「ホンマでっか!? TV」でおなじみの門倉先生が解説! お父さんにオススメしたい、ちょっとマイナーな「副業」

ビジネス

2016/11/28

『お父さんのための裏ハローワーク』(門倉貴史/方丈社)

 60歳の時点で4000万円。『お父さんのための裏ハローワーク』(門倉貴史/方丈社)の「はじめに」のページで著者が提示している、老後に必要な生活費のために達成すべき貯金の目標額だ。60歳で退職したとして、年金が支給される年齢までの無収入期間や病気などでの支出も考慮してあるという。自慢じゃないが、借金はあっても貯金ゼロの私には、ページを開いた最初から絶望しかない。しかし、絶望するのはまだ早い。地下経済の第一人者でもある著者は、「ぜひとも副業に励んでいただければと思います」と読者にエールを送り、「裏ハローワーク」として「世の中ではあまり知られていない」仕事の数々を紹介してくれる。

 まずは、「好きこそものの上手なれ」とも云うし、個人的な興味でエロ関係の仕事について読んでみた。デリバリーヘルス(派遣型ファッションヘルス)のドライバーなら、マイカーで女の子を男性客のもとへ送迎するだけで、時給1000円以上。休日や空き時間にやるには、悪くない条件だろう。ただし、デリヘル嬢に手を出すのはご法度だから、スケベ心に打ち勝つ自制心が必要となる。それでは見慣れたアダルトビデオの、審査という仕事はどうか。しかし、そこは真面目な仕事であり、モザイクが薄すぎたりズレたりしていないか、特定の商品名が画面に写り込んでいないかなどを、画面を凝視してチェックしなければならない。しかも、1本1800円ほどの出来高払いだから、稼ぐとなれば本数をこなさなければならず、義務感でAVを見るというのは、なかなか大変そうだ。

 仕事はやはり、やり甲斐が大切でもあるから、人の役に立つことをしてみようと思うと、代行業がある。現代人はなにかと忙しいため、それを代わりにやれば人から感謝されたうえ、お金も稼げて良さそうである。墓参り代行は、歩合制で1墓参り5000円~1万円(交通費支給)が基本らしいが、著者によれば依頼者は忙しいだけではなく、高齢化や過疎化によりお参りできない人が増えていて、相場は上がっているらしい。他にも本書には、この手の代行業の紹介が多くあり、謝罪代行や告白代行に交じって、お遍路代行なんてものまであった。しかも車で巡っていいそうで、日給1万円として10日間くらいならば10万円を稼げる。とはいえ、長期休暇を取るほうが難しいかもしれない。

 いっそ一攫千金を狙うのはどうか。と云っても、宝クジ並みの確率ではお話にならないから、夢があって、もう少し現実的なところで隕石ハンターというものがあった。隕石は砂漠で発見されることが多いため、著者も海外へ採取しに行くのを勧めているが、国内でも過去に隕石が発見された場所があるので、そのあたりを探してみることを提案している。大きさや質によるものの、火星の石なら3キログラムで1億1000万円、月の石なら1グラムでも110万円の値が付くそうだ。さすがに隕石を探すのは浮ついているとなれば、流木拾いはかなり堅実だろう。用途の一つに、熱帯魚の水槽の展示用にするというのがあり、水に入れると沈むものに希少価値があるそうで、テレビ番組の企画で挑戦した著者は流木を探し始めて30分くらいすると、金額に換算して数千円にはなる枝ぶりのいい流木をいくつも見つけたという。レジャー気分で出かけてお金が稼げるのなら、それこそ万々歳ではないか。

 だが最後に、残念なお知らせがある。冒頭での貯金の目標額は、心優しい著者が心臓の弱い読者を想定して配慮した「かなり甘い見積もり」で、「全然足りない可能性が高い」そうだ。では、本当に必要な金額はどれくらいなのか。「あとがき」にその金額が示されているのだが、それを知って絶望している暇などはない。

文=清水銀嶺