「貧血」を放置してしまっていませんか? 知っておきたい貧血のこと

健康・美容

2019/10/25

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

 貧血は、血液の中で酸素を運ぶ役割をしている赤血球が何らかの形でうまく機能しなくなった状態のことを言います。多いのが赤血球の数が少なかったり色素が薄かったりするパターンですが、赤血球は十分にあるのに機能が壊れた赤血球が作られてしまうために貧血になってしまうこともあります。貧血そのものは、日常診療の中でも比較的よく遭遇する病気ですが、患者様の中にはあまり重要な異常ではないと、軽く見てしまっている方も少なくないようです。

 中には毎年健診で貧血を指摘されていても、「いつものことだから」と放置してしまっている方もいらっしゃいます。軽度の貧血なら多少放置しても問題ありませんが、貧血も重症になれば入院や輸血が必要になったり、心臓に負担がかかりすぎれば命に関わることもあります。

 貧血の主な自覚症状は、立ちくらみ・動悸・息切れ・疲れやすい・だるいなどですが、過多月経や痔などでゆっくりと貧血が進行した場合は、かなり貧血がひどくなるまでこういった症状が出ないこともあります。少しずつ血液を失っていった場合、じわじわと貧血になっていくので、体が酸素不足の状態にゆっくり慣れていってしまい、通常であれば動悸や息切れが起きてもおかしくない状態でもあまり症状が出ないことがあるのです。

 貧血の症状の中で、マイナーではありますが特徴的な症状に「氷を食べたくなる」というものがあります。鉄欠乏状態の時に出現する症状ですが、詳しい機序は分かっていません。

 貧血の中でも一般的に多いのは鉄欠乏性貧血です。赤血球の材料になる鉄が不足するために、赤血球がうまく作れず貧血になってしまうものです。鉄欠乏性貧血の治療は、足りない鉄分を補うしかありません。軽度なら食事改善やサプリメントによる鉄分の補給で対応できますが、貧血の程度によっては鉄剤の服用や注射が必要になります。

 鉄が不足する原因は、鉄分の摂取不足や吸収障害と出血などによる鉄分の過剰な喪失です。女性が男性に比べて貧血になりやすいのは、食事の内容的に鉄分が不足しやすいのと、毎月月経で血液を失うためです。

 食事の偏りのせいで貧血になっている場合、鉄分そのものが不足している場合もあれば、鉄分をうまく利用するために必要なビタミンが不足している場合もあります。いずれも、食事だけで十分な摂取が難しい場合は、サプリメントで補う必要があります。特にストレスフルな生活をしている人は、ビタミンCが不足しがちなので、鉄分だけでなくビタミンCも一緒に補った方がよいでしょう。鉄分を多く含む食品としてレバーが有名ですが、無理にレバーをたくさん食べる必要はありません。赤みの肉や魚でも鉄分は摂れますので、緑黄色野菜と組み合わせてバランスよく摂るようにしましょう。

 月経量が多かったり、月経期間が長いせいで貧血になってしまう場合、鉄剤で貧血の治療を行うだけでは不十分なことがあります。鉄剤を服用しても貧血が十分に改善しなかったり、鉄剤を服用し続けなければ貧血になってしまう場合は、月経量をコントロールする必要があります。月経量が増える原因として、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気が隠れている可能性がありますので、常に貧血傾向という方は一度は婦人科で検査を受けた方がいいでしょう。