花谷麻妃「見かけによらず趣味が濃い、とよく言われます(笑)」【声優図鑑】

アニメ

公開日:2021/8/2

花谷麻妃

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第266回目に登場するのは、中学生の頃にアニメ『くまみこ』のOP曲でソロデビューし、今では『アイドルマスター シンデレラガールズ』の遊佐こずえ役として活動の幅を広げる花谷麻妃さん。子どもの頃から魔法少女や自衛隊に憧れた理由には、どうやら共通する想いがあるようで。見かけによらない(?)独特な嗜好や個性あふれるプライベートにも注目です。

「しゃべってみたら可愛くない」って言われます(笑)

——小学生の頃、『魔法少女まどか☆マギカ』を観て声優に興味を持ったそうですが、どんなところが好きなんですか?

花谷:暗い展開もありますけど、あの儚さが好きです。少女が必死に戦うんだけど報われないこともあって、そういうことあるよね?って。とても共感して、私も魔法少女になりたいと思ったけど、簡単になれるものではないから、それなら声優になろうと。私の人生を変えてくれたアニメです。

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——以前は子役やアイドルのお仕事もされていましたね。

花谷:3歳から子役としてCMなどに出ていました。演じること自体は変わりませんけど、声優は声だけで表現するところがすごいなと。限られた空間の中で体を動かして、自分や相手の感覚を掴んで演技をする先輩方は、みなさん本当にすごくて、私はまだまだスタートラインにも立てていないなと感じます。

——小さい頃は、どんなタイプの子どもでしたか?

花谷:テレビっ子でした。みんながあんまり知らないようなCMとかも全部覚えちゃうくらい。学校から帰ったらすぐにテレビをつけて、「カートゥーン ネットワーク」とか「ディズニー・チャンネル」をずっと観てました。外国のアニメって、目が飛び出したり色が濃かったり、大胆な感じがおもしろくて。

特に好きだったのは、『無口なウサギ』っていう社会風刺が入っているようなアニメとか。『トムとジェリー』も当時から好きで、初期のDVDはほぼ全部持ってますし、今でも宝物です。だから「カートゥーン ネットワーク」のアニメに出ることも一つの夢なんです。

——そういう姿を観て、ご両親が芸能の世界に進ませたのかなと思えてきます。

花谷:どうなんでしょうね。でも、華やかな世界で生きてほしいから、って言われたことはあります。3歳の頃に自我なんてなかったと思いますけど、今では感謝してます。声優のお仕事も家族全員で応援してくれますし。

——自分の声や個性で注目してほしいポイントは?

花谷:見かけによらず趣味が濃い、ってよく言われるので、その個性をこれからもたくさん出していきたいです。役では癒し系のキャラクターを演じることが多いんですけど…私自身は「しゃべってみたら全然可愛くない」って言われます(笑)。

——ギャップがいいですね(笑)。確かに趣味は、昭和歌謡に自衛隊など、かなり個性的で。

花谷:自衛隊は子どもの頃から好きで、剣道も自衛隊に入りたくて始めたんです。たぶん、人を守りたいんでしょうね。小さい頃、自衛隊の総合火力演習によく連れていってもらったんですけど、戦車が実際に空砲を撃つような演習で、自衛隊の人たちがビシっとしてる姿がかっこよくて。こういう人たちが国を守ってるんだなって小さいながらに思ったんですよね。

ライブはお勉強6割、楽しさ4割

——『アイドルマスター シンデレラガールズ』で演じる遊佐こずえ役は、まさに癒し系の女の子ですが。

花谷:こずえちゃんは、ずっと眠かったり、いつもふわふわしている子。私も常に眠い人なので、そこはよく似てるんですけど、ゆっくり喋るのが難しくて。ゆっくり喋りすぎても聞く人が疲れちゃうし、ちょうどいいスピード感を探るのが大変でした。すごく悩んで、いろんな方に相談しながら、最近ちょっと掴めてきたかなと。

——ある意味、人を守るというか、たくさんの人を元気にするようなコンテンツですよね。

花谷:私自身も元気をもらってるなと思います。グループ自体の仲がよくて、ファンのみなさんも、キャラクターたちの世界を守ってくださっている感じがして。ライブはまだ一回ですけど、私自身も楽しみにしていて、お勉強6割、楽しさ4割、いつも新しい発見があってありがたいです。

共演させていただいている皆さんやスタッフの方も、「みんなもう仲間なんだから何でも言って」と声をかけてくださって、話し下手な私の緊張を取り除いてくださったり、花ちゃんってあだ名をつけてくださったり。家族の次に大切な存在になっています。

——お話があまり得意ではないということですが、ラジオのお仕事もされています。

花谷:この前まで、集貝はなさんと出演していた「ふたラジ!!」がすごく楽しかったです! 30分番組に編集されてますけど、実際は話が尽きなくて、1〜2時間しゃべってるんですよ。これ言っていいのかなとか、考えすぎて言葉が出てこないほうなんですけど、集貝さんに引っ張っていただいて、すごくフリーダムに話せたと思います。お話すること自体は好きなんですよ。また2人でやりたいねって、集貝さんといつも話してます。

——「声優e-Sports部」はゲーム好きの花谷さんと相性が良さそうな番組で。

花谷:自由気ままにゲームさせていただいてます。普段はゲームに集中して画面をにらみつけてるんですけど、ゲームの説明をしていると、目の前に敵が現れても気づけなくて…実況は難しいですね。

——『Dead by Daylight』もプレイしてましたね。

花谷:生放送で殺人鬼に追われるのは本当にドキドキします。一緒にプレイしている小原莉子さんが、すごくお話が上手で、でもプレイ中は言葉が激しくなるのがおもしろくて(笑)。緊張していつものようなスコアが取れなかったから、今度もう一回やりたいです!

みんなから愛される声優になりたい

——プライベートについてもうかがいます。よくコンビニで買うものは?

花谷:サワークリームオニオンのポテチと、雑誌も付録が好きでつい買っちゃいます。フライドチキンとかポテトとかのホットスナック系も、2日に1回は摂取しないとウワーッ!ってなるくらい好き。とにかく揚げ物が好きで、ずっと油のこと考えちゃって…これって依存症なんですかね!?

——依存症に近いものがありそうです(笑)。雑誌の付録はどんなものに弱いんですか?

花谷:クマ柄が好きなので、クマグッズがあれば必ず買っちゃいます。特にテディベアの柄が好きで、1日ひとつはクマを身につけてないと落ち着かないくらい。今日も小指にクマのリングをつけてます。原田治さんのイラストも好きで、この前はエコバッグの付録を見つけて買いました。原田さんのミスタードーナツのエコバッグも買ったし。エコバッグばっかり買ってますね(笑)。

——夜にしているナイトルーティンを教えてください。

花谷:最近は長風呂をします。お水やスマホも持って入って、動画を観たり、お気に入りのアーティストの曲を調べたりするのが好きで。寝る前は必ずゲームもするので、夢でよくゾンビに追われます。猫におやすみって挨拶するのも毎日ですね。おやすみっていうと尻尾を振って目を閉じるので、言ってることがわかるのかな?と思って、挨拶するようになりました。

——夢の中にゾンビが出てきたらさすがに怖いのでは…?

花谷:それが、怖くないんです。最近印象に残ってるのは、中華街みたいな場所で、店員が全員ゾンビで、綿アメを作ったりしている夢ですね。通り過ぎるゾンビが全員後ろについてきて、「これ大丈夫?」って思ったところで起きました。ゾンビが好きすぎて、起きてる時も、今ゾンビが襲ってきたらどこに逃げよう、って考えてます。やっぱり食料がたくさんあるショッピングセンターがいいのかなとか、車よりガソリン切れのない自転車のほうがいいのかな、とか。

——準備万端ですね(笑)。ちなみにお風呂の中でチェックしている好きなアーティストとは?

花谷:ローリングストーンズ、スティング、チャーリー・プース、竹内アンナさん…。村下孝蔵さんもすごく好きで、『初恋』『かざぐるま』『夢の続き』などをよく聴きます。小島麻由美さんみたいな歌を歌うのも夢です。

——声優さん同士の交友関係はどうですか?

花谷:声優の活動を始めてから、コロナ禍でなかなか会えないんですけど、同じ時期に『シンデレラ』で声がついた星希成奏さんや集貝はなさん、中澤ミナさん、生田輝さんとは早くご飯行きたいねって話したり。ルゥティンさんは『コール オブ デューティ』が好きで、一緒にやろう!と誘ってくださったり。これから楽しみですね。

——お仕事の広がりも、まさにこれからだと思います。

花谷:洲崎綾さんや佐倉綾音さん、水瀬いのりさんが好きなんです。私も演技をもっと勉強して、お喋りも上達させて、みんなから愛される人になりたい。人とは違う味を持つ声優になることも目標です。ファンの皆さんはTwitterや生放送を通していろんなことを教えてくださって、私の支えになっています。まだまだ未熟ですが、もっとがんばりますので、成長を見守ってもらえたらうれしいです。

——花谷さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】花谷麻妃さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

花谷麻妃

花谷麻妃(はなたに・まき)Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=麻布たぬ、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト