『ダ・ヴィンチ』特集「ご存知、“CREATIVE OFFICE CUE”って こんなにすごい!」番外編 オクラホマインタビュー

エンタメ

2019/11/6

左から藤尾仁志、河野真也。壁の絵は藤尾さんによるもの。

 ダ・ヴィンチ本誌12月号「水曜どうでしょう特集」にもご登場いただいたお笑いコンビオクラホマ。北海道を拠点に活躍するお二人に、コンビ結成のエピソードやこれまでの軌跡など、本誌で紹介しきれなかったこぼれネタをたっぷりと紹介!

「『水曜どうでしょう』に衝撃を受けて、お笑いを目指しました」(藤尾)
「トークスキルは鈴井さんや大泉さんの姿を見て学びました」(河野)

――お二人は関西出身で、大学進学を機に北海道に来て、そこで出会います。そもそものお話になりますが、なぜ北海道の大学を選ばれたのでしょう?

河野:関西にいた頃、テレビの旅番組で北海道を見て、「こういう地平線が見える景色のある場所に住みたいなぁ」と思ったんです。理由は本当にそれだけで(笑)、学部などをいろいろと調べた結果、札幌にある北海道大学に行こうと決めました。同級生はみんな東大か京大を目指してる中、北海道大学を選んだのは僕ぐらいだったので、相当異質だったと思います(笑)。

藤尾:僕もちょっと似ているかもしれないです。ずっと研究者になりたくて、バイオテクノロジーの勉強をしたかったんです。それで、全国の大学の資料を取り寄せて見ていたら、北海道大学の校舎が本当にきれいで、ここなら夢のようなキャンパスライフが送れるなと思って。結局、志望する学部には入れず、かといって浪人するのも嫌だったので、函館にある水産学部に入ったんですけどね(笑)。

――そして在学中に「オクラホマ」を結成。最初に声をかけたのはどちらだったんですか?

河野:藤尾からです。僕は北海道に住むことが目的だったので、生活を満喫していたんです。ただ、藤尾はそうでもなかったようで……。

藤尾:夢に描いていたキャンパスライフと現実にギャップがあって。それで、少し家にいがちな人間になっちゃっていたんですよね。

河野:言葉を選んだなぁ(笑)。

藤尾:ただ、そんなときに、テレビで放送していた『水曜どうでしょう』に出会い、衝撃を受けて。さらに河野に誘われてバラエティー番組に出演したことがきっかけで、「お笑いをやりたい!」と思うようになりました。

河野:最初は手紙をもらったんです。そこには、《北海道にはバラエデー番組が少ない。お前とバラエデー番組がやりたい》って書いてあって。こいつ、“バラエティー”のことをずっと“バラエデー”だと思っていたんですよ。バカでしょ?(笑)

藤尾:違う、違う。“バラエティー”っていう言葉を知らなくて、“バラエデー”が正しいと思っていたの。だから勘違いであって、決してバカではない(笑)。

河野:でも、《小さい頃》っていう言葉も、漢字が《小さい傾》になってたで?(笑)

藤尾:……まぁ、そうだけど、あとで、間違いだと気づいたし、俺が言いたいことは伝わってるからいいんだよ(笑)。

河野:確かに伝わることは伝わるけど、こっちとしては不安ですよ。こんなやつとコンビを組んで大丈夫なはずがないと思って。ただ、ちょうどその頃は大学の勉強のほうも落ち着いていたこともあって、2年間だけならいいかなと思って、それでやることにしました。

――藤尾さんが河野さんに声をかけたのは、それだけ笑いのセンスに魅力があったからということですか?

藤尾:というよりも、河野は僕と違って友だちも多いし、社交的で、キャラも立っていたんです。

河野:当時の僕はアフロでしたからね(笑)。

藤尾:テレビ局でバイトをしていた友だちもいたし、そんな河野がテレビに出るようになれば、それにくっついて僕も出たりできるかなって。まぁ、完全に他力本願ですね(笑)。

河野:ははははははは! ホント、何も考えてないんですよ、藤尾は(笑)。

藤尾:それに、僕は子どもの頃からバラエティー番組というものを一切見たことがなくって。だから、お笑いをするための武器も材料もなく、それでも「テレビに出たい!」という思いは人一倍ありました。その結果、「よし、河野に頑張ってもらおう」という結論に達したんです(笑)。

河野:そこに邪気がないのが藤尾のいいところなんですよね。

――そうして「オクラホマ」としてコンビを組んで20年。いまや北海道ではお二人をテレビで見ない日はないほどです。

藤尾:本当にありがたいと思っています。

河野:僕らの経歴を知らない北海道の方たちは、道産子だと思っていらっしゃる方も多くて。たまにコテコテの関西弁が出たりすると、“芸人だからエセ関西弁を使ってる”って思われたりするんですよ(笑)。めっちゃネイティブなんですけど(笑)。

