映画『ヒーローマニア 生活』公開! 多様化する今どきヒーロー漫画3選!

マンガ

公開日:2016/5/5

 子供の頃、テレビの中で活躍す漫画、アニメ、特撮のヒーロー・ヒロインに憧れた過去を持つ人は少なくないはず。一般的に優しさとかっこよさ、強さをあわせ持ち、正義を貫き強大な悪に立ち向かうという、イメージが強い“ヒーロー”ですが、5月7日から全国公開される映画『ヒーローマニア 生活』は、コンビニバイトのフリーターや元下着ドロボーのニートなど、ダメさが目立つキャラクターが登場し、小さな悪を退治していくヒーローコメディなのです。最近では、同作のようにちょっと異色(?)なヒーロー漫画が人気を博しているらしい! ということで、今どきヒーロー漫画3作品をご紹介します。

■『生活【完全版】』(福満しげゆき/講談社)

 映画『ヒーローマニア 生活』の原作でもある同作。小説家を目指しながらも書きたいこともなく、コンビニでバイトをしている主人公(以下、フリーター)は、ある日、高い身体能力を持つ下着ドロボー(以下、ニート)を捕まえる。その後、ニートを自宅に招いて「君はあれだけの行動力があるわけだから…なんかもっとすごいことができるんじゃないの?」と諭すと、テレビから女子高生へのワイセツ行為で逮捕された教師・佐藤のニュースが流れる。そのワイセツ教師にいたく立腹したニートの様子を見て、フリーターは2人でワイセツ教師を成敗することを提案する。佐藤らしき男との決闘の末、歩道橋の上から男を吊るすことに成功した。しかし、翌日の報道で2人が吊るしたのは佐藤ではなく、連続通り魔殺人犯だったことが判明する。謀らずも、2人は悪をくじく “吊るし魔”として少しだけ世間を賑わせることに。その後、吊るし魔の正体を突き止めた「女子高生」と、自作の仕込みカナヅチで不良を殴って懲らしめていた「オジさん」の2人も、彼らの“吊るし魔活動”の仲間に加わり、物語は思わぬ方向に。なんだかダメなキャラクターたちがダメなりに悪を懲らしめる姿に少し笑えて、応援したくなる本作。

■『ワンパンマン』(ONE:原作、村田雄介:作画/集英社)

 原作者のONEが手がけたウェブ漫画『ワンパンマン』が驚異的なPV数を叩き出して話題となり、2012年には同作に感銘を受けた人気漫画家・村田雄介の作画によって共同制作版『ワンパンマン』(集英社)の連載を開始。昨年にはアニメ化もされ、さらに注目を集めている。同作の主人公・サイタマは、本人いわく「趣味でヒーローをやっている者」という平熱系ヒーローですが、どんな敵も“ワンパン”で倒してしまう最強すぎる男。どんな修行を積んだかと思えば「腕立て伏せ100回 上体起こし100回 スクワット100回 そしてランニング10km これを毎日やる!!!」という(わりと普通な)トレーニングを3年続けたら、髪の毛も抜け、もはや敵がいないほど強くなってしまったとか。そんな彼が、敵を一撃で倒すシーンは圧巻! 果てしなく強いサイタマ氏ですが、昆布で出汁をとったりスーパーのタイムセールに急いだりと、庶民派な一面も。

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■『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平/集英社)

 世界総人口の8割が、巨大化やサイコキネシスなどの“個性”を持つようになり、その個性を悪用する敵(ヴィラン)を捕まえるために能力を使う、プロヒーローが活躍する時代。No.1ヒーローのオールマイトに憧れる主人公・緑谷出久は、この世代には珍しい“無個性”の少年だったため、周囲にムリだと言われてもプロヒーローを目指して、活躍中のヒーローたちの持つ個性や性格などのプロフィール、ヒーローになるために必要な情報を「将来の為のヒーロー分析ノート」に書き記していた。同作は、無個性の彼が「最高のヒーローになるまでの物語」であり、プロヒーローを目指す少年少女が通うアカデミア“雄英高校ヒーロー科”が舞台。生徒はみんな優秀な個性の持ち主で、体力測定や体育祭などの定番学校行事がド派手な点も見どころ! 4月からはアニメ放送もはじまった人気作です。

 軽犯罪者のヘタレヒーローや最強ヒーロー、はたまたヒーローの卵など、とどまるところを知らないヒーローの多様化。アナタはどんなヒーローが好きですか?

文=フク・ロウ太郎(清談社)