『ダンまち インフィニト・コンバーテ』プレイ体験記&インタビュー①:松岡禎丞(ベル・クラネル役)編

マンガ・アニメ

2019/11/16

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか インフィニト・ コンバーテ』 
11月28日発売
PlayStation®4/PlayStation®Vita/Nintendo Switch™/ Windows(DMMにてダウンロード版のみ発売)
(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/ソード・オラトリア製作委員会 (C)MAGES

 11月28日に発売されるゲーム、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか インフィニト・ コンバーテ』(以下、『ダンまちIC』)。原作・TVアニメの物語を序盤から追体験できるメインストーリー、ダンジョン探索と緊張感を伴ったバトル、そして『ダンまち』最大の魅力でもあるキャラクターたちとのたくさんの会話劇――『ダンまち』のファンはもちろん、さまざまなプレイヤーにとって楽しめる要素が詰まった1本になっている。今回の特集では、本作に出演しているメインキャスト、ベル役・松岡禎丞、ヘスティア役・水瀬いのり、アイズ役・大西沙織の3名にインタビュー。実際に『ダンまちIC』を体験してもらいつつ、2020年7月からTVアニメ3期の放送が発表された『ダンまち』への想いを、たっぷりと語ってもらった。第1弾は、松岡禎丞が登場。熱い芝居で『ダンまち』を牽引する彼は、『ダンまちIC』をどう見たのか――?

ゲームの収録をするとき、頭の中に3Dのような空間があって。距離感はほんとに大事

――『インフィニト・コンバーテ』を実際にプレイしてみて、どんな印象がありましたか?

松岡:ストレートに言わせていただくと、これはやめどきがわからなくなるタイプのゲームですね(笑)。今、ひとつ区切りを置ける感じのゲームは世の中にあふれてると思うんですけど、このゲームの場合をやっていくと、小説を読んでるかのように、「次の展開はどうなっていくんだろう」って気になってしまうので、寝不足必至のやつだな、と思います。リアルタイムのバトルは、操作していて面白いです。あとは、小さい画面でプレイしたときと、家でデッカい画面でプレイしたときとで、かなり印象が違って思える作品なのかなって思いました。

――確かに、大きな画面でプレイすると、ビジュアル的な満足度は相当高いゲームですよね。

松岡:そうですね。シナリオも原作やアニメーションの時系列に沿って作られているので、没入感があると思います。これは、始めたらたぶん最後まで延々やっちゃうでしょうね(笑)。

――(笑)メインのストーリーだけでなく、『ダンまち』を知る人ならみんなが楽しめそうな要素もたくさん収録されてますからね。

松岡:そこが、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のゲームならではの楽しみ方ですよね。時系列としては一直線だけど、たとえばアニメーションで描かれていないところでこんなことがあったのか、みたいなことが感じられるのも楽しいと思います。

――いちプレイヤーとして見たときに、特に楽しみな部分はどこですか?

松岡:やっぱり、強敵との戦いですね。1からどんどんスキルやステータスを上げていって、しかもそのステータスも、いろんなパターンで育成が可能と聞きました。さっき、ボス戦もやらせていただいたんですけど、これはかなり手に汗握るバトルになるんだろうなあって思いますね。今日はかなり強キャラの状態でプレイさせていただいたんですけど、その状態でもだいぶ大変だったので(笑)、接戦になるんじゃないかなって思います。攻撃をかわしたり、敵のモーションを覚えたりすることも大事になってくるでしょうね。

――『ダンまちIC』の収録でTVアニメ1期にあたる物語を追体験してみて、改めて発見したこと、新たな気づきはありましたか?

松岡:やっぱり、最初の頃のベルは青かったなって思いますね。物語の中で、精神的に成熟していきますけど。最初の頃のベルって、常にまっすぐだし、自分のことも神様のことも考えつつ、ある意味能天気なところも垣間見えたりするんです。TVアニメの2期や劇場版の『オリオンの矢』を経て、精神的に成長したなって、改めて思います。だって彼は、まだ14歳なんですよ。14歳にしては、かなりえげつない人生経験をしてますから(笑)。

――(笑)確かに。

松岡:初期のベルは、憧れが行動の一番の原動力になっていて。今は、さらにその先に進んでいるし、ファミリアの団長にもなったじゃないですか。自分が行動を起こすことによって、ファミリアの家族に影響を与えるかもしれない、ということも考えるようになってきた。だから、ベルが20歳を超えたらどうなるんだろうって思ったりします。「お前、成熟し過ぎだろ」みたいな(笑)。

――ゲーム収録で、印象的なシーンやセリフはありましたか。

松岡:迷子の犬の話があるんですけど、そのエピソードは強く印象に残ってます。アイズさんが、なぜか犬にベルと名前をつけるっていう。アイズさんはベルにとって憧れの女性で、近づきたいって思ってる女性にこんなかわいらしい一面もあるんだなって気づく、というか。ベルとアイズさんは、戦いで鍛えてもらうシーンはありますけど、共同作業をすることはあまりなかったので、そこは印象深かったですね。

――『ダンまち』のアニメの収録における熱量は、いろんなキャストさんがお話してくれてますけど、ゲームは基本ひとりで収録するものじゃないですか。特に松岡さんの場合、セリフの物量もすごいわけですよね。『ダンまち』のゲーム収録の楽しさと難しさって、どういうところにあると思いますか。

松岡:楽しさは、尺の制限がないので、ある意味自由にやれるところですね。難しい面は、やっぱり相手のセリフがどうくるのかがわからないことです。ただ、やっぱりこれは信頼関係でもあると思うんですけど、水瀬(いのり。ヘスティア役)さんや細谷(佳正。ヴェルフ・クロッゾ役)さん、大西(沙織。アイズ・ヴァレンシュタイン役)とは、TVアニメを1クールやっていたので。その延長線上で相手のセリフが脳内再生できるんですよ。まったく知らない方だったらどうなるんだろう?とは思うんですけど、『ダンまち』に限って言えば、相手がどうくるのかは想像できてますね。

 ゲームの収録をするときって、頭の中に3Dのような空間があって。実際にどういう情景で、どういう場所で、どこに誰がいて、距離感はどうなのかっていう。ある意味、自分の理想の想像図みたいなものを持ちつつ、収録してます。その中でも、距離感はほんとに大事だなって思いますね。

――なるほど。ちょっとしたセリフを言うだけの収録ならまだしも、ベルの場合はセリフの量が膨大じゃないですか。それでも常に、3D空間が稼働しているんですか。

松岡:ええ。まあ、ある意味慣れみたいなところもありますけどね。声優をずっとやってきたからこそ、そこは同時進行でいけます。ただ、終わったあと、すっごく頭は疲れてます(笑)。

――(笑)それこそ松岡さんはたくさんの作品に出演してきたわけですけど、その中でも『ダンまち』はその3D空間をイメージしやすかったりするんですか?

松岡:それは、ほんとにそう思います、やっぱり、知らない方がいないので。ベル、アイズ、ヘスティア3人の空気感もあるし、人間関係を加味しても、『ダンまち』はやりやすいですね。

――『ダンまちIC』の楽しいポイントとして、メインストーリーとは別に、他のキャラクターとの添い寝、温泉、デートといったコンテンツが収録されていて。それこそ『ダンまち』のキャラクターを知ってるほど楽しめる内容になってますけど、これらのシーンの収録を通してベルの新たな一面を知るような感覚もあったりしましたか?

松岡:それがですね……ベルは、ほんとに一途なんですよ。変わらないんです。

――変わらなすぎることを知る、というか。

松岡:ええ。だからこそあのスキル(【憧憬一途】リアリス・フレーゼ)が発現したのかなって思うんですけど、その名に恥じない一途さですね。裏を返せば、もんのすごい鈍感なんです。だから、添い寝をしていても、ベルは対応が基本変わらないんですよね。ドギマギするところはあるんですけど、でも、やっぱり最終的に、ベルが求めるのはアイズさんなんだなっていうことがわかって――TVアニメの2期は、ヘスティアがちょっとかわいそうでしたからね(笑)。「えっ? 断りますけど」とか――あのリリですら、神様のことをかわいそうに思ってましたから(笑)。

長くやらせていただいてることもあって、マイクの前に立ったらすぐにベルになれる

――TVアニメ2期を振り返ってみて、どんな収録だったと感じていますか。

松岡:正直、新しいキャラクターが増えたので、最初は手こずるかなって思ってたんですけど、ふたを開けてみたらあっという間でした。良太(逢坂良太。アポロン役)も変態だったし、KENNさん(ヒュアキントス役)も変態だったし(笑)。千菅(春香)さんの春姫も、すごくよかったですね。収録で一番楽しかったのは、アイシャとの戦いで。渡辺(明乃)さんは、テストから全開で来てくださるので、ベルとしても思いっ切りやっていくんですけど、なんとなくアイシャのほうが上なんだろうなって感じるんですよ。全開でがむしゃらに戦うけど、どこかで「こいつ負けるんじゃないか?」っていうニュアンスが拭えない。だから、「どうやっても勝てないかもしれないけど、ここで勝たなきゃもう春姫さんは死んでしまう!」っていう緊迫感があって、大変ではありましたけど、ものすごく楽しかったですね。渡辺さんにも、テストが終わったときに「松岡くん、大変だねえ」って言われたんですけど、「僕的には、めっちゃ楽しいっす」って言わせていただいて。

――TVアニメ2期の特集のインタビューで、「やるなら悔いは残したくない」「全力でテストからやろうと思っている」という話をされてましたけど、2期の中で特にそれが実践できたと感じているシーンって、どこになりますか?

松岡:やっぱり、春姫に問うシーンですかね。「自分で決めつけるなよ」っていう。実際の自分たちにも置き換えられる話なんですよね。「本当のあなたは何を思ってるの?」っていう。やっぱり腹を割って話さないと、演者同士でもわからない部分はたくさんあって。だからあのシーンは、ベルの言葉でありつつ、自分からのメッセージでもある、みたいな感じはありました。それが如実に出たシーンだったので、印象に残ってますね。あまりに感情が乗りすぎて、一瞬「あれ? まずい、これ、自分じゃない?」って思いました(笑)。

――そして、2期が無事終了すると同時に3期も発表されたわけですけど、近いタイミングで次の『ダンまち』の収録に臨めることについては、どう感じていますか。

松岡:もう、みんなで突き進むのみですね。今までと同じように、この『ダンまち』の演者陣で、さらに高まっていきたいです。2期はファミリア関係の抗争とか、春姫、イシュタル・ファミリアの話だったんですけど、次はダンジョンが主体になってくると思いますし。

――これまでも長く向き合い続けてきたベルくんは、松岡さんにとってはどういう存在なんですか。

松岡:ベルとずっと一緒に過ごしてきたことで、やっぱりベルから受ける刺激はたくさんあるんです。それがいろんな現場にも活かせてます。頑張ってるひとりの少年としてのベルを見ていると、ベルっていう人間を表現するにあたって、「どういう穴を掘っていけばいいんだろう?」って考えるときがあるんですよ。ダンジョンだと、下の階層に潜っていくじゃないですか。で、自分が思うベルと、ベルが実際に思っている感情の差異をなくしたいと思うんですけど、そうするとやっぱり引き出すのは己の感情になってくるんですよね。それでもベルという人間になるにはどうすればいいのかを考えながらずっとやってきたんですけど、あるときから、役に入ったらベルを自然に演じられるようになっていました。ここまで長くやってると、一心同体のようになれるんだなあって感じて、不思議な感情がありますね。

――それは何か大きなきっかけがあったというよりは、グラデーションのようにベルくんとひとつになれた、という感じなんですか?

松岡:ええ。やっぱり、演者として突き詰めていくことは止められないけど、自分だけ先に行ってもダメだなって思うんですよ。「自分だったらもうちょっとこういうことができる」って思っても、そこまで行くとベルじゃないっていう部分もある。いろんな役を演じさせていただいていると、役ごとの間(ま)の取り方であったり、しゃべり方であったり、呼吸って、全然違うんですね。その上で、ベルは長くやらせていただいてることもあって、マイクの前に立ったらすぐにベルになれるっていうラインに来られてます。だから「あれ? どうだったっけ?」みたいな感じにはならないだろうなって思います。

水瀬さんには、「別にもうタメ語でもいいですよ」って言いたいです……あっ、いや、ダメだ。まだ敬語でいてほしい感じがします(笑)

――今回の特集では、水瀬さんと大西さんにも登場してもらうんですけど、それぞれにメッセージをいただきたいな、と思ってまして。まず、アイズ役の大西さんに伝えたいことはなんですか?

松岡:そうですね……まあ、過去の出来事を掘り返すようで大西には申し訳ないんですけど、「なんでアイズなの?」って、もう一度大西に伝えたいです(笑)。

――(笑)どういうことですか?

松岡:TVアニメ1期のオーディオコメンタリーを大西とやったことがあったんですけど、僕個人はヘスティア派なんですよ。で、「近くにこんなにいい子がいるのに、なんでベルはアイズなの」って言ったら、大西が「ひど~い!」って言って(笑)、ガチヘコみする、みたいなことがあったんですね。でも、あえてまた言いますけど、「なんでアイズなの?」(笑)。しかも2期では、さらに春姫という正妻ヒロインみたいなポジションが出てきて、アニメーションで観たときに、「春姫、ほんといいなあ」って思ってしまったんです。その上で、「なんでアイズなの?」「いいじゃん、春姫で」「いいじゃん、ヘスティアで」って言いたいですね。これを言うと、絶対に大西はキレると思います(笑)。

――(笑)ヘスティア役の水瀬さんは、以前のインタビューでも松岡さんを尊敬していると公言していたわけですけど――。

松岡:ほんとですかあ?

――(笑)「お芝居の場でお会いできてよかった」って言ってましたよ。

松岡:そう言っていただけると、ありがたいですね。水瀬さんに言いたいことがあるとすれば、「別にもうタメ語でもいいですよ」ですかね。1回、面白いことがあって。他の作品で、水瀬さんがめっちゃ自分にツッコんできた現場があったんですよ。それを見た音響監督の明田川仁さんが、「水瀬くんもそんなことを言うようになったんだねえ」みたいな話をして、盛り上がったことがあったんです。だからもう、別にダメ語でも……あっ、いや、ダメだ。水瀬さんには、まだ敬語でいてほしい感じがします(笑)。すっごい固かった1期の頃と比べると、今はいい意味ですごくフランクになったと思うので、そのままでいてくださいって思います。水瀬さんに「松岡」とか言われたら、ちょっとヘコむかもしれない(笑)。

――(笑)では最後に、この『インフィニト・コンバーテ』をプレイする『ダンまち』ファンの方、TVアニメ3期を心待ちにしている皆さんに、メッセージをお願いします。

松岡:この作品は、最初にお話したように、やめどきがわからなくなるようなゲームに仕上がっているので、適度に休憩を取りながらプレイしてください(笑)。基本的には、原作の時系列をなぞっていくお話なんですけど、物語の間に何があったのかもちゃんと描かれていますし、楽しくダンジョンに潜って強敵と戦って、自分なりのベルくんを育てることもできます。さらにクリアしただけでは終わらない、その後が本番だ、みたいなところもあって――『インフィニト・コンバーテ』、無限の戦いということなので、皆さんに楽しんでいただけたらな、と思います。

取材・文=清水大輔

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