西本りみ「居場所がなかった私が輝ける場所を、音楽が教えてくれた」【声優図鑑】

アニメ部

2020/6/15

西本りみ"

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第243回目に登場するのは、『BanG Dream!(バンドリ!)』の牛込りみ役で知られ、作中に登場するガールズバンド・Poppin’Partyのベース担当でもある、西本りみさん。TVアニメ化が決定している『アサルトリリィ BOUQUET』二川二水役など、新たな出演作も控えています。

自分の居場所を教えてくれた漫画や音楽との出会い、喋り出すと止まらなくなるアニメの話など、西本さんを取り巻く大好きなもの。大切なものを大切だと、素直に、すてきな言葉で紡いでくれたインタビューでした。

――声のお仕事だけでなく、バンドや舞台など幅広く活躍されています。そんな西本さんの幼少期の思い出は?

西本:とっても大人しくて引っ込み思案で、人前に出るのが得意ではなかった分、お絵描きとか物語とか、何かを生み出すような遊びが昔から好きでした。外でお友だちとワイワイ遊ぶというよりは、一人で遊んでいましたね。

――お絵描きや物語づくりは、今のお仕事につながっている感じがします。

西本:そうですね。お人形遊びが好きで、それこそ即興でお話を作ってお人形に声をつけたり、小学校の頃は自由帳にひたすら少女漫画を描いていたりしたので、今となっては、そういうことがお仕事につながっているなと思います。

――小さい頃からアニメが好きだったそうですが、漫画もたくさん読んでいたのでしょうか。特に影響を受けた作品はありますか?

西本:不登校になった主人公の女の子が、フリースクールで出会った仲間と音楽を作っていく漫画があって。演奏はつたなくても、心から信頼できる仲間と一生懸命つくった音楽であれば人の心を動かせる、っていうことを知りました。この作品のおかげで「音楽は心で奏でるもの」っていう音楽道のようなものが生まれたし、それが今の音楽人生の支えになっていて。だから、音楽が大好きだっていう気持ちをいつも忘れないようにしています。私自身、中学と高校で2回不登校だったこともあって、すごく感情移入できました。

――西本さんも実際に、学生の頃にバンドをいくつか掛け持ちしていたそうですね。

西本:学校に友だちがいなかったので、学校以外の仲間とバンド活動をしていました。それが学校の外の世界を知るきっかけになって、人前で演奏したときに、自分でいうのも変ですけど、輝ける場所を見つけた気がしました。学校ではずっとうつむいて居場所がなかった地味な私が、ステージに立っているときだけは輝けるというか。自分も心から笑えるんだ!っていうことに気づいて、そこから音楽にのめり込んでいきました。

――最初の一歩には勇気が必要だったと思うのですが。

西本:もともと3歳からピアノを弾いていて音楽は大好きだったし、中学生の頃に習っていたエレクトーンのグループレッスンが楽しくて、でも卒業とともにやめないといけないのがイヤで、音楽をやめたくないっていう一心だったのかもしれません。強制的に立ち去らないといけない立場だったからこそ、イヤだ!もっとやりたい!っていう。自分の人生の中で音楽を切り離したくないって想いに突き動かされた気がします。

――エレクトーンのグループレッスンで、音楽を奏でることの魅力に気づいたということでしょうか。

西本:そうですね、そのときは、ステージに立つ喜びというよりも、音楽が生まれる楽しさというか、演奏が一つの曲になっていくことに喜びを感じていたんだと思います。ベースパートを弾くことが多かったんですけど、ベースしか弾いていないのに合奏になっていくのが楽しくて。もともとバンドの存在は知っていたから、バンドとして音楽を続けられるなら…という感じでしたね。

――思い切って踏み込んだバンドの世界は、どんなところでしたか?

西本:14歳の夏にエレキギターを買ってもらって、ライブハウスなどに出入りしているうちに、どんどん仲間が広がって。心から信頼できる友だちがあんまりいないタイプだったから、音楽でつながった仲間とは絆の深さを感じていました。親友でも友だちでもない、仲間っていう言葉がぴったりで、そのときにできた親友は私にとっての宝物。何があってもずっと味方でいたいと思えます。それに、そう思える仲間と一緒じゃないと音楽をやりたくないって思うんです。仲間のために音を奏でたいと思うし、相手を信頼しているからこそ自分の音を委ねられると思うから。バンドは私にとって自分の居場所でした。

――演奏技術もすごいですよね。その頃からめちゃくちゃ練習していたのかなと…。

西本:めちゃくちゃ練習しました(笑)。その頃は自己流で、好きな曲を繰り返し練習して。でも、好きな曲を弾くには指が動かせないとダメなんだとわかってきて、また練習する、という感じ。好きだから、ずっと弾いていました。プロの方から教わるようになったのは声優になってからで、一からやり直しました。

――そういった音楽活動の原点が、Poppin’Party(以下:ポピパ)にもつながっているんだなと思います。『BanG Dream!』は、声優を始めてから長く携わっている作品ですが、関わり始めてから自分で変わったことはありますか?

