『コレットは死ぬことにした』作者が手掛ける不思議でハートフルな物語!『ピチカートの眠る森』最新3巻は新たな「出会い」と「別れ」…?

マンガ

公開日:2024/2/24

ピチカートの眠る森
ピチカートの眠る森』3巻(幸村アルト/白泉社)

 ひょんなことから出会った箱入りピアノ少女・エミリーと、ミステリアスな少年・シュラによる不思議でハートフルな共同生活を描いた『ピチカートの眠る森』。そのコミックス最新3巻が、2024年2月20日(火)に発売された。今回は、どんなワクワクの物語が待っているのだろうか。

『ピチカートの眠る森』は、少女マンガ誌『花とゆめ』で連載中のファンタジー作品。癒やし要素満載な作風はもちろんのこと、大人気マンガ『コレットは死ぬことにした』の著者・幸村アルトが手掛けた作品ということもあって、既刊3巻ながら高い注目度を誇っている。

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 そんな同作の物語は、箱入り娘の主人公・エミリーが夏休みを利用して高祖父が建てた別荘を訪れるところから始まる。愛読書「エミリーの冒険」に憧れてひとり暮らしをスタートさせようとしていたところ、思わぬアクシデントが発生してしまう。なんと誰もいないはずの別荘で、見知らぬ少年が昼寝していたのだ。

 少年の名前はシュラ。彼はバックパッカーで、あるとき別のバックパッカーから別荘の鍵と権利書を譲ってもらい、「なんか面白そうだから」という理由で同地を訪れたという。実に不可解な成り行きだが、なんでもこの鍵と権利書は「旅人の間を流れていくフシギなもの」なのだとか。そこから紆余曲折を経て共同生活をスタートさせていく一方、この別荘には2人以外にも“妖精”が住んでいて……。

 ストーリーの根幹は、少女マンガの王道とも言える“ガールミーツボーイ”。加えて2人が抱える「秘密」が物語のカギとなっている。たとえばエミリーは、ピアノに対して吐き気を催すほどのトラウマを抱えており、シュラもまた家族にまつわる暗い過去が示唆されていた。そんな重めのバックグラウンドと温かな作風の調和こそが、同作の魅力と言えるのかもしれない。

 そして今回の最新3巻では、エミリーとシュラが妖精たちの“とある秘密”に迫っていく。そこでちょっとしたハプニングが巻き起こり、2人の距離が急加速的に縮まっていくような描写も登場する。さらに新たな妖精との出会いと別れが描かれるなど、心揺さぶられるエピソードが満載だ。

 不思議な別荘を舞台に、秘密を抱えた人物たちのハートフルな共同生活を描いた『ピチカートの眠る森』。ひと度読めば、その優しい物語に心癒されるだろう。

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