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米国では「kondo」とは「片づける」の意味! なぜ「ときめき」がいいのか? マンガでよむ「こんまり」本で片づけの極意を知る

『マンガで読む人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵、ウラモトユウコ/サンマーク出版)

 新入学、新入社、異動に転勤…、春は新生活の節目である。新しい何かがなくとも温かな春風を感じるとなぜか部屋の模様替えや片づけをしたくなるものだ。新しいソファを買い替えたり、収納道具を増やそうという人もいるだろう。だが、今年はそんな“上っ面”のリニューアルではなく、ワンランク上のお部屋を目指してはいかがだろうか。

 ワンランク上といっても賃料が高い部屋を借りるわけではない。自分らしく快適で過ごしやすい部屋をつくることである。そんな上質な新生活のナビゲーターを務めてくれるのが、「こんまり」こと、近藤麻理恵さんである。

■アメリカで「kondo」とは「片づける」の意味

 こんまりさんは2010年に出版した『人生がときめく片づけの魔法』が大ヒット。現在、海外41か国で刊行され、全世界でシリーズ累計700万部を突破。なかでもアメリカでは、270万部を超える大ベストセラーに輝いた。しかも、そのヒットのおかげで広まったのは、本だけではない。「kondo」という単語が「片づける」という意味の動詞で使われるようになったというから驚きだ。2015年、米「TIME」誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選出され、その存在を知った人も多いだろう。

 しかし、こんまりさんといえば、「丸めて立てる」人。もしくは、「ときめいている」人。そんな断片的な認識しかない人も多いだろう。そんな人にはこの度上梓した、『マンガで読む人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵、ウラモトユウコ/サンマーク出版)をぜひお薦めしたい。

 例えば住まいについて、“根本的”に何かをしたいけれど、忙しいという人は、ぜひマンガ版を手に取ってほしい。同書では、登場人物がこんまりさんの片づけ体験を味わうストーリーとともに、こんまりさんの教えがコンパクトに凝縮されて紹介されているからだ。「ときめき」という、一見すると“ゆるふわ”ワードを煙たがらずにぜひ手に取ってほしい。

■まず「幸せ」な生活像をイメージ

 この本の主人公は、29歳独身。日中は営業職としてバリバリ働くキャリアウーマンだが、家ではズボラの限りをつくし、足の踏み場もない、という部屋に住んでいる。そんな彼女が、隣人に「ベランダのゴミが臭い」と苦情を言われ、部屋の惨状を見られたことにショックを受け、「片づけコンサルタント・こんまりさん」の片づけレッスンを申し込む。というストーリーだ。

 こんまりさんの教えは、他のどんな片づけ書ともちがう。その一部をご紹介しよう。

 部屋を整えるには、“捨てる技術”だの“断捨離”だのという言葉がよく聞かれる。とにかく捨ててスッキリさせよう、というのではない。彼女がまず主人公に求めるのは、「どんな暮らし」をしたいのかという問いである。

 主人公は「おうちで素敵なごはんを作って食べる」という、答えを出す。でもそんな答えでは、こんまりさんは満足してくれない。「なぜ素敵なごはん」を食べたいのか。具体的にはどういうものか。「なぜ?」を連発する。

“仕事が忙しくて「時間が空いたから」とか「近くにあったから」とか
「食べたいから」じゃなくて「とりあえず」でおなかを満たしちゃうんです
「とりあえず」を食べ続けて私の身体が「とりあえず」でできあがってしまうのはイヤ”

 これが主人公の導き出した答えである。「とりあえず」と流されるように日々を過ごすのではなく、日々の食事と家で過ごす時間を大切にしたいと。これこそが主人公の求める「幸せ」のかたちである。そう、こんまりさんが片づけでまず求めるのは、自分にとっての「幸せ」とは何か。ゴールが見えなければ、やみくもに道を走るだけになる。それを決めてしまおうというのだ。

■場所別ではなく、「モノ」別に集める

 続いては、「モノ」別に、一箇所に集める。服なら服、本なら本。そして、家中に散らばっている本も一箇所に集める。その理由は、自分のもっている総量を把握するためだという。

 多くの人が片づけられない一番の原因は「モノが多い」からである。なぜ「モノ多い」のかというと、持っているモノの量を把握できないからだという。そして、持っているモノの量が把握できないのは収納場所が分散しているからだ。


 一箇所に集めればわかることだが、本の場合は同じ本がいくつもあったり、服は、身体がひとつしかないのに対し、膨大な量を抱え込んでいたりしていて、一目瞭然である。普通の人は、キッチンならキッチン、リビングならリビングと場所別に片づけをしがちだが、こんまりさんの場合は、「モノ」を軸に取りかかる。

 続いてこんまりさんから受ける教えは、「残すもの」を選ぶ。つまり「ときめき」があるか判断することだ。それには、3つの側面から考えることが必要だとこんまりさんは説明する。

1 機能
2 情報
3 感情

 この3つのどれかにあてはまるがために、人はものを捨てられない。合理的に考えれば、「ボロいけどまだ着られる服」は機能面で引っかかりがある。「積ん読」している本は、情報が気になり手放せない。そして「ダサイけど大事な人からもらったアクセサリー」は、感情面で引け目を感じる。このほかにも、「希少性」があるものも人は捨てづらいと判断する。

 そう、合理的に考えてしまうと、けっきょくモノは捨てられないのだ。じゃあ、何を基準にするのか。それが快・不快といった感情であり、「ときめき」だ。

 心がときめかない服を着て幸せか。心ときめかない本に囲まれて幸せを感じられるのか。何のために片づけるのか。それは先述したように「幸せ」になるためだ。「幸せ」は詰まるところ主観でしかない。だから「ときめき」が大切なのだ。


 こうやって「残すモノ」を選別できたら個別の整理法である。洋服を丸めて立てる収納法、紙類の整理法など実践的なテクニックが必要となってくる。

「ときめき」という言葉ばかりが先行したイメージであったが、本書を読むと、いかにそれが“筋が通った”方法だったかがわかる。そして、一冊のなかに概論から具体的なテクニックまでを網羅している。最初はうがった見方で手に取るかもしれない。けれども「ときめき」のロジックにグイグイ引き込まれるだろう。ぜひこの機会に読んでいただきたい。

文=武藤徉子



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