西本:今年5周年なんですよね。最初は周りが先輩ばかりだったし、もともと積極的な性格ではないから、発言するときにいつも一歩引いていたんです。誰かの発言を聞いてから、合わせるように答えたりとか。でも今では、自分の意見をおそれずに言えるようになりましたね。

――伝えたい気持ちはあるけど、つい抑えてしまっていたと。

西本:そうですね。やっぱり学生時代に人間関係であんまりいい思いをしていなかったから、人と違う意見を言って嫌われるのが怖かったんです。でも今は、「ポピパなら大丈夫」っていう関係値になれたのかなと。みんなの考えていることが分かってくるようになったので、MCでも率先して喋れるようになってきました。ファンの方からも「りみりん、だいぶ積極的になったね」って言ってもらえてうれしいです!

――ポピパのメンバーもやはり「仲間」という感覚でしょうか。

西本:仲間は仲間でも、戦友っていう感じがします。山あり谷あり、本当にいろんなことで泣いたり笑ったりしながら一緒に戦ってきたので。特にポピパはバンドリ!の中でもいちばん最初にできたバンドだから、迷うことも多くて、それをずっと一緒に乗り越えてきた仲間。いくら言葉にしても足りないくらい、かけがえがない存在です。

――昨年から始動した『アサルトリリィプロジェクト』は、TVアニメの放送もひかえていますね。西本さんが演じる二川二水(ふたがわ ふみ)は、オタク気質な女の子ということで。

西本:私とそっくりです(笑)。私も、ふだんはあんまり喋らないくせに、自分が知っている分野の話になると止まらなくなるので。そういう意味では性格や声をイメージしやすいですし、等身大で演じられる女の子だなと思います。

――西本さんが喋ると止まらなくなることって?

西本:ファンの方がよく知ってくださっているのは『名探偵コナン』と『カードキャプターさくら』。「知らないことはない!」って言い切れるくらい、いくらでも喋れますね。他にも、ハリーポッター、USJ、『学園アリス』など、好きなものがたくさんあります!

――すごく自信がありそうですね(笑)。『アサルトリリィ』では舞台に出演していますが、過去にも舞台作品は多いようで。

西本:舞台に出るのが大好きなんです。2017年に初舞台を経験して、2018年は年間7本。主演舞台もあったし、3か月連続で出たこともあるので、その経験が『アサルトリリィ』にもつながっているのかなと。ふだんあんまり感情表現をしないタイプだからこそ、全身で感情を表して、まったく違う自分になれる舞台のお芝居がとにかく楽しいです。

――西本さんのSNSを見ていると、「好きなもの」がたくさん伝わってきて、読んでいるほうも楽しいです。最近ますます極めているような趣味はありますか?

西本:もともとパソコンが好きで、ワードやエクセルの資格を持っているくらい得意なんですけど、見様見真似で動画編集を始めて、それが最近は楽しいですね。最初は無料の編集ソフトを使っていたんですけど、今はFinal Cut Proを少しずつ使えるようになってきました。ゲーム実況とか、好きな編集をしている動画を見て、映像の切り取り方や効果の使い方を見るのが楽しいです!

――休日はどんなふうに過ごしていますか?

西本:ずっとおうちにいて、ドラマや映画、アニメ、ゲーム実況をずっと観ています。おうちでコタツに入りながら、パソコンの画面を観ている時間がいちばん幸せです。

――コタツ?

西本:年中コタツなんですよ。夏は電源をつけなくても、フワフワしたものにふれていると落ち着くタイプで。ひきこもりだから、必要なものも手の届く範囲に置いてあります。鏡や化粧品、パソコンとか。動かないで済む生活(笑)。行動範囲がすごくせまくて、でもその中に何でもあってほしいなと。だからよけいに外に出なくなる(笑)。

――快適なプライベート空間ですね! よくご飯に行くような声優仲間は?

西本:バンドリ!だと、同じ事務所に所属している愛美さん、伊藤彩沙ちゃん。アサルトリリィだと、一緒に生放送に出ている遠野ひかるちゃん。ポピパのメンバーとよく行くのは、焼肉かしゃぶしゃぶ。基本的に「肉」です! いつも大橋彩香ちゃんが、これいけるよって、奉行とかではなく率先して、すごくいい具合にお肉を焼いてくれて。お姉さん的存在です。

――お仕事以外でも心強い存在ですね(笑)。では、声優としてこれからの目標を教えてください。

西本:舞台で幅広い役を経験したので、それを声のお仕事でも生かせるチャンスをつかんでいきたい。そのためにも、あまりやったことのない役柄も演じてみたいです。舞台で演じた悪い魔道士みたいに、あからさまな悪役や魔女役もやってみたいし、人間じゃないマスコット的な役も。今は、控えめな牛込りみちゃんや、(専門分野では積極的になる)二川二水ちゃんを演じているので、それとは違うクール系やお姉さん系にも挑戦してみたいです。

――西本さんのいろんなお芝居が見られることを楽しみにしています。最後に、読者へのメッセージをお願いします。

西本:最後まで読んでくださってありがとうございます。ここまで私自身について深掘りしてお話したことって、多くなかったと思います。これからいろんなところで、みなさんに、お声や姿、音楽をお届けできるように、ますます一生懸命がんばっていきたいと思いますので、これからも応援してもらえるとうれしいです。ありがとうございました!

――西本さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】西本りみさんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

西本りみ

西本りみ(にしもと・りみ)響所属

西本りみ(にしもと・りみ)Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=麻布たぬ、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト