ローランド「どんな勝負でも、負けないための一番の方法は、闘わないこと」

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更新日:2021/7/21

“現代ホスト界の帝王”と呼ばれ、現在は実業家として幅広く手腕を発揮するROLAND(ローランド)さん。独自の美学と哲学から成る数々の名言が話題を呼び、その言葉に勇気づけられた人も多いことだろう。だが、言葉は武器ともいうだけあって、使い方をまちがえると人を深く傷つけてしまう。そこで、これまでに生き方や言葉を自身の著作『俺か、俺以外か。 ローランドという生き方』や『君か、君以外か。 君へ贈るローランドの言葉』でもテーマにしてきたローランドさんに言葉を取り扱うときにいちばん大事にしていることを聞いた。

(取材・文=立花もも 撮影=内海裕之)

――〈俺の言葉は永遠に不滅だ。俺の言葉がある限り、世界は永遠に明るい。〉とおっしゃるなど、ローランドさんがご自身の武器として言葉の力を強く信じているのはなぜなのでしょう?

ローランド ビッグマウスな人って、自信過剰な人だと思われやすいけれど、逆なんですよ。意志が弱くて、自信がないからこそ、大きなことを言う。発言によって生じた責任で襟を正すことで、どうにか前進していけるんです。ポジティブなことを言うのも、同じ。「ローランドさんのあの言葉に救われました」なんて言ってくれた人の手前、僕がうじうじ落ち込んだまま生きているわけにはいかない。自分の発言に見合う人間として生きていきたい、と発破をかけているんです。そして僕が、言葉どおりの人になればなるほど、発言に重みが増して、より多くの人を勇気づけることもできる。やっぱり、考えていることを言葉にしてアウトプットすることは大事だなと思います。

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 ただ、武器というだけあって、言葉は使い方をまちがえると人をナイフで切りつけるように傷つけてしまう。医者に治せないような心の病も、誰かの一言で癒えることもあれば、幼いころに言われたたった一言のせいで、大人になった今も立ち直れずにいることもある。力があるからこそ、使い方には慎重にならなきゃいけないと常々思っています。

――とくにSNSの普及で、言葉の暴力は大きな問題となっています。

ローランド 攻撃的な言葉が向けられる機会が増えたぶん、癒えない傷を抱えている人もたくさんいますよね。だからこそ、僕にできることはできるだけ誰かが明るい気持ちになれる言葉を発信していくことだけなんですが……。よく聞かれるんです、「どうやったらローランドさんみたいに、ポジティブにアンチや誹謗中傷を無視することができますか?」って。でも僕だって人間なので、ネガティブな言葉を目にすればそれなりに傷つきます。

――だからデジタルデトックスをして、SNSを見ることもやめた。

ローランド どんな勝負でも、負けないための一番の方法は、闘わないことですから。とくに著名人の方が闘わなきゃいけないアンチは、ほとんどが匿名で、その時点でフェアじゃない。こちらが無防備な素手の状態であるのに対し、相手は武装しているようなものですからね。そんな相手と、闘う必要はないと思います。昔は「聞く耳をもちなさい」なんて大人たちから言われたものだけれど、今は「聞かない耳をもつ」ほうが大事なんじゃないのかな。

――たしかに、言われたことすべてに、真摯に耳を傾けてしまう人ほど、心を病んでしまいがちです。

ローランド 言葉を取り扱うときにいちばん大事なのは洞察力だと僕は思っていて。たとえば「かわいい」って言われて嬉しくない人はいない、って一般的には思われているけれど、言われ慣れている人からすれば、「どいつもこいつも同じことばっかり言いやがって、つまんねぇな」ってチープに感じるかもしれないじゃないですか。これを言えば正解、というものはなくて、一人ひとり適した言葉をそのつど探っていかなきゃいけない。それを探るには、相手との関係をふまえたうえで、表情やその人自身が語る言葉を総合的にみていくことが必要だと、僕は肝に銘じているんだけれど。

――SNSで出会う人はそんな洞察力を発揮してはくれませんよね。

ローランド 昔からよく言われるように、やっぱり、出る杭は打たれるんですよ。自分にはできない尖ったことをしている相手に対して、人は「そんなことしないほうがいいよ」とか「普通じゃないから直したほうがいいよ」とか言いたがる。でもそれを全部聞いて、炎上しないようにミスをしないように気をつけていたら、個性がなくなっていくだけ。

――不思議ですよね。これだけ多様性の時代と言われながら、ちょっとでも外れたことをすると叩かれてしまう。

ローランド 世間的な自分の評価を確認できるツールがあまりに多すぎるんでしょうね。人に嫌われるのをおそれることは、昔から変わらない人の習性だと思うけれど、これがだめ、あれがうざい、と他人の意見を目にする機会があふれかえりすぎて、みんな小さくまとまってしまう。くだらないな、って思います。自分の人生の主役は、常に自分。自分の味方をできるのも、自分だけ。SNSに縛られないで、どうすれば自分が自分らしく、楽しく生きていられるかを考えてほしいなと思います。

――できるだけ互いに傷つけあわずコミュニケーションを重ねるために、洞察力を養う以外で意識していることはありますか?

ローランド やっぱり、語彙を増やすことですかね。僕は映画からインプットすることが多いのですが、エンターテインメントをただ楽しむだけでなく、ひとつでも何かを吸収しようという気持ちで向き合うといいと思います。それこそ、相手に対する好意を表現するためには、みんなと同じ「かわいい」だけを連発していたらだめですし、怒っていることを伝えるためには、感情的に「むかつく!」だけ言っても、うまくは伝わらないですから。

――「見た目に反して賢いですね」と言われて「その逆よりは、いいんじゃない?」と切り返すなど、ローランドさんは波風を立てずにエレガントにいなすすべもお持ちですよね。

ローランド ユーモアまじりに皮肉を返すというのは、誰にとっても、備えて損はしないスキルのひとつだと思います。言葉づかいにはいちばん品格があらわれますからね。僕も、同じことを学生時代の友達に言われたら「はあ?」って返しちゃうかもしれないけれど(笑)、パブリックな場所だけでもエレガントな言葉づかいを心がけることで、品のある人間として育っていきたい。最初に言った、弱い人こそビッグマウスで自分をふるいたたせる、というのと同じですね。

――そんなローランドさんが今抱いている、ビッグな夢はありますか?

ローランド サッカーで世界一をとりたい、というのは目標のひとつとしてありますね。選手としては無理でも、ヨーロッパで毎年行われる大会にオーナーとして参加してみたい。いろいろ事業に力を入れているのも、そのための足掛かりなんですよ。サッカーはやっぱり僕の原点だし、一生、好きでい続けるだろうと思う。だからいつか絶対、自分のクラブを持って世界一をとりたいと思っています。

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