ポリ袋や缶詰を使った「即」作れて「即」食べられるレシピ! “食”にまつわる防災本5選

暮らし

公開日:2020/9/13

 地震や台風などの大きな災害に巻き込まれた際には、安全に食べられるものを確保することがとても大切。とはいえ普段から準備しておかないと、いざ非常時を迎えてから食品を用意するのは難しいだろう。そこで本稿では、“食”をテーマとした防災本を5つ厳選してご紹介。身近な人の命を守るためにも、日々の生活の中で使える防災テクニックの数々をぜひチェックしてみてほしい。

もしもの時、子どもを守るための“食”知識

災害時の食のお役立ちBOOK
『災害時の食のお役立ちBOOK』(国崎信江:監修、井上秀一・大沢幸子・畠中美幸・マルオアキコ/メイト)

『災害時の食のお役立ちBOOK』は「食」に特化した保育界初の防災本。何をどのように備蓄すべきか、日常生活を支えるライフラインが止まったらどうすればいいのか…。災害が起こった際に重要となる「食事」についてとことん追求し、誰もが感じている不安を払拭してくれる。

 書籍内では被災時に役立つ備蓄やレシピについて、イラストや写真つきでわかりやすく紹介。食物アレルギー児への対応、災害に向けた環境整備など、子どもを持つ親や保育者が知っておくべき内容がまとめられている。

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 監修者の国崎信江氏は、女性や生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱する危機管理アドバイザー。講演活動やテレビ・新聞などで情報提供を行っており、『実践! 園防災まるわかりBOOK』などの著書も多い。

おいしい防災食で“生きる力”をアップ!

いつもの食事にも取り入れたい 防災食
『いつもの食事にも取り入れたい 防災食』(祐成二葉:監修/ぴあ)

 精神的に追い詰められてしまう被災時には、適度にストレスを解消することが大切。おいしい食事を用意すれば、生きる活力を養えるかもしれない。そこでおすすめしたいのが、料理家・フードコーディネーターの祐成二葉氏が監修を務めた『いつもの食事にも取り入れたい 防災食』だ。

 同書で取り上げている「防災食」は即席で作れるので、被災時に役に立つこと間違いなし。普段の生活で作り慣れておけば、いざという時でも自分や家族の舌に合ったメニューを用意できるはず。また家族の防災意識を高める効果も期待できるだろう。

 防災食の知識に加えて、工夫を凝らした「ポリ袋レシピ」や「缶詰レシピ」、「保存食レシピ」をたっぷり掲載。肉や魚、卵を日持ちさせる「食材の保存法」などの知識も身につけられる。「防災食っておいしくなさそう…」と思っている人は、ぜひ一度同書をチェックしてみてほしい。

目からウロコのレシピが満載!

おかあさんと子どものための防災&非常時ごはんブック
『おかあさんと子どものための防災&非常時ごはんブック』(草野かおる:著、木原実:監修/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 大人気“そらジロー”でおなじみ、「news every.」お天気キャスターの木原実氏が監修を務めた防災本が『おかあさんと子どものための防災&非常時ごはんブック』。いざという時に防災のリーダーとなるお母さんのために、防災知識や非常時のレシピをふんだんに取り上げた1冊だ。

 前半では災害の種類や被災した場所ごとに、命を守るための行動や備えについて解説。「居場所が子どもと離れている時」や「子どもと一緒に料理している最中」など、具体的なシチュエーションに合わせた対処法を取り上げていく。

 そして後半では非常時に役に立つ調理法や備蓄法、レシピをふんだんに掲載。電気・ガス・水道などのライフラインがストップした状況でも困らない、画期的なご飯の作り方も紹介されている。いずれもわかりやすくかわいい4コママンガで解説されているため、子どもと一緒に楽しく知識を得られるはずだ。

宇宙食に使われる最新技術の災害食も!?

防災教室 災害食がわかる本
『防災教室 災害食がわかる本』(今泉マユ子/理論社)

『防災教室 災害食がわかる本』は近年注目を集めている「災害食」に関する情報をまとめた書籍。著者の今泉マユ子氏は、2人の子どもを育てながら働く管理栄養士。2011年3月11日の東日本大震災をきっかけとして災害食の研究をはじめ、多くの人に「備えることの大切さ」を伝えてきた。

 昔の非常食は長期保存とエネルギー補給を最優先に考えていたため、水分が少なくて硬いものが多かったが、現在ではおいしく食べられる食品が増えてきているそう。たとえば火を使わずに温められる発熱剤入りの災害食セットは、電気やガス、水道が使えない時に大助かり。作り方も簡単で、30分ほど待つだけで温かい食事にありつける仕組みになっている。

 また同書では、親子で覚えておきたい非常時の“サバイバルレシピ”も考案。ポリ袋を使用した「お湯ポチャレシピ」はうまみを逃さず、いくつかの料理をひとつの鍋で同時に作れるのがメリットだという。ラーメンやお雑煮、肉じゃが、ケーキなどの他、ご飯を炊く時にも役立つので、日頃から練習しておくといいかもしれない。

「即」作れて「即」食べられる簡単レシピ!

かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん
『かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん』(今泉マユ子/清流出版)

 災害時の食事は、手軽で素早く作れるものが理想的。今のうちにレシピをしっかり習得しておきたい、という人は『かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん』を読んでみることをおすすめしたい。

 同書に掲載されているのは、災害時にはもちろん日常生活でも便利な「即食」レシピ。ポリ袋でまぜるだけの「さばコーンおかか和え」や「さばのわかめのごま和え」、時短で作れる「さば缶」レシピなど、バリエーション豊かなメニューが揃っている。

 ポリ袋で調理するため手間なし、洗いものなしで作れるのもうれしいところ。缶詰やレトルト食品、乾物といった保存しやすい食材を使っているので、忙しくて食事に時間がかけられない時にも活用できる。レシピや調理法だけでなく、著者が実践する防災例も掲載されているため、災害時の備えとしてぜひ手元に置いておきたい1冊だ。

 いつどこで震災などの被害に見舞われるか、誰も知ることはできない。少しでも不安を減らしておきたいなら、家族と一緒にしっかりと対策を練っておくことが必要だ。本稿で紹介した本を手に取って、災害時に必要な知識を身につけてみてはいかがだろう。