コロナ時代の防災について考える。本当に必要な「在宅避難」グッズは? 大雨で避難する時の服装は?

暮らし

更新日:2020/9/2


その瞬間は何もできない、と考える

豪雨被害のあった家

 過去の大地震の被災者の多くは、「まさか地震が起こるとは思わなかった」と語っています。そして、「揺れた瞬間は何もできなかった」と、その場に立ち尽くしたそう。この教訓を心に留めておくことは、とても重要です。地震が起きた時、その瞬間に“何とかする”のではなく、“何もしなくていい”ように普段から備えておく必要があり、そのためには、“いつ災害が起こっても大丈夫”という心構えを持つことが何より大切です。

 災害が起こったら、避難所へ避難しようと思うかもしれません。しかし、大勢の人が集まる避難所は、新型コロナウイルスをはじめその他のウイルスへの感染の脅威、慣れない場所や人に囲まれた生活によるストレスなど、問題点が多くあります。こんな時期だからこそ、避難先についての価値観を見直す必要があるのではないでしょうか。もちろん必要な場合は避難所に行くことも大切ですが、事前に備えることで「在宅避難」が可能になります。

 しかし、いざ対策をするとなると、なんだか面倒だし、よくわからない。たくさん備えるのはお金も時間もかかるし、備蓄品を収納しておくスペースもない。多くの方がそう感じているのではないでしょうか。そんな時は、日常生活の延長で取り掛かることができる、以下のことから始めてみてください。

小さな工夫で大きな効果! 手軽な家具転倒防止

 例えば、今日家に帰ったら、まずは自分の部屋を見渡してみてください。寝ている場所に倒れてきそうな家具はないか、落ちてきそうなものを棚の上に置いていないか、避難経路を妨げる配置になっていないか。

「こんな重い家具や家電は倒れないだろう」そう思ってしまいがちですが、大地震の時、家具は驚くほど動き、恐ろしい勢いで飛んできたといいます。家具の対策をしておけば、家具転倒の心配をすることなく、揺れが収まるまで落ち着いて待つことができます。また、面倒な片付けをする労力も少なくて済み、人が移動するための導線も確保できます。ひとつの対策が、いくつもの安全につながる。その時、命を守る対策が、家具の転倒防止なのです。

命を守る防災

イツモ使っているものを、多めに買い置きしておく

 コロナウイルスの感染拡大により、食料品やトイレットペーパー、マスクなどの衛生用品のストックの重要性を実感した方も多かったかと思います。使ったら買い足すという“ローリングストック”を実践した人も増えたのではないでしょうか。私自身、ローリングストックで常に一定量を備蓄しておく習慣が身についていたため、今回のような日用品不足が発生した時でも、不安に支配されることなく生活を送ることができました。

 大地震の後は、電気・ガス・水道の復旧には時間がかかり、避難生活は長期戦。被害が広域に及ぶと物資の配送も大幅に遅れてしまいます。しばらく、スーパーにもコンビニにも行くことができない生活が続くとしたら…。もしもの時に起こり得るそんなシーンを想定して、普段から家族の人数に対応した買い置きをしておきましょう。適切な量や種類が確保された備蓄品は、いざという時にきっと助けになるはずです。

命を守る防災

命を守る防災

文=石田有香

石田有香(NPO法人プラス・アーツ チーフ)
東日本大震災をきっかけに、岩手県で子ども参加のまちづくり事業に従事。2016年にプラス・アーツに入社し、現在は、楽しみながら学べる防災体験プログラムの開発や家庭備蓄の啓発など、主に防災教育や地域支援を担当している。
ホームページ:防災は楽しい。プラス・アーツ

「世界一受けたい授業」でも取り上げられた防災テクニック! 自衛隊や警視庁のマニュアルに学べ! 災害時に命をつなぐための「防災本」5選

 地震などの災害が起きた際、最も頼りになるのは自衛隊や警察官などの“プロフェッショナル”。今年7月に熊本県で起きた豪雨災害では、救助活動にあたる自衛隊員たちの様子がSNS上で発信され、大きな注目を集めていた。そんなプロフェッショナルたちの防災テクニックをまとめた書籍を、5冊にわたってピックアップ。一体彼らがどんな風に災害に立ち向かっているのか、この機会に学んでみてはいかがだろう。

1時間で何mmの雨が降ると危険? NHK気象キャスターが解説する命を守る気象知識

『一番わかりやすい天気と気象の新知識』(弓木春奈/河出書房新社)

 ここ数年、全国各地で発生している豪雨被害。経験したことのない激しい雨が川の増水を引き起こし、ある程度の雨量に耐えうる大都市の下水道をあふれ返し、洪水が多くの命を飲み込んだ。

 ここで理解しておきたいのは、1時間あたりの雨量と危険度だ。ときどき気象予報士が「1時間あたり○mmの雨が~」と口にする場面を見かける。しかしそう言われてもピンとこない人が大半のはずだ。

 とにかく覚えてほしいのは、気象予報士が「1時間あたり30mm以上の激しい雨が~」と口にしたら警戒すべきということ。まさしくバケツをひっくり返したような雨で、夜中に降れば寝ている人の半数くらいが雨音で目覚めてしまう。道路が川のようになり、高速道路を走ればブレーキが利きにくくなって危険だ。

 そして「1時間あたり50mm以上の非常に激しい雨」になると、「ゴーゴー」という恐ろしげな雨音が鳴り始める。傘はまったく役に立たず、水しぶきで白っぽくなって視界が悪くなり、高速道路に限らず車の運転が本当に危険。

「1時間あたり80mm以上の猛烈な雨」になると、雨を浴びるだけで息苦しい圧迫感があり、恐怖を感じるという。このクラスになると災害がいつ起きてもおかしくないので、すみやかに命を守る行動をしよう。

大雨で避難勧告が…格好は「かっぱ・長靴・リュック」で正解? 蝶野正洋氏企画発案の防災本講座

 大雨が降って避難勧告が出て、といったシチュエーションで考えられる対応で正しいのは次の3つのうち、どれでしょうか?

A:スーツはなしだけど、動きやすいTシャツにデニムのカジュアルスタイルで避難。
B:まだ、雨は止んでないのでかっぱに加えて傘も持つべき。
C:紐で固定できるので、足元はスニーカーがベスト!