藤尾:それだけ受け入れていただけてるということでもあるので、嬉しいですけどね。ただ、自分たちがここまでやれていることに、僕たち自身が一番驚いてます。はじめた頃はまさか20年も続くとは思っていませんでしたから。

河野:理由のひとつに、番組や作品に恵まれているなというのがあります。最初にいただいた大きな番組が『おにぎりあたためますか』(HTB)で、これが17年目になります。それに、夕方の『イチオシ!』(HTB)が15年目、朝の情報番組『イチモニ!』(HTB)も8年目と、長く続く人気番組に出させていただいているんです。

――そうしたタレントとしてのスキルはどのように磨いていかれたのでしょう?

河野:僕らにはお笑い芸人の先輩という存在がいなかったので、鈴井(貴之)さんや大泉(洋)さんと番組を一緒にやらせていただく中でトーク力を磨いていきました。これはお二人が北海道のバラエティー番組に出るときだけなのかもしれませんが、二人とも台本に書かれているとおりにはまずやらないんですよね(笑)。それをずっと近くで見てきたので、(台本通りに)やっちゃいけないものだと思ってしまって(笑)。

藤尾:やっちゃいけないってことは絶対ないけどね(笑)。

河野:ようは予定調和を嫌うんです。だから、リハーサルとかもあまり真剣にやらない。

藤尾:語弊があるかもしれませんが、決してやる気がないとか、面倒くさがっているわけではないんです。

河野:そう。何事も一発目に生まれるものが一番鮮度が高いし、パワーもある。だから、その最初の一撃を大事にしているんですよね。これを知ったときは「なるほどな」と思いました。

――そして結成から20周年の今年、札幌を皮切りに大阪、東京でアニバーサリーライブが開催されます。

河野:コンビ結成前、最初に藤尾から誤字脱字だらけの手紙をもらったときは、“こいつと一緒に何かするのは危険過ぎる”と思って無視していたんですが(笑)、あるとき藤尾が函館からわざわざ車でやってきて、札幌の旭山記念公園の展望台でまわりがカップルだらけの中、再び口説かれたんです。それがライブのタイトルにもなっている《この灯りのついた家々に、俺らで笑いの渦、巻き起こそうぜ》という言葉で。

藤尾:その言葉も、最初は無視されました(笑)。

河野:“何いってんだ!?”と思って、聞こえないフリをしてたらもう一回、言ってきたんですよ(笑)。で、僕も戸惑って、「う、う〜ん……」って考え込んでいたら、その吐息のような言葉をOKだと受け取られて、「ありがとう」って言われて(笑)。

藤尾:あれから20年。流されてばかりの僕たちですが、それなりに技術も上がっていますので、その成長を見ていただきたいと思います。

河野:それと、かつて誰一人笑わなくて、鈴井さんからクビを宣告された、ある意味で伝説のコントも披露する予定ですので、これもどうなるか……という感じです。

――それはとても興味深いです。今度こそウケるといいですね。

河野:いや、このネタに関してはスベったときのものをそのまま再現しようと思っていますから(笑)。

藤尾:下手にテクニックを出して、笑わせにいこうとしたら、それは僕らにとって失敗なんです(笑)。

河野:うっかりウケようものなら、あとで楽屋で反省会ですね(笑)。

取材・文:倉田モトキ 写真:山口宏之

オクラホマ20th Th¬anks Tour 『笑いの渦、巻き起こそうぜ』
1999年、旭山記念公園で藤尾が河野に放った、 「この灯のついた家々に、俺らで笑いの渦、巻き起こそうぜ」の言葉。あれから20 年、2人 の秘蔵コントやVTRとともに、これまでの歴史 と“今”をすべてさらけ出す待望のアニバーサリーライブ。

出演:オクラホマ(藤尾仁志、河野真也)
【札幌公演】11月2日(土)~3日(日) 会場:cube garden
【大阪公演】11月9日(土) 17:00 会場:YES THEATER
【東京公演】11月23日(土)~24日(日) 会場:草月ホール

オクラホマ
おくらほま●北海道大学在学中に、河野真也(ツッコミ担当)と藤尾仁志(ボケ担当)で1999年に結成。現在、情報番組『イチモニ!』『イチオシ!!』(ともにHTB)にレポーター、コメンテーターとして出演。また、レギュラー番組に『おにぎりあたためますか』(HTB)などがある。