住環境を整えれば恋愛の悩みが解消!? 現役精神科医が教える、間取りと恋愛の意外な関係

恋愛・結婚

2016/6/23


『間取りの恋愛心理学 ベストマッチなお部屋と恋のつかみ方』(高木希奈/三五館)

「恋愛」と「間取り」……一見、無関係に思える二つの事柄だが、実は大きな「つながり」があった。住環境を整えることで、悩める人間関係を改善し、恋愛や仕事の悩みを好転させることもできるのだとか! だとしたら、住まい選びも慎重に吟味しなければならない。だが、実際、どういう風に住まいを選べば、ベストマッチなお部屋を見つけられ、恋をつかめるのだろうか?

間取りの恋愛心理学 ベストマッチなお部屋と恋のつかみ方』(高木希奈/三五館)は、「住環境を整えることで、人生を改善した」女性たちの成功例を、エピソード風に紹介している一冊だ。

 著者は現役の精神科女医。訪問診療に従事しており、患者さんのお部屋に訪れた際、「具合の悪い患者さん、なかなか症状が良くならない患者さんに共通して言えることは、住環境が悪い」ということに気が付いたそうだ。つまり、お部屋と人生には大きな関係があるということになる。

 もちろん、「住環境を変える」だけで病気が良くなるというわけではなく、また、引っ越しをしただけで突然ステキな彼氏ができるわけでもない。大切なのは、自分の短所を認めず、変わろうともしない、治りたいと努力もしない「モチベーション」の低さを改めてもらうことだという。

 本書は「恋愛を中心とした人間関係を改善するきっかけとして、住環境を変えてみよう」というテーマだが、要は、劇的に住環境を変えることにより、「積極的なモチベーションを持つことができるようになる」ことで、「素敵な恋愛を手に入れるための一歩」をもたらすための一冊なのだ。

 実際に著者が関わった相談者さんとの対談を中心に、その実例が紹介されている。

 相談者の一人、真綾さん(22歳)は、幡ヶ谷のゴミ屋敷に住む片付けられないグラビアアイドル。1Kのお部屋には物が溢れ、足の踏み場がない状態。何かが腐っているようなニオイさえする。著者が「お洗濯ってちゃんとしてる?」と問うと、「ある程度臭ってきたらします!」とのこと。

 真綾さんはなぜ片付けられないのか? 本書はその解析から始める。ゴミ屋敷の住人の大きな特徴は、ゴミの溢れた部屋に住むことに不安や焦り、反省がほとんどなく、「自分は間違っていない」という強い肯定感をもっていること。また、物を集める習性が強い動物も多い。そういった習性が人間にも残っているのではないかと推測する。さらに、「片付ける」作業は「取捨選択を強いられる行為」であり、脳が意思決定をすることは、意外なほどに心理的負荷がかかるのだそう。

 そこで、真綾さんの生活を改善するために、著者はあることを提案する。それは大きめのリビングルームがある部屋を借り、そこを当人には「事務所のミーティングルームとしても使う」という触れ込みで住んでもらうことに。

 つまり、人が出入りする可能性を意識させ、「整理整頓を維持しよう」というモチベーションを常にもってもらおうと考えたのだ。その結果は大成功。引っ越してから2カ月経ったあとも、ゴミが蓄積されることなく、生活感のあるリビングが維持されていた。寝室も、ピカピカとまではいかないが、普通の女の子の部屋へと変貌していたとか。「自分以外の第三者が不意に来訪するかもしれないという緊張感がもたらした成果であるということは、もちろん本人にも認識できているでしょう」と著者は述べる。

 そして、最終的に、「この状態の方がくつろげるんだ」ということを理解してもらえれば、完全な一人暮らしになっても、再びゴミ屋敷に戻ることはない。ちなみに、真綾さんは引っ越しをきっかけに恋人ができたそう。

 このように、住環境を劇的に変化させることで、恋愛や人間関係を改善する「きっかけ」をつくることができる。真綾さんの場合は極端な例であり、「部屋の一室を事務所にする」というのはタレントにしかできない方法だが、本書には一般の女性の成功例も掲載されているのでご安心を。

 現状に不安、不満がある。どうにか変化を起こしたい方、まずは引っ越しをしてみたらいかがだろうか? 本書はその一助になるはずだ。

文=雨野裾