峯田大夢「ボケがスルーされることが多々…。実はクールではないです(笑)」声優図鑑

アニメ

公開日:2020/8/3

峯田大夢

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第250回目に登場するのは、メディアミックスプロジェクト『フットサルボーイズ!!!!!』の樫良木ルイ役、『イケメン王子 美女と野獣の最後の恋』のリオ=オルティス役など、注目作品への出演が続々と発表されている峯田大夢さん。

キラキラとした存在に憧れた幼少期、そしてモデルの仕事を経て声優に。目下、演じてみたいキャラクターは、強キャラ。さらに、声優としての目標を叶えるための自己鍛錬の日々とは?

――声優のお仕事をする以前は、モデルやコスプレイヤーの経験も。そんな峯田さんの幼少期はどんな子どもでしたか?

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峯田:特撮やヒーローものが好きで、ヒーロー系の役者になりたいと思ったこともありました。小学生の時は歌番組に出るのが夢でしたけど、どうしてそう思ったのかは謎で……。たぶんキラキラしたものに憧れていたんでしょうね。ごっこ遊びも好きで、よく剣を振り回していました。レンタルショップが全盛期で、『機動戦士ガンダム』シリーズや『ドラゴンボール』をよく借りて観てましたね。親から「3本まで借りていいよ」って言われて。

――それ以降も好きなものは変わらず?

峯田:そうですね。中学の頃は、その頃流行っていた『涼宮ハルヒ』『らき☆すた』など、どっぷりオタク文化にふれていました。モデルにも憧れを持つようになって、雑誌に写真を送り続けたことをきっかけに、高校生で雑誌のモデルを始めました。山形から東京まで夜行バスで通うのは大変でしたけど、いろんな衣装が着られるし、いろんな自分になれるのが楽しかったですね。自分が表紙になった雑誌が本屋さんに並んでいるのを見た時が一番うれしかったです。

――いろんな自分になれる、今のお仕事とも共通点がありそうですね。コスプレイヤーとしてのモデル活動をするようになったのは、『会長はメイド様!』のコンテストがきっかけだとか。

峯田:作品の中にもある薔薇に埋もれているシーンを再現したのが良かったみたいで、グランプリをいただきました。でも、その前からコスプレはしていたんです。モデルの仕事をしていた時に、どうやったら目立つだろうと考えて、アニメの学生服を着ていったのが始まりですね。『コードギアス』のアッシュフォード学園の制服で行き、次に『うたプリ』の制服で…。どうやったら次も呼んでもらえるだろうって、その頃の自分なりに考えていました。

――NaGiさんという名義で今もコスプレイヤーのお仕事を続けられていますが、コスプレで特にこだわっていることは?

峯田:僕の場合は、そのキャラクターが実際にいたら、どういう感じだろうって想像しています。原作だと白に近い金髪だけど、実写ではもっと落ち着いた色味かな、とか。自然な感じに見えるフチなしのカラコンを探したり、あんまりカチッとしすぎないウィッグを選んだり。小さい時からごっこ遊びが好きだったけど、今も「大人のごっこ遊び」 だなと思いながら楽しんでます。

――そんな中で声優の演技に感銘を受け、アミューズメントメディア総合学院に1年間通われています。声優デビュー作となったゲームアプリ『モンスターストライク』には、どんな思い出がありますか?

峯田:在学中に経験させていただいて、初めてのお仕事というプレッシャーはやっぱりありました。オリジナルキャラでキャラ絵が無く 、200から300くらいの膨大なセリフだけがある中で、どう演じ分けたらいいのかと。声優になってからも追加収録 させていただいたので、今となっては、僕の声優人生の最初から最新までの声を聴ける作品に(笑)。僕自身も「うわー……今ならもっとできるのにな」って思いながら聞き返すことがあります。

――他の作品でも、後から聞き返すほうですか?

峯田:何度も聞き返しますね。アニメも観ますし、ゲームもプレイしますし。収録の時にも自分でボイスメモを録りますけど、完成した音声もやっぱりチェックしたいので。その時の反省を次に生かして、常に自分の限界を超えていきたいです。

――ストイックですね。樫良木ルイ役で参加している『フットサルボーイズ!!!!!』は、アニメ・アプリゲーム・フットサル試合イベントを展開するメディアミックスプロジェクトで、これから注目度が増しそうな作品ですね。

峯田:そうですね。僕が在籍するアーダルベルト学院は、恒陽学園高校っていう主人公チームの最初のライバル校になる立ち位置で。ルイはチームのキャプテンで、「俺が強くあることがアーダルベルトを強くする」というセリフ にすごく共感しています。みんながついていきたいと思うようなキャプテンでいたいし、フットサルは初心者ですけど練習して上手くなって 、みんなのやる気につながったらいいなと。キャプテンというもの にあまり経験がないので、キャプテンらしく振る舞えるかなって心配もありますけど。

――アーダルベルト学院のチームの印象はどうですか?

峯田:一緒にご飯に行きますし、みんなでワチャワチャして仲いいですね。だからこそ、プレッシャーを感じつつも、みんなと試行錯誤しながらキャラを作っていきたいなと感じます。ツッコミとボケのバランスがちょうどいいというか、分かりやすく役割分担ができているのもいいなと。

――ちなみに峯田さんの立ち位置は?

峯田:僕はボケです。ツッコミができないほうなので。ワケの分からないボケを言って、みんなにスルーされることが……。スルーッと流されます。

――今まさに!? それはちょっと意外でしたが、スルーされるのはイヤではない?

峯田:イヤではないですね。もうこれは自分の持っているものなので仕方ないなと(笑)。最初は、リアルな見せ場もあるメディアミックスだから僕自身もルイのようにしっかりしないと、と考えていたんですが、スタッフさんから「いつもの感じで大丈夫だよ」と。キャプテンというプレッシャーは変わらずありますけど、あまり意識しすぎず、みんなと寄り添っていけるキャプテンでいけたらと思っています。

――真っ直ぐさと、意外にボケな一面と、その2つがあわさって峯田さんの魅力になっているのですね。プライベートについても伺いますが、お休みの日は何をしていますか?

峯田:基本的にはジムに行ってます。何にも負けない強い体になりたくて。ボイトレやダンスのレッスンも受けますし、お芝居のリズム感をつけるためにドラムを習ったり、タイミングが合えばアクションもやります。

――幅広いですね。だけど、すべてお仕事につながっている。

峯田:体を鍛えれば、声で必殺技を出す時にも生かせますし。なんでそんなに?って言われますけど、日々研究して自分を強化するのがマイブームに近くて。声優になってみて、やっぱり甘い世界じゃないなって思ったのもあります。名前のある方は常にすごい努力をしているので、その方たちの隣に並ぶってことは、それ以上に努力して、磨いて削って磨いて……の繰り返しだろうなと。

――声優同士の交友関係はどうですか?

峯田: 2018年に放送された『ミイラの飼い方』というアニメ の座組みの人たちとはプライベートでも会いますね。スタッフさん含めて仲が良くて、お花見をしたり、ピクニックみたいなことも。あとは、『アルゴナビス from BanG Dream!』の七星蓮 役の伊藤昌弘くんも、朗読劇で共演したのがきっかけで、会うことが多いです。

――じゃあ、ちょっと身近な質問で…好きな食べ物はなんでしょう。

峯田:ササミです! 一時期、糖質控えめ、タンパク質多めっていう食事制限をしていた時の名残で。最近は、松屋の牛丼並盛り、汁だく、もよく食べます。他の牛丼屋さんよりあっさりしている気がして、僕は松屋派ですね。食事はだいたい、松屋とヨーグルトで終了って感じです。ごく稀に自炊してシチューを食べたりしますけど。この前、「シチューを作りました」ってSNSにのせたら、けっこう反応をいただいて。

――SNSもマメに更新されていますね。

峯田:じつはけっこう苦手で、試行錯誤しています。なにしろ、プライベートが自分を強化するようなものしかないので。それを見せるなら、「いつの間にか強くなっていた!」っていうほうがかっこいいじゃないですか。だから、食べ物ネタばかりになってしまって。この前は、たいやきを頭から食べるか尻尾から食べるか…真横から食べる!っていうのをブレブレの写真であげました(笑)。

――楽しそう(笑)。

峯田:観てくださる方も反応してくださってうれしいです。でも、僕としてはボケているのに、なかなか突っ込んでもらえないので、マジだと思われているのかな(笑)。

――じつはボケ担当、みたいな一面はファンにあまり知られていない?

峯田:外見だけだとクールに見えるみたいで。でも実際はクールではないし、たいして怖い人でもないんですけどね。もし、『フットサルボーイズ!!!!!』とか、みなさんの前に顔を出す機会が増えたら、“ボケ”ばっかりお見せすることになるかも。もちろん、フットサルの試合はかっこよく魅せます!

――『イケメン王子 美女と野獣の最後の恋』のリオ=オルティス役など新たな出演作もあり、期待が高まります。他にも、演じてみたい役はありますか?

峯田:冷静だけど芯があるような強キャラっぽい役を演じてみたいです。お芝居だけでなく、キャストの人生経験や人柄も反映してくると思うので、僕自身もいろんな経験をしていければと。「今日できないことを今日できるように」を目標にしているので、徐々にその理想像に近づいているのかなと思います。

――ちなみに、声優としての理想像とは?

峯田:声を担当した作品が舞台や実写になった時にも、自分で演じるのが目標です。そのためにも、アクションや殺陣を勉強していて。実写は顔の表情も大切なので、家でディズニー 作品の顔真似をして練習しています(笑)。ディズニーって、眉毛がすごく上がってたりとか、表情が細かいんですよね。他に、海外ドラマや吹き替えにも挑戦してみたいし、音楽が好きなのでバンドにも興味あります。いろんなことに挑戦して、失敗して、それを積み重ねて自分の力にしていくことが、僕のやりたいことであり、一番の楽しみでもあります。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

峯田:ここまで長いインタビューを読んでいただいて、ありがとうございます。声優は、応援してくださる方がいるからこその職業だと思うので、みなさんに感謝しつつ、地道に自分を磨いて、良いものをお届けしていきたいです。なので、これからもよろしくお願いします! 自分なりにがんばっていこうと思います(笑)。

――峯田さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】峯田大夢さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

峯田大夢

峯田大夢(みねた・ひろむ) スターダストプロモーション所属

峯田大夢(みねた・ひろむ) Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=麻布たぬ、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト