フルCGアニメーションで魅せたアニメ版『ULTRAMAN』、待望の第2期制作決定! アニメや原作の見所など、原作者のおニ人に直撃!!

アニメ

更新日:2020/9/29

ULTRAMAN
『ULTRAMAN』(清水栄一×下口智裕/小学館クリエイティブ)

 フルCGアニメーションで制作され、その完成度の高さでも話題になったアニメ版『ULTRAMAN』だが、待望の第2期制作が公表された。さらに原作漫画も、ストーリーはクライマックスへ向けてアツく盛り上がっていく。そこで今回は原作漫画を手がける清水栄一氏と下口智裕氏に、アニメについての感想や原作の今後の展開、見所などを語ってもらったぞ!

『ULTRAMAN』アニメ第1期を振り返って

――フルCGアニメーションについての印象、例えば想像以上に効果的だったと感じた部分や、想像とは違った印象を持ったシーンなどを教えてください

清水栄一氏(以下、清水)「モーションアクターの方々のお芝居をトレースしているので、会話シーンだけでも、常にキャラクターが動いているのは魅力と言いますか、新鮮でした。加えて、アクションシーンの動きが、ちゃんと自分たちが意図していた動きを読み取ってくださっていたことには、さすがとしか言いようがありません。ですので、全てが良い意味で想像とは違っていました。」

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――第1期で特に印象に残ったシーンや、お気に入りのシーンがあれば教えてください

下口智裕氏(以下、下口)「最初にアフレコを見学させて頂いた際に拝見したシーンは印象に残っています。ちなみにエイダシク星人との戦闘シーンなんですけど。リミッター解除のシーンは2人して『凄え!!』と興奮しました。」

『ULTRAMAN』アニメ第2期について

――アニメ第二期の制作が発表されましたが、いち視聴者としての期待度や、楽しみな部分などを教えてください

下口「新しく登場するキャラクターがどんな感じになるのかなぁと。それ以外や楽しみな部分は内容に触れてしまうので、まだ言えません。」

――同時に発表された「タロウ」ですが、東光太郎についての誕生秘話などあれば教えてください。

清水「オリジナルシリーズの方でもタロウは特別な存在なので、こちらの光太郎も『もう一人の主人公』という位置づけで描いています。進次郎とは違い、能動的に動くキャラですし、描いてる方としてはとても手のかからない子です。あとはスーツを着る予定はなかったくらいですかね。個人的には、全身が発火してる状態がウルトラマンとしての姿だったんです。ただ周りがそれを良しとしてくれませんでした。(笑)」

原作とアニメの違いについて

――第1期でも原作とアニメでは設定や登場人物に違いがありましたが、おニ人はアニメの構成にどの程度、関わっているのでしょうか。また第2期ではどのような違いに注目すればよいか、可能な範囲で教えてください。

清水「構成という意味では、監督のおニ人にお任せしています。漫画ではこれでいいという部分でも、アニメでは難しいとなる部分も多々出てきます。なので餅は餅屋と言いますか、その辺りの判断は僕らにはできないので、基本、お任せしております。2期での違い……難しい質問ですねぇ。縦軸は同じだけど肉付けが違うといった感じですかね。ただの肉付けではなく、かなり上質なお肉を付けて頂いてます。」

第2期のストーリーについて

――第2期は「暗黒の星」編が中心になると思いますが、漫画制作の段階で、もっとも力が入った部分はどこでしょうか

下口「とにかく情報量が多いエピソードなので、終始、力を抜くことができず、交通整理も大変でした。話数が進むごとに新しい情報が出てくる感じなので。」

「暗黒の星」編のメカニックについて

――「暗黒の星」編ではさまざまな新メカが登場しますが、特に注目して欲しいメカを教えてください

清水「特にというなら、やはり『黄金の城塞』ですかね。オリジナルのデザインがあまりに素晴らしいので、いたずらに情報量を増やすのではなく、ULTRAMANの世界に存在するキングジョー感が出せないかと四苦八苦しました。あ、四苦八苦と書きましたが、作業自体はとても楽しかったです。あとフィギュアの方で先行していたSEVENのフル兵装もやっと出せたました。」

『ULTRAMAN』漫画の今後の展開について

――漫画もいよいよクライマックスに突入し、さまざまな真実が判明していくと思います。今後の展開については公開にも限界があると思いますが、主人公の早田進次郎とセブンの諸星弾に関して、ストーリー面や戦闘面における注目点を可能な範囲内で教えてください。

下口「進次郎はいろんな意味で変化していきます。諸星もさらなる変化が……あるかも知れません。新しい兵装などは清水が予定しているみたいです。」

――他に、特に力を入れているポイントや「ここに注目すると面白い」というようなことがあれば、可能な範囲内で教えてください。

清水「当たり前のことですが、オリジナルのウルトラシリーズを見ていると、さらに楽しめるかと思います。もちろん、見ていなくとも楽しんで頂けるようには描いていますが、さらに楽しめますよと。」

――読者にひとことお願いします。

清水「ヒーローを信じる人、ヒーローに疑問を持つ人と、視点が変われば当たり前に変わっていきます。その上で、それでもヒーローがヒーローである所以、ウルトラマンが何を持ってしてウルトラマンなのかを描けたらいいなと思い、このULTAMANを始めました。その為にはタブーに踏み込まなきゃいけないときもあります。そういった要素に対し、眉をしかめる方も少なく無いと思いますが、これだけはご理解していただきたいです。決して、いたずらに軽い気持ちでやってはいないということを。何より、僕も生粋のウルトラファンですので。最後まで読んでもらえれば『読んでよかったぁ!』と思って頂ける…はずです。(笑)」

下口「連載当初から最終回の内容は決まっていましたが、そこまでの道のりははっきりと決まっていませんでした。なので思いもよらない道が生まれたりと、自分たちもときに苦しみ、でも基本的には楽しんで、その『道』を歩いたり走ったりしてきました。そしていま、その最終回というゴールへの道がはっきりと見えています。ぜひとも最後までお付き合いくださいませ。」

 特撮から生まれた『ウルトラ』シリーズを、大胆な解釈で漫画化した『ULTRAMAN』。さまざまなオリジナル要素を組み入れながらも、特撮のファンが「なるほど!」と感嘆するような仕掛けも満載である。原作漫画はクライマックスへ向けて一層加速し、2021年のアニメ第2期にも期待は高まる。これからも『ULTRAMAN』から目が離せない!

構成=木谷誠

(C)円谷プロ