つづ井vsカマタミワvsビクトリアブラディーヌ。男性をお花見に誘う「妄想LINE選手権」でガチバトル!

マンガ

更新日:2017/4/17

 モテと非モテを分かつのは、いかにLINEを効果的に使えるかどうかではないだろうか。恋愛を発展させるのはいつの時代もコミュニケーション。その媒介は、手紙から電話、電話からメールと移り変わってきたが、現代はLINEを活用するケースがほとんどだろう。

 ひとり暮らしの悲喜こもごもを、せきららに描いたコミックエッセイ『ひとりぐらしも神レベル』の作者カマタミワさんも、LINEを使って恋愛を発展させようと目論むひとり。しかし、なかなか思うようにはいかないらしい。

 カマタさんが、合コンで知り合った男性たちをグループLINEで飲みに誘ったところ、なんと全員から既読スルーされてしまったというのだ。

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LINEスタンプ©山本アットホーム

 スタンプのセレクトにやや疑問が残るものの、ここまで華麗に無視され続けるなんて、あまりにも非モテすぎる……。やはり、非モテを脱して恋愛のチャンスを掴むには、いかにLINEをうまく使えるかが勝負になってくるようだ。

 そこで、ダ・ヴィンチニュース編集部では「男性から即レスがもらえる妄想LINE選手権」の開催を決定! 非モテ女子たちに、しのぎを削ってLINE術の腕を磨いてもらおうと思う。

 出場者は、華麗に既読スルーをかまされ続けたカマタミワさんをはじめ、BLに人生を捧げすぎてもはや自分の恋愛どころではないつづ井さんと、孤独を紛らわすためにSiriにプロポーズした経験を持つビクトリアブラディーヌさんという非モテ女子3名。

テーマは「ちょっといいなと思っている男性をお花見に誘って即レスがもらえそうなLINE」。

 いったいどんな珍回答が飛び出すのか、はたまた思わずキュンとするようなモテLINEに仕上がっているのか、非モテ女子たち渾身の作品をひとつずつ見ていこう。

 

エントリーNo.1 カマタミワ

「お花見って私、したことないんですよー。してみたいなー。」
カマタ「男性は『こんなの初めて!』って言われたいに違いない」

「べ、別にアンタとお花見に行きたいなんて思ってないんだからね!」
カマタ「行きたいんですけどね」

「逆にお花見に行きませんか?」
カマタ「逆に行こうかな、ってなるはず」

「アリーナ最前列のチケットが取れたんですが、お花見に行きませんか?」
カマタ「アリーナ最前列なら行きたい、ってなると思う」

「君、いい体してるね! 何か運動やってた? 花見行かない?」
カマタ「なんとなく体格を見込まれて運動部に誘われた感じで断れないのでは?」

「何もしないからちょっと公園で休んで行かない? 花見とかしないから! 全然そういうつもりじゃないから!」
カマタ「押しに弱い男性なら、『えー、ほんとに花見しないー?』って言いながらもついてきてくれると思う」

「私とお花見に行くのと傭兵に殴られるの、どっちがいい?」
カマタ「できれば避けたい撲殺との二択にすることで、無理なく花見を選ばせることができます」

「俺、この戦いが終わったらお前と花見に行きてえんだ……」
カマタ「おそらく『いいよ』って言ってもらえるけど、この後100パー死ぬ」

 

 ほかの2名の出場者よりちょっと年上のカマタさん。「小娘どもには負けたくない!」ということで大量に文章を考えたらしいが、はたして今回の企画の主旨をきちんと理解してくれているのか疑問である。即レスどころか、「アリーナ最前列」や「傭兵に殴られる」など、相手に戸惑いを与えそうな要素ばかりだ。ただ、相手のギャグセンスが高ければ、鋭いツッコミで即レスをもらえる可能性もなくはない。常に何かにツッコミたがっている男性を狙えば恋愛に発展するかもしれない。

 また「お花見って私、したことないんですよー。してみたいなー。」という一文は、誘われるのを待っているあざとさが感じられてなかなか可愛らしいのではないだろうか。とはいえ、相手にその気がなければまたもや華麗にスルーされてしまいそうだが……。

 

総評:相手のギャグセンスが問われる。ほとんどの男性が戸惑ってしまうが、ツッコミたがりの男性を狙えばチャンスはある!

 

エントリーNo.2 つづ井

つづ井「『いやそれ絶対嘘(笑)』とツッコむのも野暮だと感じるほどの素朴で可愛らしい誘い文句、女の子の精一杯のユーモアと、隠しきれない好意…..。この子なら本当に桜の木の友人がいるかも知れないとまで思わせる、稚拙さまで計算された完璧な文章だと感じます。友人が転職活動中だったというほのかに香る世知辛さもアクセントとなっているのではないでしょうか」

「誠に申し訳ないのですが、笑い一切なしガッチガチのガチで臨んでしまいました。相手さえいれば実際に使いたいです」というつづ井さん。「完全なる一人勝ちで申し訳ございません」とのことだが、誰もついていけないという意味ではたしかに一人勝ちだろう。

 つづ井さんが大好きなBLの世界では「人が桜の木になる」というファンタジー設定が萌える要素となり得るのだろうか。ほんとんどの男性が「え……?」と引いてしまうこと請け合いだが、逆にこの設定をすんなりのみ込める男性がいたとしたらちょっと怖い。

 しかし、つづ井さん本人が言うように、これを「精一杯のユーモア」だと瞬時に理解できるほど分析力の高い男性がいれば、万にひとつの確率で即レスがもらえる可能性があるかもしれない。ただ、即レスがもらえるか不思議ちゃん認定をされるかは一か八かの賭けだろう。

 

総評:ファンタジー設定すぎてほとんどの男性はついていけないのでは? 相手の理解力に賭けるしかない博打のようなLINE。

 

エントリーNo.3 ビクトリアブラディーヌ

春が来ましたね。

暖かい季節だというのに、心はまだ冬を終えていないせいか、体幹から足先まで冷えているんです。。

寒いなぁ…

本当に春は来ているんでしょうか?

もしかして気のせいでは?

本当に春が来ているのか確かめに、桜を見に行きましょう。

ビクトリア「春が近づくと、季節に取り残されているような気分になって、無性に不安になります。暖かさに気持ちがついて行けず、『まだ冬は終わっていない』と思うのも無理はないんじゃないでしょうか。男性と桜を見に行くことで『あぁ、春が来たんだな』ということをやっと実感できるのではないか、と思います」

「末端冷え性の手先を握ってもらって、心も体も暖めてもらいたいです」とのことだが、ビクトリアさんは本当にこのLINEから花見デートにつなげるつもりなのだろうか。たしかに「季節に取り残されているような気分」がひしひしと伝わってくる情緒的な仕上がりだが、ポエムとして完結してしまっているため、男性は誘われていることに気付かないのではないだろうか。

 即レスをもらえるどころかポエマーというあだ名を付けられる危険性をはらんでいる。もしも、即レスしてくれる男性がいるとしたらあちらもポエムで返してくるはずなので、最終的にポエムの送り合いに終着しそうだ。

 ただ、すぐデートにつながる可能性は低いものの、平安時代のように歌の送り合いから恋が始まる場合もある。長い目で見れば意外とありな文章かもしれない。

 

総評:ポエムっぽいので即レスをもらえる可能性は低い。ただ、相手次第では平安時代のような恋の育み方ができそう。

 

非モテを脱するのは険しい道のよう

 3名の非モテ女子がガチで挑んだ妄想LINE選手権。予想通り、正直モテとはかけ離れた結果となったが、それぞれの個性が発揮されたいい勝負だったのではないだろうか。

 とにかく即レスがもらいたい!と思うなら、巷にあふれるモテLINE術を駆使すればいいが、自分を偽って恋愛が始まったとしても後々自分が辛くなるだけだ。大切なのは、ありのままの自分と向き合ってくれる相手を見つけることと。だとすると、今回のように個性にあふれたLINEを既読スルーせず、きちんと返信をくれる相手こそ、恋愛するのに適しているのではないだろうか。

 非モテを脱するのはやはり険しい道だが、自分らしさを貫くことで見つかる幸せがあるかもしれない。カマタミワさん、つづ井さん、ビクトリアブランディーヌさんには、これからも個性あふれるLINEを送り続けてもらいたい。

文=近藤世菜