稼ぐ男になるための戦略的な服選び 中身を素敵に表現する見た目の整え方

ビジネス

2017/3/17

『「成功している男」の服飾戦略: ほんの少し「意識」するだけでいい』(しぎはらひろ子/三笠書房)

 おしゃれな男性が必ずしも仕事ができるとは限らないが、仕事ができる男性は仕事をするのにふさわしい服装で仕事をしているはずだ。立場が人を作ると同時に服装が立場や風格を表すからだ。だから、職場の顔として顧客や取引先の人と接するようになったら、服装に無頓着なままではいられない。そこで、『「成功している男」の服飾戦略: ほんの少し「意識」するだけでいい』(しぎはらひろ子/三笠書房)を取り上げる。

稼ぐ男になるための戦略的な服選び

 男性が仕事のための服を選ぶというと、「とりあえず無難なものを」「立場上、みっともなくないものを」という選び方をする人が多いだろうか? 中には「男は見た目など気にしてはいけない」と開き直る人もいるかもしれない。日本にはまだ「服装で仕事の中身が変わるわけではない」と思っている人が多いからだ。しかし、実際はそうではない。1人きりで部屋にこもって仕事をしている場合はさておき、誰かと会う機会があるなら、見た目が周りの人にとっての自分の価値を左右していることに気が付いた方がいい。

「誰かと会う」とは社外の人と接するという意味ではない。社内で上司や同僚、部下などと接する機会も含めた話だ。スーツの素材や色、袖や襟元からほんの少し覗く小物を意識するだけで、好印象を持たれることに繋がる。仕事の場では単に服を着るのではなく、仕事ができる男を装うという意識が必要なのだ。

存在感をマネジメントするとは?

 仕事の場での服装は、自分が何者であるのかを示すアイコンの役目をする。ドラマなどの登場人物を考えてみれば、悪役は黒、ヒーローは白といった色分けや、職業を表すスタイルなどがあることが理解できるだろう。つまり、服は着ていればよいというものではなく、自分の存在をアピールするアイテムとして利用しなければ損なのだ。

 男性がビジネスの場で身に着けられる服や小物はある程度限られているが、色や素材の組み合わせで、いろいろな見せ方ができる。同じネイビーのスーツでも、何通りもの色の違いがあり、素材にシルクが10%入るだけで光沢に差が出る。ちょっとした違いで自分をどんな風にでも見せられるのだから、どんな風に見せたいかをよく考えなければもったいない。

自分の見せ方次第で人生を変えられる

 取引先の人やお客様に会う仕事をしているなら、相手に自分をどう見せるかを考えることは、戦略として必要不可欠なことだ。相手に「どう見られるか」というレベルでは話にならない。「どう見せるか」という主体性が必要なのだ。

 社内の人が相手の場合でもそうだ。無難な服装を選んでいるうちは、自分がどんな風に見えるかを気にしているに過ぎない。自分をどう見せるかを考えるようになれば、自然と服装の細かい部分が気になり始めるはずだ。だから、「自分は服に無頓着だから」などという言い訳をするのは、「自分は大した人間ではありません」と周りに言っているのと同じこと。逆に、できる男を装っていたら、中身をそれに合わせざるを得なくなるため、自然に服装に合う中身になっていくものだ。

ビジネススーツはアムロにとってのガンダム

 著者であるしぎはらひろ子氏のスタイリングを受けたあるクライアントがおもしろいことを言っていた。「選んでもらった服一式が、私にとって『機動戦士ガンダムのアムロにとってのモビルスーツ』と同じ役割をしてくれている」というのだ。これは、普通の少年アムロが、ガンダムに乗り込んだ瞬間戦闘モードに変わるというのと同じで、自分も選んでもらった服を着たときは、できるビジネスマンとして勝負できるという意味だ。他のクライアントも別の言葉で同じようなことを言っているのを見ると、服がビジネスの場で発揮する力はバカにならないと言わざるを得ない。

 服を選ぶときに使えるテクニックが盛りだくさんのこの本。スーツやジャケットの素材や色選びを初め、ワイシャツの襟の形や台襟の高さ、ネクタイとの合わせ方、小物との合わせ方など細かいところまで選び方のポイントが満載だ。ベストドレッサーの審査員も務めるスタイリストのワザ、勝負服選びに活かしてみてはどうだろうか。

文=大石みずき