菅沼千紗「何か一つでも役を表現できれば、ステージに立つ意味があるのかな」声優図鑑

アニメ部

2020/6/29

菅沼千紗"

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第245回目に登場するのは、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の田中摩美々役、『僕のヒーローアカデミア』ラグドール役などを演じ、ニコニコチャンネル『菅沼千紗の魅力に落ちる生放送』では一人語りのパーソナリティを務める菅沼千紗さん。

幼少期は、近所の子どもたちを率いて遊ぶような活発すぎる子どもだったとか。正解があるわけではないお芝居との向き合い方や、キャラクターとしてステージに立つ時の葛藤など、お仕事からプライベートまで気さくに楽しくお話してくれました。

——子どもの頃の思い出をぜひ教えてください。

菅沼:3歳からバレエを始めて、とにかく踊るのが好きでした。ディズニーのパレードに刺激されて、パレードが通ったあとの道でひたすら踊ったりして。普段は、両親が共働きのひとりっ子だったから、同じマンションにいた6〜7人の幼なじみとよく遊んでいましたね。ビデオカメラをテレビにつなげて、映したものがすぐ観れるようにして、みんなでふざけて踊ったり。うちの家のドアを開けっぱなしにして、「来たいやつだけ来い!」っていう状態で。男の子はみんなお尻丸出しでした(笑)。

——近所の子どもたちを率いていたんですね(笑)。

菅沼:幼稚園児とか小学生とか、年が離れてる子もいたので、一緒に楽しく遊べるものを考えたんでしょうね。一輪車の振り付けをして、みんなでショーを作ったこともありました。それをお母さんに見てもらうという。

——ショーの発表まで(笑)。子どもにしてはレベルが高い遊びです。

菅沼:母親がよくビデオを撮っていたので、真似してたんです。リポーター役とカメラマン役を設定して、マンションのおうち案内をしたりとか。母親が撮った映像の上に、私がウェーイみたいな映像をかぶせてしまうという…。今はもう残っていないと思うんですけど。

——バレエはいつ頃まで続けていたんですか?

菅沼:高校2年生までです。中学、高校がいちばん熱中していたと思います。高校は女子校で、みんながキャッキャしている放課後に、ひとりだけ「じゃ!これからレッスンだから」って伝えて。週に4〜5回くらい、片道1時間くらいかかるところに通っていました。

——それくらい楽しかったと?

菅沼:高校に通い始めたくらいの時期に、突然ちょっとうまくなって。「できる!」って覚醒してから2年間くらい楽しかったです(笑)。中学生の時はバレリーナになりたいと思っていたけど、挫折してしまって。でも楽しかったし、趣味みたいな感じで続けていました。

——その経験がお仕事にも生かされてそうですね。そんな中、演技や声優に興味を持ったきっかけは?

菅沼:声優になりたいと思ったのは高校2年生くらい。深夜アニメの存在をはじめて知って、『東京マグニチュード8.0』を観た時に、こんなにすばらしいアニメがあるんだ!って大号泣して。それからいろんな作品を観ているうちに、小さな時から支えられていたアニメの世界に飛び込んでみようと思いました。バレエのおかげで表現することも好きだったし。ポケモンが好きで、ポケモン関連の仕事をすることも考えましたけど、そちらはあんまり現実的じゃなかったですね(笑)。

——それから専門学校に進んで、事務所に所属されて。最近のお仕事では、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』田中摩美々役(2018年〜)としてお名前を聞くことが多いです。

菅沼:摩美々は初めてオーディションで受かった役。初めて見た時に、やる気ないし、怒られるのが好きっていうちょっとヘンな子で、「全然やったことのない役だけど、何故か気になる…受けなきゃ絶対後悔する!よし、この子でオーディションを受けよう!」って思ったんですよ(笑)。なぜか、摩美々は私にしかできない!っていう自信もあって。今思えば、マイペースなところとか、だらっとしてる感じが似ているし、かまってほしいのに素直に言えない摩美々みたいに私も寂しがりやなので、最初からビビッとくるものがあったのかもしれません。

——巡り合わせだったのかもしれませんね。これまで約2年、摩美々を演じてみていかがですか?

菅沼:ひとつのキャラクターをここまで長く演じるのがはじめてで、長く演じるうちに、自分と役がなじんでくるものだなあと感じますね。はじめは、あのだらっとした感じをどうしたら出せるのか悩んで、椅子に座ったまま台詞をしゃべる、みたいなこともありましたけど。お芝居をする上で、すごく勉強させてもらった子です。

——SNSでは『8 beat Story♪』ベル役としての話題も多いですが。ライブなど楽しんでいる感じがすごく伝わります。

菅沼:楽しいです! 私が演じるキャラクターはクセが強めの子が多いんですけど、その中でもベルちゃんは怖いくらい狂っているタイプ。「みんな壊れちゃえ」「ギャハハハー」みたいなお芝居で、自分を解放できるのはめちゃくちゃ楽しいです。ライブでもお客さんと「ギャハハハー!みんな友だちだよね?」「友だちだよー!」って対話したりして。ベルの所属するユニット・B.A.Cは、他の2人がかっこいいタイプなので、頼りになる2人のおかげで私はかなり自由にさせていただいてます(笑)。

——摩美々もベルも、お芝居だけでなく、歌って踊って表現できるお仕事が増えていますね。

菅沼:声優になりたかった時に思い描いていたことが、お仕事につながってきてうれしいです。ただ、私もアニメ好きだから分かりますけど、ステージを観てくださる方はキャラクターへの愛情が強いと思うので、キャスト本人がステージに立つのはハードルが高いなと思っていて。その中でも何か……そこに立っているのは私だけど、仕草とか表情とか、何かひとつでもキャラクターを表現できたら私がステージに立っている意味があるのかなと。キャラクターとしてステージに立つ時は、そんなことを意識しています。

——楽しさと同時に、難しさも感じていると。

菅沼:歌もダンスも好きだけど、作品やキャラクターとなると、また違った緊張感があります。お客さんからお金をいただいて、プロとしてお見せすることになるので。ステージに立つたびに強い心を持たないと!って思います。でも、キャラクターを演じるからこそ、精一杯表現できるような気持ちもあるんですよ。自分自身で表現するよりも恥ずかしくないし、自信を持てるというか。

——自分自身でステージに立つのは恥ずかしい?

