キボウカンパニーへようこそ! アニメ『シャチバト!』を語る②――市ノ瀬加那(ユトリア役)×和氣あず未(アカリ役)インタビュー

マンガ・アニメ

2020/4/13

『社長、バトルの時間です!』 AT-X、TOKYO MXほかにて毎週日曜放送中 (C)KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会

 現在放送中のTVアニメ『社長、バトルの時間です!』(以下、『シャチバト!』)。荒廃が続いていた世界に、巨大な「門」が出現。その「門」の中に、世界を維持する奇跡のエネルギー「キラクリ」を発見した人々の中から、「キラクリ」を採取するトレジャーハンターが登場し、それぞれの組織が「会社」として「門」のダンジョンに挑んでいく――これが、『シャチバト!』の世界のあらまし。物語は、先代が行方をくらましてしまったことで、突如主人公のミナトが「キボウカンパニー」の次期社長に指名されるところから始まる。「異世界もの」でありつつ、冒険者が「会社」に所属するというツイストを加えた『シャチバト!』は、キャラクター同士が織り成す会話劇がとにかく楽しいアニメーションだ。その面白さを、キャスト・スタッフへのインタビューを通して、紹介していきたい。

 第2弾は、主人公・ミナトの幼馴染みで、社長秘書を務めるユトリア役・市ノ瀬加那、キボウカンパニーの先頭で戦うアカリ役・和氣あず未のふたりに、『シャチバト!』の魅力と、それぞれが担当するオープニング/エンディング主題歌について、話を聞いてみた。

アカリはライバーに対してウザいと思っているけど、わたし自身はライバーの大ファンです(笑)(和氣)

――『シャチバト!』は、もともとゲームの収録が最初で、おふたりはゲームから引き続きTVアニメに参加することになったんですよね。『シャチバト!』という作品には、どんな印象を持っていますか?

市ノ瀬:ちょっと特殊ですよね。

和氣:社長がバンバン戦うんじゃなくて、まわりに指示をするタイプで。

市ノ瀬:そう、判子を捺す係(笑)。

和氣:(笑)それが不思議な感覚でした。今までにないゲームだなって。

市ノ瀬:新しいですよね。でも、非常に頭脳戦な感じがしました。アカリを筆頭に戦っていくけど、ユトリアはサポート役で、社長は指示する役で。

和氣:それぞれの役割が決まっていたりするんですけど、アカリはズバズバ行くタイプです。

市ノ瀬:でも、ちゃんとまわりのことは見ていて、アカリさんがいるからチームに活気があるのかな、と思ってます。

和氣:確かに。盛り上げ役かもしれない。

市ノ瀬:異世界ものだけど、非常に現実味を帯びたところもあって。

和氣:そうなんですよね。用語も、今の社会でよく使われるような用語があったり。

市ノ瀬:「ブラック企業」とか(笑)。

和氣:(笑)そういうリアル感があって、働いてる人にとってはよく聞くような言葉もたくさん出てくるので、ファンタジーなのに現実的なところもある印象の作品です。

市ノ瀬:だからこそ、楽しく見られるというか。これでリアルな世界観だと、観ている人の気持ちもズーンってなっちゃうかもしれないですけど(笑)。ファンタジーの中で、コミカルに楽しく描いているから、たとえば会社に対して「大変だあ」「頑張ろう」って思ってる人にも共感してもらえるのかなって。

和氣:確かにそうですね。違う会社同士で争ったりはしているけど、この作品ではそこも面白く描かれているな、と思います。

――2話で、キボウカンパニーはお金がない、という困難に状況に直面するじゃないですか。一見、描写は軽めに見えるけど、けっこうシリアスにお金がないですよね(笑)。

市ノ瀬:(笑)そうですね。

和氣:ガチでないです(笑)。

市ノ瀬:お金がないシーンの現実味が、アニメになってより出てきたので、ユトリアは秘書として管理しなきゃいけない立ち位置だから、よりシビアにお金のことをしっかり見てる感じがします。金銭面に関しては、人一倍表情がコロコロ変わるので(笑)。

和氣:(笑)お金に対しての表情変わりが、すごく面白いです。ガイドさん(CV:堀江由衣)もしっかりしてるイメージがあるんですけど、お金の話になるとユトリアが一番キラキラしてるなあって。アカリちゃんは、アニメではけっこうツッコミ系に回ってるなあって感じます。そこは、ゲームからアニメになって印象が変わりました。そのツッコミも、ズバズバツッコむだけじゃなくて、特にライバーに対しては引いた感じでツッコんでみたり、アニメでは違う一面が見られました。

市ノ瀬:ライバーって、ゲームではここまでコミカルなキャラクターではなかったですよね。だからこそ、アカリとライバーのやり取りがすごく楽しくて。

和氣:そう、面白くなってるよね。

市ノ瀬:あと、マコト(アカリの弟)に対してのアカリのセリフがすごくて。マコトが危険な目に遭いそうなシーンで、叱るセリフが好きでした。「あっ、お姉ちゃん!」って(笑)。

和氣:(笑)ユトリアのシーンは、ミナトとの掛け合いが好きです。「お互いがどう思ってるんだろうな」って、やっぱり気になっちゃう。

市ノ瀬:きっと、互いに好意はあるけど、まだ気づいてないのかなって思います。もどかしさがありますよね。

和氣:そう。お互いが鈍感そうな気がしていて。ミナトのセリフにユトリアが照れちゃったり、ユトリアのセリフにミナトが照れたり。観てる側も、もどかしい感じの距離感で。

市ノ瀬:距離感が、絶妙です。どうなるんだろう? くっついてほしいけど、そのままな距離感も好きだなって思います。あと、ライバーとアカリもどうなるか。

和氣:そうなんですよ。ライバーさんは、最初に登場したとき、もっとまともな人かと思ってた(笑)。収録を重ねるごとに、だんだんヤバい部分が見えてきました。

市ノ瀬:キャラの路線が面白い(笑)。八代(拓)さん(ライバー役)が、いろんな引き出しをいろんなところから出してくれてます(笑)。

和氣:(笑)毎回、ライバーのセリフが楽しみで。アカリはライバーに対してウザいとか、かまわないでって思っているんですけど、わたし自身は、ライバーの大ファンです(笑)。

市ノ瀬:わたしもです(笑)。

和氣:みんな大好き、ライバーさん。

市ノ瀬:毎回、八代さんのアドリブで笑いをこらえるのがほんとに大変です(笑)。

――(笑)ご自身が演じてるキャラ以外で、密かに推してるキャラを聞こうと思ってたんですけど、ライバーで決定ですかね。

和氣:ライバー、大好きですね~。

市ノ瀬:素敵。でも、ガイドさんもいいですよね。なんか底知れぬところがあって。

和氣:そう。ずっとニコニコしていて、逆に怖い(笑)。

市ノ瀬:怖いですよね(笑)。表情変化をしたシーン、今までありましたっけ? 取り乱したりとか。

和氣:いや、全然なかった気がします。

市ノ瀬:ちゃんと「ガイドさんというくくりの中」に、収まっている感じがしていいて。

和氣:そう、収まってるので、引き出してみたいです。

市ノ瀬:そうですね。ガイドさんのいろんな表情を見てみたいです。

キボウカンパニーの中でしゃべっているシーンは、演じていてすごく楽しい(市ノ瀬)

――おふたりが演じるユトリアとアカリについて、最初の印象から徐々にキャラクターを広げていくところもあったんじゃないか、と思います。たとえばユトリアは、1話、2話あたりの序盤は、だいぶ秘書の役回りに徹してる感じもありますけど。

市ノ瀬:そうなんです。最初はサポート的な感じなので、やんわり系の子なのかなあ、と思っていたら、やることはバシッとやる子で。金銭面に関することは、特にシビアです。この現場では、「コミカルにやっていいですよ」って言われてるんですけど、わたし自身は今までコミカルな作品にあまり出たことがなかったので、ユトリアをどこまでコミカルにやっていいんだろうって、けっこう模索していて。でも、皆さんがいろんなものを出してくださるので、現場は楽しいです。「ここまで言っていいんだ?」とか。

和氣:ユトリアのキャラクターって、王道の幼馴染みという感じなので、コミカルにするのはけっこう難しそうだなって思います。

市ノ瀬:そうなんですよ。でも、表情も意外と崩してきたりしていて(笑)。「こういう表情もするんだ?」みたいな。

和氣:アカリちゃんは、ミナトと出会ったときはけっこう冷たいイメージでした。人を信用していないわけではないんですけど、けっこうズバズバ言っちゃう子なので。なので、冷たい子に見えがちではあるんですけど、(2話で)ライバーさんからキボウカンパニーを馬鹿にされたときに、誰よりも感情的になって、「家族なんだから」って言うんですよね。そのときに、家族感をすごく大切にしているキャラクターなんだなあ、と思って。だからこそ、アカリちゃんはほんとにこのチームが大好きなんだなって、早い段階でわかったので、ツンツンしてるように見えつつ、その中にも愛情を入れるような、仲がいいからこそ冷たく見える言葉もかけちゃうんだろうなっていう部分を大事にしながら、お芝居をしてます。

市ノ瀬:いやあ~、あそこでアカリが「家族なんだから」って言ってくれたのがよかったです。「アカリが言ってくれるんだ!」みたいな。

和氣:そう。ユトリアが言いそうなセリフだけど、アカリもそう思ってるんだなって。

市ノ瀬:普段なら恥ずかしがって言ってくれないけど、しっかり心の底では思ってくれてることがわかるシーンですね。

――収録で、キボウカンパニーの同僚のキャラクターと会話をするとき、どんなことを心がけてますか。

和氣:会社なので、仕事の関係ではあるんですけど、日常感というか、クラスメイトと話してるような感覚を大切にしてます。特にアカリは、誰かに対して敬語を使うようなキャラクターではないし、ほんとにラフに話せるメンバーなんだろうなあって思うので、ラフに日常会話的な感じで話してます。

市ノ瀬:心が打ち解けてる中だからこそできる空気感をしっかり出せたらいいなあって思って、やらせていただいてます。彼らが生き生きとしている、キボウカンパニーの中でしゃべっているシーンは、わたしも演じていてすごく楽しいです。

――お互いのお芝居を見ていて、「いいなあ」と思ったシーンはありますか。

和氣:すごく器用だなって思うんですよ。

市ノ瀬:ええっ、器用じゃないですよ(笑)。

和氣:(笑)まず、声の落ち着き方がすごく好きです。ほんとにきれいな声で、高音も「なんであんなにきれいに出るんだろう?」って思いながら、いつも後ろから見てます。

市ノ瀬:ありがとうございます――なんか恥ずかしいですね(笑)。和氣さんは、同世代なのに非常に安定感があって、凛としていて、クールでカッコいい印象があるんです。でも、アカリを演じているときは、明るくてしっかり者のアカリを演じていて。同世代からも盗めるものはたくさん盗もうって思っているので、ほんとに勉強になります。シーンで言うと、先ほどお話したマコトをお姉ちゃんらしく叱るシーンは、ハッとしました。思わず、台本から顔を上げました(笑)。

和氣:(笑)嬉しき。

――『シャチバト!』の主題歌は、おふたりが歌われてるんですよね。和氣さんにとって2枚目のシングルでもあるオープニング主題歌の“Hurry Love”は、めちゃくちゃ前のめり、倒れるんじゃないかっていうくらい前のめりな曲ですけども。

和氣:そうなんです。タイトルからして“Hurry Love”で、騒がしい感じの曲になってるんですけど、とにかくテンポ感がすごくいい曲です。まだオープニング映像は観られてないんですけど、イメージはもう、ハチャメチャでドタバタしてる感じでくるのかなあって思って、すごく楽しみにしています。曲のスピード感が、この作品にピッタリで嬉しいなあ、と思いますし、早くオープニング映像を観たいです。

――曲のテンションが高すぎて、画を合わせるのが大変そうな感じが(笑)。

和氣:(笑)確かに、画を作るのが大変ですね。期待しちゃいます。

市ノ瀬:わたしも楽しみです。PVを観たんですけど、朝に聴いて、テンションを上げたくなる曲でした。朝、テンションが上がらないときに、和氣さんの曲を聴いてほしいです。

和氣:爽やかな朝にしていただきたいですね。

――エンディングはユトリアのキャラソンで、市ノ瀬さんが歌う“おやすみ”。シンプルに、この曲が持つ癒しの力はすごいなって思いました。

和氣:えっ、聴きたぁ~い。

市ノ瀬:ゆったりとしたテンポ感で、ほんとに眠くなる曲です(笑)。『シャチバト!』は深夜帯の放送なので、エンディングでこの“おやすみ”を聴いて、皆さんとともに眠りにつきたいくらいの、ゆったりとした曲です。

和氣:最強ですね、それ(笑)。

市ノ瀬:(笑)わたし自身も、まさかエンディングを歌わせていただけるとは思ってもみなかったので、どんな反応がくるのかドキドキなんですけど、癒しの力がすごいって言っていただいて、ほんとに光栄です(笑)。

和氣:ユトリアの声って、すごく落ち着くような声をしてるから、タイトルを見ても絶対ピッタリなんだろうなって、イメージがつきます。

市ノ瀬:ありがとうございます。やわらかく、トゲのないように歌いました。

――アニメ『シャチバト!』はまだ始まったばかりですが、観ている方にどんな感じで楽しんでほしいか、おふたりからメッセージをもらえますか。

市ノ瀬:異世界だけど、非常にリアリティのある作品なので、もしかしたら皆さんもどこかでシンクロして、「苦労してるのは自分たちだけじゃないんだ」「アニメの世界の主人公たちも、こうやって苦労しながら1日1日を頑張って生きてるんだ」と思えたり、クスリと笑って励みになるような作品だと思います。ユトリアたちも、一生懸命毎日を生きていて、仲間思いな子たちなので、観ている皆さんも、そんなところにたくさん癒されるんじゃないかなって思います。

和氣:まだまだ始まったばかりで、ストーリーもこれからどんどん面白くなっていくと思うんですけど、アカリもそんなにライバーさんと掛け合いをしていない段階なので、そこもぜひ注目していただきたいです。皆さんもお仕事はきっと大変だと思いますし、まだ働いてない方も「仕事ってめちゃめちゃ大変らしいよ」っていう噂も――聞いてるかどうかはわからないですけど(笑)、『シャチバト!』みたいに面白い会社、賑やかな会社もあると思うので、擬似体験していただければ、と思います。

『社長、バトルの時間です!』公式サイト

取材・文=清水大輔