち込んでも明るく突き進む。礒部さんは、落ち込んだときにどうなるタイプ?

礒部:落ち込んだときに限らず、そのときの気分にあわせた音楽を聴いて、とことんその気持ちを味わうタイプかもしれないです。落ち込むってことをとことん味わったら、それに飽きて、違う気持ちになろうっていうときがくるんじゃないかと。あとは、基本的にハッピーでいたいので、明るい曲を聴いて、適当にヘンテコなダンスを踊って一人で楽しくなる!とか(笑)

――究極の方法ですね(笑)。

礒部:舞台でも、自分の演じているキャラクターが、例えば悲しい運命を選択するシーンがあったりすると、役の気持ちに飲み込まれすぎて沈んじゃうことがあって。そういうときは、自分の気持ちを認めてあげて、本とか詩集とか言葉にまみれて自分を落ち着かせたり、音楽を聴いて、泣きたくなったらブワーッと泣いたり、気持ちを開放したりします。

――それだけ役の気持ちに寄り添っているんですね。どんな音楽を聴くんですか?

礒部:ミュージカル全般でいうと、フランク・ワイルドホーンっていう作曲家さんの曲が大好きです。『ルドルフ ~ザ・ラスト・キス~』の「二人を信じて」という歌はTwitterでも歌ったものをあげたことがある、大好きな曲です。最近よく聴くのは『レディ・ベス』の「秘めた想い」っていう強い意思を歌った曲で、それを聴くと感情が揺さぶられて、自分も自分らしく、強く在りたいと思えるというか。お仕事をもっと頑張りたいっていうときは、『もってけ!セーラーふく』など学生時代からよく聴いていた、青春のアニメソングを聴いて気持ちを高ぶらせるときも多いです!

――では、最近の休日は何をすることが多いですか?

礒部:1日お休みなら、まずはお部屋の掃除とか、整頓をします。元々散らかってるわけじゃないんですけど、部屋を綺麗に保ちたいほうなので、さらに磨きます(笑)。それからお散歩をして、公園で本を読んだりとか、ちびっこたちが遊ぶのを楽しそうだなあと眺めたりとか。そういう、ぽかぽかとした穏やかな時間がすごく好きです。家にいるときはアニメを見たり、紅茶を飲んだり、リラックスしていることが多いです。

――綺麗に整頓されたお部屋、どんな感じなのか気になります。

礒部:インテリアでこだわっているとしたら、ソファにクッションをたくさん置いていることとアロマキャンドルを集めていることかな。お部屋に置くものは気持ちがパアッと明るくなるような暖かい色合いを意識してます。お部屋では筋トレをすることもありますよ。

――筋トレ!?

礒部:はい。こういう声を出したいから、そのためにはもうちょっとここを鍛えたいなとか。ロングトーンをこれくらい伸ばすにはお腹で支えたいから、これくらいの筋肉量をつけようとか。微調整的な筋トレです。

――さすがはプロ! どこかでやり方を習ったんですか?

礒部:そんな大層なものではなくて、自分の理想と体との相談なので、勝手に決めてやっています。だから毎日ストイックにやるわけでもなくて、自分のペースで。お仕事をしていると、もっとこうしたいっていう気持ちが都度都度うまれるので。じつは、けっこう腹筋もついてるんですよ(笑)。

――外見からはまったく想像できません(笑)。体を楽器にするには、筋力も体力も必要なんですね…。では今後、声優としてどんなふうに活動していきたいか教えてください。

礒部:表現することにおいて垣根を感じていないので、歌でもお芝居でも、もっとスキルを身につけて、もっともっと積極的に自分を表現していきたいです。ジャンルに関係なく、お仕事を広げていきたいなと思います。

――最後に、これからの活躍を楽しみにしている読者の方にメッセージを。

礒部:舞台を見てファンになってくださった方もいれば、声優の私に注目してくださった方もいて、いろんなお仕事をすることに戸惑っている方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、自分の軸になっているお仕事に対する大切な想いは、何をするにしても変わらないものだと思っています。「表現する」ことをしっかりとやっていけるように、一歩一歩経験を積み上げていきたいと思いますので、とても欲張りなことを言っているとは思いますが、全部ひっくるめて礒部花凜を知っていただけたらうれしいです。

【声優図鑑】礒部花凜さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

礒部花凜

礒部花凜(いそべ・かりん)アミューズ所属

礒部花凜(いそべ・かりん)Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=吉田有希、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト