【特集:マギアレコード③】[見滝原魔法少女座談会]悠木 碧×斎藤千和×水橋かおり×野中 藍 10年前の記憶とともに再集結!

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公開日:2020/9/20

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 伝説の作品『魔法少女まどか☆マギカ』で〈魔法少女〉を演じたキャスト陣が再集結。鹿目まどか役の悠木碧、暁美ほむら役の斎藤千和、巴マミ役の水橋かおり、佐倉杏子役の野中藍――4人に10年を経た『まどか☆マギカ』への記憶と願いを語っていただいた。

魔法少女まどか☆マギカ場面写真

 

最初からインパクトがあった

野中 お久しぶりです。みんなのことは雑誌などで拝見してました! あおちゃん(悠木)もすっかりオトナっぽくなって~!

悠木 親戚の子どもは育つの早いみたいな感じですよね(笑)。『まどか☆マギカ』オーディションから数えるともう10年ですから。当時のこと覚えてます?

斎藤 私はキュゥべえと(上条)恭介のオーディションを受けていたんです。そうしたら脚本の虚淵(玄)さんから「暁美ほむら役も受けてもらえないか」と言われて。だから当時は本編のストーリーをしっかりと把握していないまま、ほむら役を受けたんです。

悠木 私は鹿目まどか役を受けたときに、いっしょに受けていた声優さんがみんな当時の私よりも若手で。これは若い子が受ける役だから無理だろうなと思っていました。

野中 そうだよね。まどかは若い子がやるだろうから、私は見た目が好みの(巴)マミさんと、自分と全然違うイメージの(佐倉)杏子を受けたんです。杏子のオーディションのときは、中学生のころの反抗期を思い出して演じたのを覚えています。

水橋 私はさやかとキュゥべえとマミさん。シャフトさんのオリジナル作品……監督、脚本、キャラデザ……どれも私がリスペクトしている方ばかりで受かりたいけど……でもきっと難しいだろうな……って思ってました。

斎藤 たしかかおりさんは、マミさんが途中で死んじゃうことを知っていて、受けたそうなんですよね。

水橋 よく覚えてるね(笑)。はい。それがわかっててあえて選びました。こんな可愛らしい人がどう生きてどう死んでいくのか演じてみたかった。

悠木 でも、その気持ちわかります。最もインパクトを残すキャラクターですよね。

――『まどか☆マギカ』が挑戦的な内容になることは、キャスト陣は早い段階から知っていた。

悠木 私はオーディションのときにプロットを読ませてもらっていて、どんなストーリー展開になるのかは知っていたんです。第3話でマミさんが死ぬことも知っていました。そうしたら、キャラクターデザインがすんごくかわいかったんです。これはヤバイことをやろうとしているんだなと(笑)。こういう独特な作品なら、私がまどか役をやれるチャンスがあるかもしれないなと思ったんです。

斎藤 あおちゃんが言う通り、オーディションには若い声優さんがたくさんいたのに、虚淵さんがほむら役を私に頼むというのは何かあるのかな?と思ったんです。ほむらは何度も時間を行き来しているので、単純に生きている年月だけを足すと、ある意味おばちゃんなんですよね(笑)。その老成した感じは、私が若手の頃にはできない役だったかもしれないなと感じました。

――〈先輩魔法少女〉のマミが〈魔女〉に倒されてしまう第3話がオンエアされると、『まどか☆マギカ』は大きな話題となり、劇場版アニメ作品としても展開していくことになる。TVシリーズを再構成した「[前編]始まりの物語」「[後編]永遠の物語」、そしてその続編となるオリジナル作品「[新編]叛逆の物語」だ。

斎藤 [新編]の収録台本は前半と後半に分かれていて。最初に私たちの手元に届いたのは、前半だけだったんです。前半は〈魔法少女5人〉が「ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット」を結成するという展開でしたから。なんじゃこりゃ、これはどういうこと?とキャスト陣で話し合いましたね(笑)。

水橋 マミさんの趣味全開(笑)。こんなお茶目さんだとはTVのときはつゆ知らず(笑)。

野中 [新編]の前半では、杏子が見滝原の高校へ通っているんです。「え? 杏子が普通に学園生活をおくってる?」と思って戸惑いました。

悠木 前半で上げたら、後半は落とすに決まってる!って、みんな警戒していましたよね。

水橋 良い意味で誰も虚淵さんを信じてない(笑)。絶対しかけてくる、って。新房さんも新房さんでほのぼのなところはとことん可愛い画面にするからもう余計に疑いが(笑)。でもそこにまんまとハマるのが楽しい。ジェットコースター感なワクワクがあります。

悠木 後半の台本をいただいたときは衝撃で。まさか、ほむらちゃんが悪魔になっちゃうとは。

斎藤 最初の収録のときは悪魔後からのアフレコ映像が完成していなくて、ほむらがすごく怖い表情をしていたんです。それに合わせて芝居をしたんですが、「ほむらが絶対に帰ってこれない場所に行ってしまった」と感じる出来になってしまったので、もうちょっと中学生っぽさを残すというか、感情にブレーキを踏みながらの芝居で再録音しました。でも、最初のテイクも捨て難いとのことで、パッケージには両方のバージョンが入っています。

魔法少女まどか☆マギカ場面写真

 

野中 最後のほむらちゃんのセリフにはぞわぞわしました。

悠木 [新編]の結末では、まどかは救われない状態なんです。どうにか解決してほしいという気持ちもありつつ、救われないのも『まどか☆マギカ』らしいのかなと。その正解がわからないまま『マギアレコード』の収録がはじまりました(笑)。

斎藤 そうなんですよね。3年後くらいに何かあるのかなと思っていたんですが、もうちょっと時間がかかるのかな?

――劇場版[新編]から約4年後、スマートフォンゲーム『マギアレコード』がリリース。こちらでは〈見滝原の魔法少女〉として『まどか☆マギカ』のメンバーが登場している。

水橋 『マギアレコード』でマミさんはどんな形で関わるのかな、と思ってたらあんなことに(笑)! でもどこにいてもマミさんはなんだかんだマミさんなんだなあ……とキャラクターのもつ包容力に改めて感動したのを覚えてます。

野中 『まどか☆マギカ』のころからキュゥべえと契約してしまった〈魔法少女〉はもっとたくさんいるんだろうなと思っていたんです。だから『マギアレコード』に参加して、こんなにもたくさん〈魔法少女〉がいたんだと思って。キュゥべえはひどいやつだなと思っていました。

悠木 後輩たちに作品を引き継げたという気持ちがありました。『まどか☆マギカ』という作品が、若い世代にゆだねられて、広がっていくんだなみたいな。卒業した気持ちもありました。

斎藤 『マギアレコード』は、『まどか☆マギカ』の続きというよりは別作品という印象があるんです。あくまでもお邪魔する、という感覚がありますね。OG感があるというか(笑)。

――アニメ版『マギアレコード』の第1シーズンでは佐倉杏子や巴マミが登場している。後輩の〈魔法少女〉たちとのアフレコはどうだっただろうか。

野中 ちょっと荒らしてきました(笑)。アニメで杏子を演じるのが久々だったので、アフレコ現場では自分のことでいっぱいいっぱいでした。アクションシーンや変身シーンもめちゃくちゃカッコよく描いていただいてるし、しびれる台詞もありましたし、〈後輩魔法少女〉の前ではやっぱりカッコいい杏子でいたいので、その期待に応えられるようにがんばりました。

水橋 アニメ『マギアレコード』、マミさんも同じく荒らしてきましたよ(笑)! そんで私もいっぱいいっぱいでした。少しは先輩魔法少女らしいところ見せられた……かな……どうだろう。不安(笑)。

野中 『マギアレコード』の収録現場は『まどか☆マギカ』と同じスタジオなんです。だから、久々に部活にきた先輩みたいなOG感が私にもありましたね。

一同 (笑)

――来年は『まどか☆マギカ』10周年、〈見滝原の魔法少女〉キャスト陣はどんな気持ちで10年目を迎えるのだろうか。

斎藤 数年前に『まどか☆マギカ』のコンセプトムービーを収録したんです。そのときに、これが続編になるのかなと思ったんですよね。

悠木 ああ、まどかがバレエをするムービーですよね。でも、続編でどんな話になるのか本当にわからないですよね。〈魔法少女〉の仕組みを変えるしかないんじゃないかな……。

斎藤 サスティナブルな〈魔法少女〉を目指すしかない(笑)。

野中 たぶん私たちの想像の遥か斜め上を行く内容になると思うので、単純に続編が観たいですよね。

水橋 あー、観たいね、続編。これがすぐには難しいなら、TV本編に新規映像足した補完バージョンが見たいな……是非お願いします!

斎藤 10年目に何かあるとうれしいですよね。OGにできることがきっとあるはずです。

悠木 あわてて続編をつくるのではなく、じっくり続編を考えてくださっているのは、ありがたいなと思います。スタッフのみなさんが本当におもしろいと思った続編を私たちも楽しみにしています。

ゆうき・あおい●幼少期から子役として活躍。幼いころから声優の仕事も受けてきたが、2008年ごろからヒロイン役を演じるようになる。出演作に『ヒーリングっど♡プリキュア』花寺のどか / キュアグレース役、『戦姫絶唱シンフォギア』立花響役、『ブギーポップは笑わない』ブギーポップ / 宮下藤花役など。

さいとう・ちわ●1999年『魔術士オーフェン Revenge』レミ役で声優デビュー。シャフト作品では『月詠 -MOON PHASE』でヒロイン・葉月役を演じて以来、数多くの作品に出演している。出演作に〈物語〉シリーズ戦場ヶ原ひたぎ役、『黒子のバスケ』相田リコ役など。

のなか・あい●2000年声優デビュー。03年に『宇宙のステルヴィア』でヒロインに大抜擢。『ネギま!?』近衛木乃香役、『電波女と青春男』藤和女々役などのシャフト作品で活躍。ほかの出演作に『CLANNAD-クラナド-』伊吹風子役、『Fate/Apocrypha』フランケンシュタイン役など。

みずはし・かおり●2000年『機巧奇傳ヒヲウ戦記』で声優としてレギュラー役を獲得。出演作に『ひだまりスケッチ』宮子役、『魔法少女リリカルなのはvivid』高町ヴィヴィオ役、『カスミン』春野カスミ役、〈物語〉シリーズ忍野扇役など。

取材・文:志田英邦

 

この記事で紹介した書籍ほか

ダ・ヴィンチ 2020年10月号

出版社:
KADOKAWA
発売日:
ISBN:
4910059871000