放っておくと命も縮める…-20kg成功した管理栄養士が教える“ジェットコースター血糖”の恐怖

健康・美容

2017/5/15

『脂肪と疲労をためるジェットコースター血糖の恐怖 人生が変わる一週間断糖プログラム(講談社+α新書)』(麻生れいみ/講談社)

 ご飯を食べた後、どうもウトウトしてしまう。あるいは、何だか無性にイライラする。仕事に集中できずボーっとして、鳥に「いいよな、君らは空を飛べて…」とつぶやく――このような状態に身に覚えがある方にぴったりの本を紹介したい。

 食後はダルい。なぜだろう? そうだ、やる気がないのだ。やる気を出せば眠気も吹っ飛び、仕事にも集中できる。だがこれは運動部の練習では水を飲んではいけないという、古き体育会系の思い込みと同じ。非科学的である。食後のダルさの正体と解決策を、精神論ではなく栄養学をもって教えてくれるのが『脂肪と疲労をためるジェットコースター血糖の恐怖 人生が変わる一週間断糖プログラム(講談社+α新書)』(麻生れいみ/講談社)だ。

 食後に襲ってくる脱力感の正体に触れる前に、まずは「血糖値」について説明したい。血糖値とは血液中のブドウ糖の量のこと。米や麺類など糖質を含むものを摂取すると血糖値は高くなり、それを下げるのがインスリンだ。ちなみに、インスリンが何らかの理由から体内で作ることができなくなってしまう高血糖状態を「糖尿病」と呼ぶ。実は、糖質の過剰摂取によって血糖値が急激に上昇し、その後急激に下降する“ジェットコースター血糖”が食後のダルさの原因だという。しかも、血液中の血糖値が急激に増減するとしっかり食事を摂ったにもかかわらず、空腹を感じてつい食べ過ぎてしまう。そうなれば肥満につながり、動脈硬化・脳卒中・急性心筋梗塞・認知症・がんなどのリスクも高まる。“ジェットコースター血糖”はまさに「百害あって一利なし」だ。

 では“ジェットコースター血糖”を未然に防ぐにはどうすればいいか。答えは簡単。血糖値を上げる糖質を摂らなければいい。近年、糖質の量を制限する「糖質制限ダイエット」が話題となっている。このダイエット法は理にかなっていると言えるのだ。

 しかし、糖質制限をすると栄養バランスが崩れて身体を壊す…という話も時々耳にする。本当に大丈夫なのかちょっぴり不安を感じるのは私だけでないはず。著者曰く、ご飯やパンといった糖質を抜いたところに肉や大豆などのタンパク質・野菜を足すことで、体調を崩すという悲劇を防ぐことができるそう。さらに、糖質を抜くことで体内の中性脂肪を分解してできる「脂肪酸」をエネルギーとする「ケトン体回路」が稼働。脂肪酸を使って身体を動かすようになるため、脂肪がどんどん燃焼され、食後にダルくならず、心も身体もスッキリするという。

 糖質を摂るな、と言われても何を食べていいのかわからない…という方にも安心なのが、具体的にどのようなものを食べればいいか、本書できちんと指南してくれていることだ。いくつか糖質制限生活の基本を紹介しよう。

●「タンパク質」を摂る
 タンパク質は人間の身体を作る大事な栄養素。筋肉を増やしたい時に飲むプロテインや肉、魚、大豆製品に多く含まれている。体重(kg)×1.2が一日に必要なタンパク質の量。たとえば体重60kgの人なら60×1.2=72g(1日)となる。それぞれの製品のおおまかなタンパク質の量も記載されているので、参考にして献立を考えてみるといいかもしれない。

●葉物野菜、きのこ類、海藻類を一日400g以上摂る
 私は食事の際にキャベツのサラダを食べるようにしている。計ってみると、その量は一日およそ150g。満腹感が得られる割に、食べている量は少ないなと感じた。調理方法や食材の選別など、計画的に一日の食事に取り入れないと慣れるまでは苦労するかもしれない。

●調味料はシンプルに、油の質にこだわる
 調味料には砂糖などの糖質が含まれていることが多い。いろいろ入れて調理してしまうと糖質を抑えているつもりが、あまり効果が期待できないということに。そのため、味付けはできる限りシンプルにすましてしまうのが秘訣なのだとか。また、調理に欠かせない油はしそ油・亜麻仁油・えごま油・ココナッツオイルなどを積極的に使うとよいとのこと。

 上記のことなどに気を付けながら、まず1週間は全く糖質を摂らない。2週目~4週目は一日の糖質量を60gに。5週目以降は70~130gに抑えるようにするのがよいそうだ。

 とはいえ、健康を考えてくれる料理上手な奥様がいてくれればいいが、私のような普段料理をしない独身貴族には正直ハードルが高い。だがご安心いただきたい。なんとコンビニやファミレス、居酒屋で手軽に食べることができるメニュー案が掲載されているのだ。興味はあるけど自炊が苦手、面倒くさいという人でも実践可能。嬉しい限りだ!

文=冴島友貴