菅沼:バレエの発表会でもそうでしたけど、すぐに緊張するほうで。経験が増えたら慣れるかなと思っていたけど、なかなか慣れませんね。『菅沼千紗の魅力に落ちる生放送』をもう1年も担当してるんですけど、いまだにスタッフさんに「緊張してる?」って笑われるくらい、どんなお仕事でもドキドキして震えています(笑)。どれだけ準備しても緊張するので、集中して成し遂げられるのなら、もういいや!って、最近は割り切っています。

——落ち着いて見えるので、ちょっと意外でした。

菅沼:いろいろ考えちゃうんでしょうね。「ちゃんとできてるかな」とか「もっと良くできるんじゃないか」とか、考え出したら止まらないし、もっと良くするには実力が追いつかないと……って考えると余計にドキドキしますね。もっと精進していきたいです。

——向上心が高いのかな、とも思います。お仕事だと緊張することも多いと思いますが、普段はどうやってリラックスしていますか?

菅沼:いちばんは、何も考えないで家でリラックスすること。現場でも、お付き合いが長い相手だと話す機会が多いし、チームワークもできているので安心しますね。シャニマスのL’Antica(アンティーカ)のメンバーとは、もう2年くらいの付き合いなので、一緒にいると落ち着きます。5人いれば大丈夫、みたいな気持ちで。

——では、お休みの日はどのように過ごしていますか?

菅沼:用事がない時は家にいることが多くて、時間があればゲームをしています。ゲームする時間だけざっくりと決めて。そうじゃないと、「今ゲームやってていいのか?」「他にやることあるでしょ!」って落ち着かないので(笑)。自分で決めた時間内で遊んだ後に、仕事の準備とか、歌や振り付けの練習をするようにしています。

犬の動画もよく観ますね。犬がずっと大好きで、でもひとり暮らしで寂しい思いをさせちゃうから飼ったことはないんですけど。ゴールデンレトリバーとか、白いもふもふのグレート・ピレニーズとか、シベリアンハスキーみたいな大型犬が好き。最近はオオカミ犬っていう、本当にオオカミみたいな顔をしたワンコもお気に入り。大型犬がゴロンするとめちゃくちゃ可愛いんですよ! いつか大きな家に住んで、大きな犬3匹と暮らしたい……。

——大型犬3匹との夢の生活を。

菅沼:動物全般が好きで、でも動物園には行かないんですよね。見るよりも、ふれあいたいほうなので。ヘビも好きで、白くてちっちゃくて、つぶらな瞳が可愛いヘビがいるんですよ。首に巻きつけてみたい! 機会があればいろんな動物カフェに行ってみたいです。

——普段の生活のなかで癒されているんですね。

菅沼:最近は、ハーブティを飲んで癒されています。首と肩のコリ、胃痛に効くオリジナルブレンドを毎日飲んでいて、たしかに調子がいいんですよね。マイボトルに入れて現場に持っていったりして、それを飲む自分もオシャレ〜みたいな感じ(笑)。プレゼントで、喉にうるおいがほしい時のハーブティを頂いたこともあって、こんなのもあるんだ!と思って感動しました。

——よく一緒に遊んでいる声優さんは?

菅沼:事務所の同期は養成所から一緒なので、やっぱり会う機会が多いですね。弘松芹香、野村麻衣子と3人でよく遊んでいて、忙しくて会えない時も定期的にLINEしています。L’Anticaだと、八巻アンナは最寄りの駅が一緒なんですよ。仕事帰りに「今ヒマ?」「ご飯食べよ?」「じゃあ、いつもの店で」みたいな感じで、会う回数はいちばん多いですね。

——これから声優として力を入れていきたいことや目標を教えてください。

菅沼:つねに力不足だと思っているんですけど、もっといろんなキャラクターに出会って、まずはお芝居で実力をつけていきたいです。といっても何が正解なのか分からないから、自分の中でベストを尽くすために、もがき続けているんですけど。役柄で言うと、大阪出身を生かして関西弁の役をやってみたいです。強い女性にも憧れるので、かっこいい女性の役も! 応援してくださるみなさんに、お見せできるものが増えていくといいなと思います。

——日々、いろんな葛藤の中で努力されているのが伝わってきました。最後に、ここまで読んでくださった方にメッセージをお願いします。

菅沼:まだまだ新人ですけど、みなさんの目に留まるように精進していきますので、どこかで見かけたら「あ、こいつだ!」と思ってももらえたらうれしいです。応援してくださっている方、Twitterのリプをいつも見ていますし、励まされています!

――菅沼さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】菅沼千紗さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

菅沼千紗

菅沼千紗(すがぬま・ちさ)賢プロダクション所属

菅沼千紗(すがぬま・ちさ)Instagram

菅沼千紗(すがぬま・ちさ)Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=麻布たぬ、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト