内 博貴「今の自分にできることを一つずつ実践すれば、必ず前に進める」

あの人と本の話 and more

公開日:2020/12/9

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、舞台・ミュージカルを中心に、話題作への出演が続く内博貴さん。内さんが新たに挑むのは、現実を彷彿とさせる医療ヒューマンドラマ『「ドクターブルー」~いのちの距離~』。本作で感染症に立ち向かう若き医師を演じる。書店で気になった本をいつもまとめ買いするという彼が、コロナ禍のいま、薦めたい作品とは?

内 博貴さん
内 博貴
うち・ひろき●1986年、大阪府生まれ。99年、ジャニーズ事務所に入所。2010年、舞台『ガイズ&ドールズ』初主演。以降、舞台・ミュージカルを中心に活動。「読書が好きなのは、舞台に立つときの想像力を鍛えてくれる頭の体操でもあるから。たまたま『ペスト』を買っていたので、舞台の前に読んでみようと思っています」(内)

「読むと、前向きになれるんですよ。明日からも頑張ってみるか、って」

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 内博貴さんが薦めるのは「夢をかなえるゾウ」シリーズ。人生を変えたいと願う人々の前に、関西弁をしゃべるゾウの神様・ガネーシャが現れ、課題を与えながら導いていく物語。

「食事は腹八分目にしろとか、会った人を笑わせろとか、そんな課題になんの意味があるんだ?と最初は思うんだけど、読み進めるうちに、些細な積み重ねが人生を大きく変えていくんだってことがわかってくる。課題を全部実践するのは大変だけど、落ち込んで、何をしたらいいかわからなくなったときは、自分でハッとしたものを一つでいいから試してみるといいんじゃないかな。読み物としても、主人公とガネーシャの掛け合いに笑えるし、自然と元気になれる」

 神様というわりにはガネーシャは大雑把で強欲。知り合いのおっちゃんと話しているような気軽さがある。

「4巻だけは余命宣告された人が主人公で、ちょっとテイストが違うけど、3冊を通じて夢の叶え方を学んできたあとに知る、夢の手放し方はきっとグッときます」

 ちなみに内さん自身が夢を叶えるために心がけていることは?

「すごく普通だけど、家をきれいにして、埃を溜めこまないようにすること。3巻にもありましたよね、モノで溢れた部屋に住んでいる女性がガネーシャに断捨離させられるシーン。僕も、もともとは思い出の品を大切にとっておくタイプだったんだけど、あるときジャニーさんに言われたんです。『過去にすがるな。未来に進むためには、さみしがってちゃだめだ』って。それからは、いま必要でないものは極力捨てるようになったし、身軽でいたいと思うようになりました」

 そんな内さんが現在取り組んでいるのが舞台『ドクター・ブルー』。感染症が蔓延した日本のある町で命をかけて働く医師たちの姿を描きだす、コロナ禍の現状を彷彿させる作品だ。

「信じていた“当たり前”がなくなっているのを、僕自身、日々感じていて。ライブのお客さんもみんなマスクをしているから表情が見えない。でも、声を出せないぶん、大きくうなずいたり拍手したりしてくれて、僕も前以上に相手のことを想像するようになった。不便さを普通のことにはしたくないけれど、やっぱりできることを一つひとつやっていくしかないんですよね。そういう今だからこそ、やる意味のある舞台なのだと思います」

取材・文:立花もも 写真:干川 修

 

舞台『「ドクター・ブルー」 〜いのちの距離〜』

舞台『「ドクター・ブルー」 〜いのちの距離〜』

医療監修:北村義浩 作・演出:モトイキ シゲキ 出演:内 博貴、松下優也、室 龍太、吉倉あおい、高島礼子、麻実れい ほか 公演:2021年1月23日〜2月7日 神奈川芸術劇場、2月13日・14日 御園座、2月26日〜28日 NHK大阪ホール
●日本国内のある町の病院に瀕死の重篤患者が搬送され、それを皮切りに次々と同じ症状の患者が運び込まれる。未知の感染症なのか。拡大を防ぐべく、若き医師たちは必死で治療を続けるが……。